「にんげんをかえせ」の深く重い意味を考えさせられた映画祭   

第17回被爆者の声をうけつぐ映画祭2023
映画「はだしのゲン(第一部)」を見る


 10月7日、「第17回被爆者の声をうけつぐ映画祭2023」(実行委員長は、アニメーション監督の有原誠治さん)に参加しました。私は、「はだしのゲン(第一部)」を見ました。

子どものときに「はだしのゲン(第二部)」を見て
戦争はだめだ、原爆はだめだ、と心の底から思いました


 この映画は、中沢啓治の漫画「はだしのゲン」を原作にした劇映画です。私は子どものときに、「はだしのゲン(第二部)」を見て、初めて原爆を知りました。たった一発で人の命を奪い、人生が狂わされ、大地を壊し…その後も放射能の影響が長く続き人々を苦しめる…恐ろしくて何日も一人では寝られなくなりました。絶対に戦争はだめだ、原爆はだめだ、と心の底から思いました。

戦争へとかりたてるいまの流れを止めたい
多くの方にみてほしい映画


 今回、まだ見ていなかった第一部を見ることができ、本当によかったです。こうやって戦争が、落とされる必要のない原爆が落とされるまでにすすんでいくということがとてもリアルで、人々の意識の変化が今と重なる感じもあり、背筋が寒くなりました。戦争へとかりたてる今の流れを必ずストップさせたいと思いました。ぜひ、今こそ多くの方に見てほしいと思います。

被爆の体験を語り続けてきた
日本被団協の児玉三智子さん


 映画のあとは、日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)事務局次長の児玉三智子さん(1938年生まれ、85歳)のお話を聞きました。最初、話すはずの児玉さんの姿がみえませんでした。どうしたのだろうと思っていたら、「はだしのゲンを見て、こみ上げ、あわててトイレで涙を拭いてきました」と。そうやって被爆の体験を語り続けてくださっているのだと、胸にズシリときました。

児玉さんのお話は…
峠三吉の「こどもをかえせ」は私の思い


 ・当時、7歳だった私が、期日どおりに家を引っ越さない隣のおばさんに向かって、「非国民ね」と、わからずに言っていた。
 ・今、核兵器は9カ国で12520発もある。そのうち、アメリカとロシアで90%を占めている。国連103か国のうち、もっているのは9カ国だけ。
 ・NPT(核不拡散条約)再検討会議で核保有国も含めて減らそうということになっていたのに、50年以上たってもなかなか進まない。核兵器禁止条約ができたときは、本当に嬉しかった。それなのに、日本は参加しない。
 ・シェルターなど現実的ではない。逃げ込んでもいつ外に出るのか? 放射能いっぱいのなかに出られない。備蓄の食料も尽きるからずっといるわけにはいかない。
 ・広島、長崎で原爆の実験をされた。今でも、健診のデータはアメリカに送られている。
 ・結婚をしようと思った最初の彼の家族から、被爆者を家系に入れないと反対されて結婚できなかった。被爆していてもいいという今の夫と結婚し、子どもができたが、悩んだ。大事に育てようと話し合って産んだ。娘は元気いっぱいで病気ひとつしなかった。ところが、2010年にがんを発症。娘は信じられず、たくさんの病院で調べてもらった。そのなかで、「家族に被爆者はいるか」と聞かれた、と。娘は、「お母さんのせいじゃないよ」と泣きながら私に言った。そして、45歳で亡くなった。だから、峠三吉さんの「にんげんをかえせ」の詩のなかの、こどもをかえせは、私の思い。
 ・核兵器禁止条約ができた年には、二人の弟も亡くなった。
 ・被爆者は、体もたくさん傷んでいる、辛い。何より、心の痛みがつらい。

「にんげんをかえせ」の深く重い意味
これほど考えさせられたことはありませんでした


 箇条書きですみません。実際には、もっと深く語ってくださっていて…。でも、とてもメモをしきれませんでした。「にんげんをかえせ」の深く、重い意味をこんなに考えさせられたことはありません。こどもをかえせ…涙が止まりませんでした。
 このお話を、たくさんの子どもたちや若い人たちに聞いてほしい。心から思います。

被爆者の声を受けつぐ映画祭
実行委員会のみなさんに敬意と感謝を申し上げます


 まさに被爆者の声をうけつぐ映画祭だと実感しました。長年続けてくださっている実行委員会のみなさんに心からの敬意と感謝を申し上げます。

映画祭の会場
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被爆体験を語る児玉三智子さん
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by hara-noriko | 2023-10-17 22:20 | 活動日誌 | Comments(0)

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