都議会厚生委員会質問(5)市販薬の過剰摂取 悩んでいる人に寄り添った支援を   

保健医療局に質問
市販薬の過剰摂取 安心して相談できる環境整備求める

 都議会常任委員会の所属が変わり、総務委員会から厚生委員会になりました。厚生委員会は、福祉局と保健医療局を所管します。昨年11月、2つの局の仕事の内容をめぐって事務事業質疑がおこなわれました。7日に保健医療局、16日に福祉局に対して質問しました。その内容を順に紹介しています。
 保健医療局に対しては(1)保健所の体制強化と保健所での障害者健診(2)多摩北部医療センターと都立病院機構の問題(3)感染症対策(4)薬務行政=市販薬の過剰摂取(オーバードーズ)について―の4つの課題で質問しました。
連載の5回目は、市販薬の過剰摂取を取り上げ、悩んでいる人に寄り添った支援、安心して相談できる環境の整備を求めた内容です。

【原のり子のコメント】


 依存症の問題は福祉局なのですが、薬物依存にかかわることは保健医療局が所管になります。そのため、市販薬の過剰摂取(オーバードーズ)については、保健医療局で質問しました。脅しではなく、一人ひとりの辛さに寄り添った支援、回復できるというメッセージの大事さを議論しました。
 調査をするなかで、薬剤師さんの大事さを学びました。これまで、安心して相談できる場所の重要性や医師の大事さは実感してきましたが、薬の専門家である薬剤師さんがODに悩む人の優れた相談相手になっている事例を知り、ハッとしました。正しい知識も教えてくれ、安心して相談できることの大事さを学びました。
 引き続き取り組んでい                                                                                                               きたいと思っています。

市販薬の過剰摂取
内容と背景、人数や推移をどう認識しているか

 原のり子 薬務行政について、うかがいます。
 まず、市販薬オーバードーズ、過剰摂取の問題です。
 市販薬OD(オーバードーズ=過剰摂取)について、都では、その内容と背景、人数や推移をどのように認識していますか。

 保健医療局食品医薬品安全担当部長 国の全国の精神科医療施設における薬物関連精神疾患の実態調査によりますと、10代、20代の若い世代を中心に市販薬のオーバードーズが広がっております。市販薬の購入や所持等は違法ではないため、市販薬をオーバードーズしている人数の把握は困難でございます。
 オーバードーズで主に使用される市販薬は誰でも購入できることが、市販薬オーバードーズ増加の一因として考えられますが、国の告示で、乱用等のおそれのある医薬品として指定され、薬局やドラッグストアでの販売ルールが定められているところでございます。

都としての対策、注意喚起
悩んでいる人たちへの働きかけは?


 原のり子 都としての対策、注意喚起、また、悩んでいる人たちに対する働きかけはどのように行っていますか。

 食品医薬品安全担当部長 国は本年四月、乱用等のおそれのある医薬品の範囲を拡大いたしました。
 薬局等が乱用等のおそれのある医薬品を販売するに当たっては、原則、1人1包装とするなど販売方法が厳格化されており、都は、特別区や保健所設置市と連携し、販売方法について重点的に監視指導を実施しております。
 悩んでいる人たちに対する働きかけにつきましては、市販薬のオーバードーズによる危険性をホームページやSNS(ソーシャルネットワーキングサービス=インターネットを使ったコミュニティサイト)等で広く都民に周知し、併せて公的な相談機関を案内しております。

市販薬の過剰摂取
悩んでいる人に寄り添ったパンフレットが必要だ


 原のり子 いまご答弁にあったように、薬局での販売方法について、乱用等のおそれのある医薬品について制限をするなど、今年度から始まっているわけです。この効果がどうかというのは今後になると思いますけれども、根本的に大事になってくるのは、市販薬OD(オーバードーズ=過剰摂取)をするに至っている一人ひとりの背景、苦しさをどう見るかだと思います。
 市販薬ODについて悩んでいる人に寄り添ったパンフレットをつくり、啓発していくということが必要ではないかと思いますが、見解をうかがいます。

 食品医薬品安全担当部長 啓発につきましては、リーフレットを作成し、不安や悩みを匿名で相談できる専門機関を案内するとともに、早期の相談をすすめております。

都のリーフ 市販薬と違法薬物を並べて書いている
市販薬はリーフを別にして、正しい理解を広げるべきだ


 原のり子 薬務課でつくっている『今こそストップ!薬物乱用』というリーフレットもあるんですけれども、このリーフレットは、違法薬物を所持するだけでも犯罪になるものについてが中心です。ここに市販薬の問題も出てくるんですけれども、10代の薬物依存症になる多くは、違法薬物ではなく市販薬を使っているということが分かっています。ですから、ここに市販薬について並べて書くのは違和感があると私は感じています。市販薬については、リーフレットを別にして、正しい理解を広げ、啓発していくということも考えられるのではないかというふうに思います。

局の連携で大事なメッセージ発信を
回復も可能だということが伝わることが大事


 原のり子 市販薬ODについては、薬務課のホームページでも丁寧なホームページが書かれています。これをベースにしたり、あるいは都立の精神保健福祉センターで出されている『市販薬・処方薬の乱用・依存』というリーフレットを薬務課でも共有したらどうかなというふうにも思います。
 このリーフレットでは、正しい知識を伝えながら、依存からの回復は可能だということを述べているんです。実際に、市販薬ODから回復した方々ももちろんたくさんいらっしゃるんです。誰でも市販薬ODになる場合もあるし、同時に、回復も可能だということがメッセージとして伝わっていくというのがとても大事だというふうに思いますので、ぜひ、こういう問題こそ、局の連携で対応していただきたいというふうに思います。

回復のビジョンが見えるようなリーフこそ
安心して相談しようと思えるような内容に


 原のり子 また、ちょっと要望したいのは、リーフレットは、繰り返し改善もされながら発行されていると認識していますけれども、また次、いろいろ改訂をするときには、この違法薬物の問題についても、これを違法薬物の問題というだけではないんですが、このリーフレット見た方々からご意見を聞くと、1回手を出したら人生が終わるというように感じてしまい、回復のビジョンが見えないという、そういう声もあります。そういう声も聞きながら、相談先は確かに書いてあるんですけれども、リーフレットを見れば安心して相談しようと思えるような、ぜひ改訂も進めていただきたいというふうに思います。こういうリーフレットは大事だというふうに思いますので、お願いします。

薬局でのプライバシー保護
どのような指導が行われているか


 原のり子 次に、薬局でのプライバシー保護について、最後にうかがいたいと思います。
 処方箋による薬を受け取る際に、症状や薬の内容を確認されるんですけれども、周りの人に聞こえてしまうということを気に病んでいる方が実は非常に多いと感じています。プライバシーへの配慮については、薬局にどのような指導が行われていますか。

 食品医薬品安全担当部長 国は、薬局業務運営ガイドライン等に基づき、患者のプライバシーに配慮した薬局業務を行うことを求めています。
 都は、特別区、保健所設置市とともに、都内の薬局への立入調査の際には、必要に応じて、患者のプライバシーに配慮して薬局業務を行うよう指導を行っております。

パーテーションや別室の確保
薬局に対して都の支援はあるのか


 原のり子 このプライバシーを保護するために、パーテーションや別室の確保などの工夫をする場合、東京都からの何か支援のようなものはありますか。

 食品医薬品安全担当部長 現在、都からの支援はございません。

信頼できる薬剤師さんに会えたことが
市販薬の過剰摂取を手放すきっかけになった


 原のり子 先ほどの市販薬ODの話もそうですし、また、処方薬のODもあるんです。こういう問題で薬剤師さんの役割というのは非常に重要だと思っています。薬の飲み合わせなどをよく聞き取りをしながら助言をする専門家ですので、非常に役割は大きい、と。
 お話をうかがったなかで、市販薬ODをしていた若い女性が話してくれたんですけれども、信頼できる薬剤師さんと出会って相談できるようになったことで、ODを手放すきっかけになった、といっているんです。通院していた病院の処方箋の薬を出してもらいながら、実は市販薬ODなんだと、悩んでいるという、そういうSOSを出せたといっていました。もしこの薬剤師さんが、市販薬ODをしていることを頭から非難したり、「だめ」「絶対やめて」ってすぐにいってしまっていたら、手放すことにはならなかったかもしれないということですけれども、非常に薬剤師さんの役割は重要だというふうに思いました。

安心して話せる環境を整備することが欠かせない
そうでなければ、背景にあるつらさのケアはすすまない


 原のり子 同時に、「話をするときに周りに聞こえないかということがとても不安だった」ということもいっているんです。薬剤師さんの力量はもちろんいちばん大事なんですけれども、安心して話せる環境を整備していくことは欠かせないと思いました。とくに、市販薬の販売の制限などをしていくということになっているなかで、困ったことがあったら相談できるということを大事にしていかないと、周囲の目は厳しくなる一方で、背景にあるつらさのケアはすすまないという、そういう対応になってしまうかもしれません。その環境整備をすることに対する支援を検討することも私は必要ではないかと考えます。そのことを指摘して、質問を終わります。

【昨年11月の厚生員会質問】

(1)保健所の体制強化
(2)保健所での障害者健診 充実・継続を
(3)多摩北部医療センターの充実急いで
(4)感染症対策の強化を

梅の蜜を吸うメジロ
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by hara-noriko | 2024-02-25 23:16 | 都議会 | Comments(0)

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