都議会厚生委員会質問(3)多摩北部医療センターの充実急いで   

保健医療局に質問
多摩北部医療センターの充実を急いで


 都議会常任委員会の所属が変わり、総務委員会から厚生委員会になりました。厚生委員会は、福祉局と保健医療局を所管します。11月、2つの局の仕事の内容をめぐって事務事業質疑がおこなわれました。7日に保健医療局、16日に福祉局に対して質問しました。その内容を順に紹介しています。
 保健医療局に対しては(1)保健所の体制強化と保健所での障害者健診(2)多摩北部医療センターと都立病院機構の問題(3)感染症対策(4)薬務行政=市販薬の過剰摂取(オーバードーズ)について―の4つの課題で質問しました。3回目は、多摩北部医療センターと都立病院機構についてです。

【原のり子のコメント】

 小池百合子知事は、都民の反対をおしきって、2022年7月1日、都立病院(8病院)と公社病院(6病院)を独立行政法人化(独法化)し、都立病院機構を設立しました。都民の運動におされ、都は、行政的医療を将来にわたって安定的に提供する、地域医療の充実への貢献を将来にわたっておこなう、としています。しかし、そもそも、独法化の目的は財政支出の削減であり、不採算であっても都民にとって欠かせない医療(感染症医療、救急医療、小児医療、周産期医療、精神医療、難病医療、障害者医療など)が後退する心配があります。
 こうしたなかで、多摩北部医療センター(東村山市青葉町)の改築にあたっての医療充実がどういう方向になるのか。産科をつくるとなったことは重要ですが、いつの間にか、庶民が手の届かないような費用がかかる出産しかできない内容になっては困ります。市民の声を聞きながらすすめることを強く求めました。
 そして、「行政的医療は後退させない」としながらも、都立病院機構の病院のうち、9病院で540床も休床になっていることを指摘しました。
 引き続き、都立病院機構が役割を後退させないように強く求めるとともに、直営に戻すべきだととりくんでいきます。
 以下、質疑の内容です。

多摩北部医療センター整備基本構想に基づいて
基本計画策定に向けどのような検討がおこなわれているか


 原のり子 多摩北部医療センター及び都立病院機構についてうかがいます。
 多摩北部医療センターの改築についての多摩北部医療センター整備基本構想が今年3月にまとめられています。基本構想検討委員会の報告書を踏まえ、改築後の病院に必要な医療機能が示されました。これを踏まえ、基本計画を策定していくことになりますけれども、現在どのように検討がすすめられているのでしようか。スケジュールはどうなっているか、うかがいます。

 保健医療局都立病院支援部長 現在、都立病院機構で、基本計画策定に向けた作業をすすめているところでございます。

 原のり子 それはそうなのだと思いますけれども、具体的にどういうテンポでいつまでにというのは、なかなか今の段階でよく分からないわけです。
 基本計画策定の後には基本設計、実施設計、そして工事に入るということになりますから、運用開始までにはまだかなりの時間を要するのではないかというふうに思われます。

心配なことが3つある
まず、市民の意見を聞く機会をいつもつのか


 原のり子 心配なことが大きくいって3つあります。その1つは、その過程で市民の意見を聞く機会は、いつどのように持つのかということです。いかがですか。

 都立病院支援部長 基本計画を策定する中で都立病院機構が判断するものと認識してございます。

産科の設置―市民が願う形になるのか
市民の意見を聞くことが欠かせない


 原のり子 多摩北部医療センター(多摩北)の改築の問題については、市民からも強く声が出されていたのが産科の設置です。東村山と清瀬では、お産をできる病院がなくなってしまったことから、多摩北に設置してほしいという声は非常に切実です。
 そうした中、基本構想にも産科の設置が盛り込まれました。しかし、今後それが基本計画や実施計画に具体的にどう盛り込まれていくのか、市民が願う形になっていくのか、やはりこの先も市民の意見を聞くことが欠かせないというふうに思います。
 都立病院機構の病院がどういう機能を持つのかは東京都にとっても重要なことですから、東京都からも機構に促していただきたいと思います。

心配なことの2つめ
必要な医療機能を整備する予算を十分確保してほしい


 原のり子 心配なことの2つ目は、現在の深刻な物価高騰の影響です。物価高騰の中でも、改築に当たって産科など必要な医療機能は整備し、そのための予算を十分確保できるようにすべきではないかと考えますが、いかがでしようか。

 都立病院支援部長 多摩北部医療センター整備基本構想では、改築後の病院に必要な医療機能等を示すとともに、工期の短縮化やコスト縮減を図れるよう、病院の整備に最適な整備手法を基本計画の中で検討することとしておりまして、整備費は基本計画の中で検討するものと認識してございます。

 原のり子 物価高騰自体は、病院機構の責任で何とかできるものではもちろんありませんから、基本構想で示された必要な医療機能がきちんと確保されるように、東京都として十分な支援を行うことを強く求めておきたいと思います。

心配なことの3つめ
改築待ちにならず必要な対策をとってほしい

 原のり子 心配なことの3つ目ですけれども、改築までに時間を要する中での対策です。改築されるまでの間も、必要な医療充実を図っていくことは欠かせません。改築待ちにならず、必要な対策は取っていくということが求められています。

たとえば小児外科
今、どのような体制か


 原のり子 例えば小児外科については、今どのような体制になっていますか。

 都立病院支援部長 小児外科医は、全国的に見ても人材が限られておりまして、医療の質を確保しながら患者の多様な症状に適切に対応していくためには、医師をさまざまな医療機関に分散させるのではなく、集約化していくことが必要でございます。
 多摩北部医療センター(東久留米市青葉町)は、子どもの救命救急医療を担う小児総合医療センター(府中市武蔵台)
と密接に連携しながら適切に医療を提供しております。

「小児総合医療センターとの密接な連携」というが
小児総合から医師が派遣されているのか


 原のり子 小児総合医療センターとの密接な連携ということをいわれましたが、もう少し具体的にどのような内容なのか、うかがいたいと思います。多摩北に週何日かでも医師の派遣が行われているのでしようか。

 都立病院支援部長 小児総合医療センターの小児外科は、胎児、新生児期かAYA世代まで幅広い年代を対象に、先天奇形、腫瘍、外傷、急生炎症などさまざまな疾患に対して高度専門治療を提供するため、院内の各診療科と連携しながらチーム医療を推進しております。
 例えば手術の際には、複数の小児外科医をはじめ、小児外科に精通した看護師などさまざまな多職種の職員が参加することで、医療の質の担保や安全性を確保しながら、チームとしての力を発揮してございます。
 限られた医療資源を最大限有効活用するためには集約化が必要であることから、小児総合医療センターから多摩北部医療センターに小児外科医を派遣してはございませんが、多摩北部医療センターと小児総合医療センターは密接に連携いたしまして、適切に医療を提供してございます。
 (注)AYA世代=アヤ世代、Adolescent&Young Adult(思春期・若年成人)のこと。具体的には15歳から30代の人をさします。

小児総合からの医師派遣はない、という
地域の小児医療を後退させないこと約束のはず


 原のり子 いま、多摩北に小児外科医は派遣していないということで、かつて多摩北に、例えば小児の整形外科の先生などが配置されることが必要じゃないかとか、現に週何日間かいらしたときもあったというふうにうかがっているんです。現在は、小児総合からのそうした派遣はないということです。
 清瀬小児病院廃止後、地域の小児医療を後退させないということが地域との約束にもなっているわけですけれども、実際には、市民は不自由な面もあるわけです。同じ多摩地域とはいっても、北多摩北部地域から(小児総合医療センターがある)府中へというのは交通の便がよくないこと、意外と遠いんです。タクシーで行けば相当お金がかかるということで、これまでも私たちは指摘をしてきました。特に、けがや病気、障害を持っている子どもたちが通院し続けるには非常に困難があります。小児総合の近くに引っ越しを余儀なくされた方もいらっしゃるんです

ニーズに対応できる小児医療の提供の具体化を
NICUの設置も課題として残っている


 原のり子 今回の基本構想では、改築における整備の視点と整備方針の中で、こういうふうにいっています。北多摩北部医療圏で求められるニーズに対応できる小児医療の提供体制整備、これを位置づけているんです。これをぜひ具体化していただきたいというふうに思っているのと、また、多摩北に産科を設置していく方向で進んでいるということはよかったんですけれども、多摩地域で不足しているNICU(新生児集中治療室)をどうするのかという問題が課題として残っています。
 この基本構想の中ではこうもいっています。自院で出生した低出生体重児などについて、可能な限り院内で診療する体制を構築すると位置づけられているんです。どのように具体化をしていくのかということがここでも課題になっています。また、母体の安全に十分対応できる施設となるか、これも非常に重要だということです。

多摩北部医療センターの地域は高齢化率も高い
高齢者医療、障害者歯科、障害者医療の充実も必要だ


 原のり子 このほかにも、この地域は都の平均よりも高齢化率も非常に高い地域であることも踏まえての高齢者医療の充実や、障害者歯科をはじめ、障害者医療の充実なども求められてきています。東京都としても支援を強めることをこの場では求めておきたいというふうに思います。

行政的医療の安定的かつ継続的な提供
都立病院機構の事業目的が貫かれているか


 原のり子 それで、都立病院機構において、事業の目的としてこういうふうに書かれています。東京都の医療政策として求められる行政的医療の安定的かつ継続的な提供をはじめ、高度専門的医療等の提供及び地域医療の充実への貢献に向けた取り組みを推進し、もって、都民の健康の維持及び増進に寄与する、というふうに書かれています。
 知事は、独法化(独立行政法人化)に当たって、医療の充実を図るといってきました。しかし、きょう出していただいた資料でも、10月1日時点で休止病床数が、工事中の分を差し引いても9病院、540床あって、こういう状況の中、地域の住民の方からも心配の声が上がっています。

都民の病院として
どれだけ都民の声を聞くか、が問われている


 原のり子 私は、都立病院機構が、都民の病院としてどれだけ都民の声をきちんと聞いていくのかが問われていると思っています。

休止病院について
再開できるように都の支援が必要だ


 原のり子 そこでうかがいたいんですけれども、都として休止病床について、機構にどのような働きかけをされていますか。

 都立病院支援部長 病棟運営をはじめまして、機構の運営状況につきましては、日常的に情報を共有しております。

 原のり子 情報を共有しているということですけれども、私は都としても、共有にとどまらず、働きかけをしていただきたい。早急に職員の確保をすすめ、再開できるように、東京都の支援も必要だと、そのことを求めておきたいと思うんです。

日常的に利用者市民の声を聞いていく
運営協議会に市民が参加することが必要だ


 原のり子 それで、いま、都民の声を聞いていくことが大事だという話をしましたけれども、日常的に利用者市民の声を聞いていくためにも、運営協議会に市民が参加することが必要だと思 っています。
 現在、都立病院機構の病院で運営協議会の設置はどうなっているか、その中に市民は参加をされているのか、現状をうかがいます。

 都立病院支援部長 都立病院では、地域の関係者の意見を聞きながら病院運営を行うため、全病院で運営協議会等を設置してございます。
 運営協議会等の委員は、各病院で選任をしておりまして、豊島、荏原病院では住民の方を委員とするとともに、その他の病院でも地元の自治体職員を委員とし、地域の意見を伺っています。

 原のり子 市民が入っているのは豊島と荏原ということで、ぜひどこの病院でも、やはり市民が入れるように求めるとともに、運営協議会の議事録などを公開していただきたいというふうに思います。ぜひ東京都から病院機構に働きかけるよう求めます。

充実が求められている多摩北部医療センター
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by hara-noriko | 2023-12-15 23:22 | 都議会 | Comments(0)

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