都議会厚生委員会質問(2)保健所での障害者健診 充実・継続を
2023年 12月 14日
保健所での障害者健診の充実・継続を求める
都議会常任委員会の所属が変わり、総務委員会から厚生委員会になりました。厚生委員会は、福祉局と保健医療局を所管します。11月、2つの局の仕事の内容をめぐって事務事業質疑がおこなわれました。7日に保健医療局、16日に福祉局に対して質問しました。その内容を順に紹介しています。
保健医療局に対しては(1)保健所の体制強化と保健所での障害者健診(2)多摩北部医療センターと都立病院機構の問題(34)感染症対策(4)薬務行政=市販薬の過剰摂取(オーバードーズ)について―の4つの課題で質問しました。2回目は、(1)の項目の2つめ、保健所での障害者健診を充実・継続するよう求めました。
【原のり子のコメント】
保健所での障害者健診は、希望する事業所に行われています。私は、2019年9月に一般質問でも継続と充実を求めています(ブログ2019年9月28日)。コロナ禍では休止していた健診でしたが、今回、すべての保健所で久しぶりに実施されたことがわかり、よかったです。しかし、課題もあります。障害のある方が健診を受ける権利をきちんと保障していくことが求められます。保健所で障害者健診を続けることはとても重要です。保護者の方からの声も紹介しながら、質問しました。
障害者健診 保健所ごとの対応は?
「すべての都保健所で健康診断を実施している」
原のり子 保健所での障害者健診について、うかがいます。それぞれの保健所ごとの今年度の対応をうかがいます。
保健医療局地域保健担当部長特命担当部長保健所デジタル化推進担当部長兼務 すべての都保健所におきまして、障害者施設等の利用者を対象とした健康診断を実施してございます。
「すべての保健所で」 本当によかった
希望者全員が受けられるようになっているか
原のり子 今年度、すべての保健所でということで、それは本当によかったと思います。コロナの中で障害者健診が休止して、事業所からも要望が保健所に出されていました。コロナが5類になった下での判断ということで、年度途中からの実施になりましたけれども、希望する事業所の障害のある人たちが全員受けられる仕組みになっていますか。
地域保健担当部長 障害の有無にかかわらず、疾病の発症や重症化の予防等のため、高齢者の医療の確保に関する法律や労働安全衛生法等に基づきまして健診が実施されているところでございます。
都保健所におきましては、障害者施設等の利用者が、各保険者等が実施する地域の医療機関や健診機関等での健診の機会を確保できない場合、管内の施設からの依頼を受けまして健診を実施しているところでございます。
健診を受ける人数の上限が決められている
なぜそのような対応になったのか
原のり子 これまでも保健所の健診を依頼して受けていた事業所を対象に、今年度希望するかどうかを尋ねて受けられるようにしたということです。ただ、受ける人数の上限が決められていて、実施も半日でやってくださいというようなことなんかも、制限があったということを聞いています。
障害の有無にかかわらず健診は重要で、障害者も健診の機会を確保できるように実施をしているわけですけれども、なぜ人数の上限を決めるなど制限するような対応になったんでしようか、うかがいます。
地域保健担当部長 安全・安心に健診を受診していただけるよう、新型コロナ等への感染リスクを考慮しまして、集団での健診実施に伴う感染対策を講じるため、受け入れ規模等を設定してございます。
希望しても受けられない人が生じる
人権問題にならないか
原のり子 保健所から出されている通知を見ますと、希望多数のためというふうにも書かれています。一般的な健診では、上限設定が理由で、そもそも、あなたは今年は受けられませんよなどということはないと思うんです。それなのに障害者健診は、希望しても受けられない人が生じるということは人権問題にならないかということを私は心配しています。
例えば事業所の人数があります。定員数があって、それよりも上限数が低かった、そういうケースもありまして、3人の人が対象外になってしまう、と。この人たちにどうやって説明したらいいんですかという、そういう声もうかがいました。
都が苦労して実施していることはわかるが
上限を決めるやり方は是正すべきです
原のり子 私はこの上限設定、今年は年度途中で実施をするということもあって、いろいろ日程的にも制約をされる中で、苦労されて実施されているということは理解をしますけれども
来年度以降実施するときには、この上限を決めるというやり方は是正をすべきではないかなというふうに思うんです。
ぜひ今年実施した状況も聞き取って、改善、対応していただきたいと思いますが、そのことは検討していただけますでしょうか、うかがいます。
地域保健担当部長 都保健所におきましては、障害者施設等の利用者が、各保険者等が実施する地域の医療機関や健診機関等での健診の機会を確保できない場合、管内の施設からの依頼を受けまして健診を実施していくこととしてございます。
質問に直接応える答弁ではない
重ねて是正を求める
原のり子 私の是正してほしいということに直接応える答弁ではなくて、ちょっと残念なんですけれども、重ねて求めておきたいと思うんです。
来年度以降、希望する人が、いまおっしゃったとおり、ほかの健診では受けられない方たちを受けられるようにするために保健所で実施をしているわけだから、保健所の健診も受けられないという人が出ないように、これはぜひ是正していただきたいというふうに思います。
障害者が健診を受ける意義、必要性など
都はどのような認識をもっているか
原のり子 それで、改めてうかがいたいんですけれども、これは保健所でという意味ではなくて、全体的な考え方でうかがうんですけど、障害者が健診を受ける意義、必要性、また、健診を受ける難しさについてどのような認識をもっていますか。
地域保健担当部長 健診は、高齢者の医療の確保に関する法律、労働安全衛生法等の個別法に基づきまして、医療保険者や事業主が実施してございます。
この健診につきましては、障害の有無にかかわらず、疾病を早期に発見し早期治療につなげること、健診結果を踏まえた栄養指導、その他の保健指導を行うことによりまして、疾病の発症及び重症化の予防並びに生涯にわたる健康の増進に向けた自主的な努力を促進する観点から実施されているところでございます。
「保健所での障害者健診は本当にありがたい」
保護者の声も踏まえて、障害者を排除することのないように
原のり子 保健所の障害者健診は、事業所の職員がマン・ツー・マンに近いような形で同行して、みんなで行くわけですけれども、そこで、不安で落ち着けない人もいらしたり、また、暴れてしまう人もいらっしゃる。そこにも対応しながら、看護師さんや保健師さんと協力して採血なども行っているんです。
もしこれを高齢のお母さんやお父さんが、自分よりも体がずっと大きい障害をもったお子さん、成人をしているお子さんを連れて、自分で健診を受けなさいといわれてしまったら、とてもできないという声もあるんです。ですから、保護者の方々からも、保健所での障害者健診は本当にありがたいという声がたくさんあります。
今年度は参加できなかった事業所や、また、障害者を排除することなく、今後もきちんとこの健診については案内をしていただきたいというふうに思いますが、いかがですか。
地域保健担当部長 都保健所におきましては、地域の医療機関や健診機関等での健診の機会が確保できない場合に健診を実施してございます。対象となる施設等とは個別に調整してまいります。
保健所の障害者健診は大事な事業
継続することを強く求めたい
原のり子 障害のある人が誰一人取り残されることなく健診を受けられるようにするために、その1つの大きな役割を担っているのが、この保健所の障害者健診で、これはとても重要だと、大切だと思います。ぜひ今後とも、この大事な事業を継続することを強く求めておきたいと思います。
左は、共産党の清水とし子都議
by hara-noriko | 2023-12-14 00:15 | 都議会 | Comments(0)