都議会厚生委員会質問(4)感染症対策の強化を   

保健医療局に質問
感染症対策の強化を求める

 都議会常任委員会の所属が変わり、総務委員会から厚生委員会になりました。厚生委員会は、福祉局と保健医療局を所管します。11月、2つの局の仕事の内容をめぐって事務事業質疑がおこなわれました。7日に保健医療局、16日に福祉局に対して質問しました。その内容を順に紹介しています。
 保健医療局に対しては(1)保健所の体制強化と保健所での障害者健診(2)多摩北部医療センターと都立病院機構の問題(3)感染症対策(4)薬務行政=市販薬の過剰摂取(オーバードーズ)について―の4つの課題で質問しました。4回目は、感染症対策の強化についてです。

【原のり子のコメント】

 コロナは終わっていない、ということを言い続けなければならないと思いながら質問しました。質問したときは、東京のコロナの新規感染者は減ってきている状況でしたが、このときすでに、年末年始に再び感染は増えるではないかと指摘されていました。現在、その指摘通りの状況になっています。
 マスク着用の考え方、コロナ後遺症についても質問しましたが、改めて科学的に対応していく大事さをかみしめました。引き続きとりくんでいきます。

コロナ、インフルエンザ、プール熱
「引き続き注視していく必要がある」


 原のり子 感染症対策について、うかがいます。
 まず、現在のコロナ、インフルエンザ、プール熱の状況と分析、今後の見通しをうかがいます。

 保健医療局感染症対策調整担当部長医療改革推進担当部長健康安全研究センター健康情報解析担当部長兼務 新型コロナについては、都内定点医療機関からの1週間当たり患者報告数は、8月下旬から9月上旬を頂点として減少傾向が続いており、最新の報告数は定点当たり1.84人となっております。
 インフルエンザにつきましては、9月中旬から注意報レベルの定点当たり10.0人を超える状況が続いており、最新の報告数は定点当たり19.91人となっております。
 咽頭結膜熱、いわゆるプール熱については、10月中旬から警報基準を超える状況が続いており、最新の報告数は定点当たり2.63人となっています。
 いずれの感染症についても、引き続き注視していく必要があると考えております。

 原のり子 いずれの感染症についても、引き続き注視していく必要があるという状況だということです。

東京は少なくなって安心、とはいかない
全国の傾向も捉えて対策をとることが必要


 原のり子 コロナに関していえば減少傾向が続いているけれども、定点医療機関当たりの患者数は、5類移行前の最低までには下がっていないと思うんです。また、全国的な傾向を見ると、10月23日から29日までの1医療機関当たりの平均患者数が、全国でですけど2.86人、前の週の0.88倍というふうにいわれています。厚労省も、引き続き感染対策を続けてほしいというふうにいっています。
 都道府県別に見ると、いちばん多いのが北海道の7.08人、東京は下から5番目で1.84人です。これを東京は少なくなっていて安心というふうに見るわけにはいかないのではないかというふうに思っています。
 過去の波を考えても、沖縄で感染が猛威を振るい、医療逼迫となった後、東京でも感染の波が来たように、全国の傾向も捉えて対策を取っていくことが必要です。

多少具合が悪くても検査せずに仕事をしている状況が
冬に向けての対策が非常に重要


 原のり子 インフルエンザだと診断された方がコロナも疑いがあるというふうになっていたり、検査を気軽に受けられなくなっているため、多少具合が悪くても検査をせずに仕事をしているなどの状況も指摘をされています。また、病院によっては検査キットが不足してきたという声もあります。冬に向けての対策が、今、非常に必要になっていると思っています。
 それで、厚労省は、今シーズンのインフルエンザ総合対策についてを発表しました。この内容を踏まえて、都の対策は更新をしているのかどうか。9月14日付で感染症対策部長から出された通知は更新をしているか。しているとすれば、どういう内容か、うかがいます。

 感染症対策調整担当部長 都は本年9月14日付で、インフルエンザが今年度のシーズン当初から流行開始基準を上回ったことから、都内関係機関に対し注意喚起を行いました。
 また、第37週、これは9月11日から17七日までの定点当たり患者報告数が、注意報基準、10.0人を超えたことから、9月21日付で改めて関係機関に注意喚起を行いました。
 さらに、厚生労働省から本年10月13日付で発出された今シーズンのインフルエンザ総合対策の推進について、こちらの通知についても、都は、この内容を関係機関に情報提供したところでございます。

厚労省はマスク着用の効果を示している
インフルエンザ対策にも効果がある、と


 原のり子 9月21日付で改めて通知を出して、10月13日付の厚労省の発表についても関係機関への情報提供を行っているということを確認させていただきました。
 厚労省では、この中で、マスク着用の効果についても具体的に示しています。コロナに対する基本的感染対策がインフルエンザ対策にも効果があると呼びかけていますが、都としての見解をうかがいます。

 感染症対策調整担当部長 マスクは、せきやくしやみによる飛沫や、そこに含まれるウイルスなどの病原体が飛び散ることを防ぐ効果があることから、マスクの着用は、飛沫感染やエアロゾル感染に対する基本的な感染防止対策の1つとされております。

マスクの着用が効果的な場面
都としてわかりやすく周知徹底してほしい


 原のり子 都の9月21日付の通知でも、新型コロナウイルス感染症にも引き続き注意が必要です。基本的な感染防止対策はインフルエンザと同様になりますので、対策の周知について、併せてご協力いただけますようお願いしますと書かれています。この点は大事だというふうに思います。
 ただ、別添の報道発表文の初めにある、対策のポイントが書かれているんですけれども、ここでは、着用が効果的な場面でのマスク着用というふうにあって、これはちょっと抽象的だなというふうに思うんです。人によって判断が違うので、着用が効果的な場面というのはどういう場面か明確に示すことが大事だというふうに思ったんです。
 それで、ずっと読んでいくと、いちばん最後に、「インフルエンザ対策に関するお知らせ、東京都」という中に、着用が効果的な場面でのマスク着用というのがいちばんに書いてあって、人混みに行くときや会話をするとき、せき、くしやみが出るときはマスクの着用をと書かれています。私は、この内容を分かりやすく周知徹底していただきたいと思っています。

マスクは任意で、体質的に着用できない人もいる
着用できる人が適切に必要な場面で着用することが大事


 原のり子 マスクについては、もちろん任意ですし、体質的に着用できない方もいらっしゃるので、そこはもう十分な配慮が必要だともちろん思っています。だからこそ、感染を広げないためにも、着用できる人が適切に必要な場面で着用するということが、この冬に備えても非常に大事だというふうに思いますので、推奨すべきなのではないかと思います。
 特に、本当にコロナについては、まだまだ侮れない状況ですから、しかも治療薬もインフルエンザほど使いやすくなっているわけではありませんので、それだけに基本的な感染防止対策はやはり重要だというふうに思います。

コロナ10波への備え
都はどのように考えているのか


 原のり子 それでうかがいますけれども、コロナ第10波への備えはどのように考えていらっしゃいますか。

 保健医療局感染症対策部長 都は、この冬に新型コロナウイルス感染症の感染が拡大した場合に、都民の命と健康を守るために必要な保健医療提供体制を確保してございます。
 具体的には、医療機関の受診や療養中の体調不安などの相談に応じる新型コロナ相談センターや、介護度が高い高齢者等を受け入れる高齢者等医療支援型施設の運営などを継続しております。
 また、感染拡大により、入院患者の受け入れ、転院の促進などが必要となった場合への備えといたしまして、医療機関等に対する支援を機動的に行うための体制を維持しております。

インフルとコロナの同時流行のおそれが
検査体制や病床確保、薬の負担軽減などを求める


 原のり子 東京医科大学の濱田篤郎特任教授によると、インフルエンザは年末頃がピークになるのではないか、例年よりも大規模になる可能性がある、と指摘されています。
 コロナについても毎年冬に拡大しており、今年も冬に再燃し、ツインデミック、インフルとコロナの同時流行ですよね、これが起きるおそれが強いというふうに指摘をしています。
 先ほど都立病院機構の質問でも触れましたけれども、頼みの綱の都立病院に休止病床が多いという状況は、第10波への備えとしても大変心配をされます。検査体制や病床確保、薬の負担軽減などをすすめることを求めておきたいと思います。

改定される感染症予防計画
障害児・者への医療提供体制を位置づけるべきだ


 原のり子 また、改定される感染症予防計画で、障害児、障害者への医療提供体制を明確に位置づけ、病床の確保などについて具体的に定めるべきではないかと考えますけれども、いかがですか。

 保健医療局感染症対策調整担当部長 都は、新型コロナ対応におきまして、障害者(児)が感染した場合、その症状や障害の程度、基礎疾患の有無のほか、個々に配慮すべき点などを把握いたしまして、かかりつけ医の意見なども参考にしながら、確保病床や高齢者等医療支援型施設等への入院受入れをすすめてまいりました。
 今般の感染症予防計画の改定に際して、国の手引にも、病床確保など新型インフルエンザ等感染症等の入院医療に関する事項のほか、障害者(児)や妊産婦、透析患者等、特に配慮が必要な患者の方への医療提供体制等についても記載することとされておるところでございます。
 こうした点を踏まえまして、現在、関係団体、保健所設置区市等で構成する連携協議会等において検討をすすめておるところでございます。

感染症予防計画
障害特性にも配慮した改定を


 原のり子 今、実際に連携協議会等で検討をすすめているということですので、障害の分野についていえば、障害特性にも配慮した改定がなされるように求めておきたいというふうに思います。

コロナ後遺症で苦しんでいる人が多い
「医療機関にかかることができなかった」などの声が


 原のり子 それで、この感染症のところでちょっと最後に聞きたいのは、後遺症の問題なんです。この間、コロナ後遺症で苦しんでいる方々にお話をうかがっています。その中で最もつらいこととして、大きくいって2つあげられる方が多いです。医療機関になかなかかかることができなかったということ、もう1つは、周りの人や職場に理解してもらえないということです。病院に行ったけれども、後遺症は診られないと断られる、そういう話もありました。
 現在、どのぐらいの医療機関が対応できているのか、また、都として対応医療機関の数と対応力の向上をすすめるためにどういう取り組みをしているのか、併せて、理解啓発の取り組みをどのようにすすめているのか、うかがいます。

 保健医療局感染症対策調整担当部長 都は、後遺症に悩む方が身近な医療機関で受診できるよう、後遺症に対応可能な医療機関をホームページで紹介しておりまして、令和5年(2023年)9月末時点の数は559機関となっております。
 後遺症対応医療機関の対応力向上に向けましては、医療従事者等を対象とした最新の知見等を提供するオンライン研修会を定期的に開催しますとともに、その際、医療機関の登録について周知を行いまして、登録数の増加を図っております。
 また、都民向けや企業の経営者及び人事労務担当者向けにリーフレットを作成するなど、広く後遺症の理解促進を図っております。

コロナ後遺症
ある方の例を紹介


 原のり子 ホームページなども、また、リーフレットも含めて、すごく努力をされてきているというふうに思っています。
 後遺症のお話を聞く中で、ある方の例ですけれども、1年前にコロナに感染して、症状はようやく10日間で治まって仕事に復帰した、と。体力が落ちているからと運動もしていた、と。すると、1週間で起き上がれなくなってしまって、トイレにもはって行くような状況になって、2カ月以上もお箸(はし)も持てない、座っていることができない、ひどい惓怠感で苦しんだというふうにいっていました。
 それで、そのちょうど同じ時期に家族も倒れて、家族の介護もしなければいけないということが重なり、大変な状況で、かかりつけのお医者さんに行って薬を出されたけれども、後遺症の対応はできないということで薬は効かなかった、効果はなかった、と。自分で、そのときはまだ後遺症と分からなくて、いろいろ自分で調べていって、もしかしたら後遺症ではないかと思い当たってクリニックを必死で探して、ここにかかりたいと思ったところに連絡をしたら4カ月待ちという状況だった、と。たまたまほかの病院のオンライン診療でキャンセルが出て、そこでようやく後遺症だと診断が下りて治療が始まったということでした。それでもいつ回復するのか不安で鬱(うつ)状態になって、生きていくのがしんどいと毎日思っていたということです。
 この方の場合は、幸いにして職場で理解があって、休職をして焦らず治療を続けていこうというふうになっていますけれども、話をいろいろ聞いていくと、後遺症に苦しんで、結局職場を辞めざるを得なかったという方々もたくさんいらっしゃいます。

後遺症かかった方、「もっと社会に認知してほしい」
対策をさらに強化することを求める


 原のり子 みなさんからお話をうかがうと、とにかくきちんと休まなければ回復しないということを、もっと社会に認知してほしい、また、誰もがなり得るということを周知してほしい、というふうにおっしゃっていました。本当にコロナはまったく終わっていないということを、後遺症のみなさんのお話を聞くと実感をするところです。
 厚労省の研究班が19万人を対象に行った調査がありますけれども、5万3000人余が回答して、2カ月以上、倦怠感など症状が続いたという成人が、全体の1割から2割になるという結果を発表していました。東京の品川では11.7%ということでいわれていました。
 また、無症状感染だった方が後遺症を発症しているという事例もあるというふうに聞いています。相当の割合で後遺症が出るということだと思いますので、今後とも、後遺症対策をさらに強化するということを求めておきたいと思います。

【厚生委員会 事務事業質疑 2023年11月】
(1)保健所の体制強化
(2)保健所での障害者健診 充実・継続を
(3)多摩北部医療センターの充実急いで

初冬の議会棟(手前)と東京都庁舎
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by hara-noriko | 2023-12-16 19:18 | 都議会 | Comments(0)

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