文書質問から(2)障害児の不登校について   

私の文書質問から
障害児の不登校について


 昨年12月の都議会第4回定例会で都に出していた文書質問に対して、都から答弁がきました。質問と答弁の全文を3回に分けて紹介します。質問は、(1)新型コロナウイルス感染症対策について(2)障害児の不登校について(3)都立清瀬特別支援学校の仮設校舎について―の3テーマです。2回目は、障害児の不登校についての質問と答弁です。

【原のり子のコメント】

 不登校が大きく増えていることが、今回の質問でもよくわかりました。そのなかで障害児については、統計のなかに入っていないということはとても驚きです。
 特別支援学級で不登校になり、学習適応教室でもなじめず、安心して過ごせる居場所が見つからず苦労している、というお話や、特別支援学校高等部で不登校になりこのまま在籍するのか悩んでいる、などのお話をうかがいます。都教委は一人ひとりの状況に応じて支援を行っている、といいますが、きちんと障害児の不登校全体を把握して、話を聞き、学校自身の改善につなげる努力が必要です。都立特別支援学校高等部で退学している人たちもいることは、なんとも胸が痛みます。今回はまず、基本的な状況を聞きました。引き続き、取り組んでいきたいと思っています。

【文書質問 障害児の不登校について】

子どもたちが行きたくなる学校へ
不登校問題を自己責任にしない取り組みをすすめてほしい


 「チルドレンファーストの社会の実現に向けた子供政策強化の方針2023」には、推進チームによるリーディングプロジェクトの今後の政策強化の方向が示され、そのなかに、「学齢期の育ち」が位置付けられています。不登校の子どもたちが増えている状況に立って、多様な学びの場、居場所を支援していくとあり、大変重要です。しかし、本当は学校に行きたいけれど行けない子どもたちの思いは、それだけでは救われないと思います。学校自身が子どもたちが行きたくなる学校へと変化していくことも求められていると思います。そうした視点をもちながら、不登校問題を自己責任にしないとりくみをすすめることを求めます。とりわけ、障害をもっている子どもたちのサポートは重要です。基本的なことについて、いくつかうかがいます。

不登校の子どもたち 
全国と東京都 10年間でどのくらい増えていますか


(質問1)
 不登校の子どもたちは、この10年でどのぐらいふえていますか。10年前と現時点での全国の人数と東京都の人数を、小・中・高校別にうかがいます。

(答弁1)
 平成24年度(2012年度)と令和4年度(2022年度)の全国の学校における不登校児童・生徒の人数は以下のとおりです。
 
校種   2012年度 2022年度  増減
 小学校  21243人 105112人  83869人増
 中学校  91446人 193936人 102490人増
 高等学校 57664人  60575人   2911人増
  計  170353人 359623人 189270人増

 また、同様に、東京都内公立学校の不登校児童・生徒の人数は以下のと
おりです。
 
校種   2012年度 2022年度  増減
 小学校   1912人  10695人   8783人増
 中学校   6469人  16217人   9748人増
 高等学校  4693人   3931人    762人減
  計   13074人  30843人  17769人増


不登校の子どもたちのうち
特別支援学級に在籍する子どもたちは何人ですか


(質問2)
 そのなかでの、特別支援学級に在籍する子どもたちは何人ですか。

(答弁2)
 都内公立学校に設置されている特別支援学級における不登校を含む長期欠席の子供の実態等については、各学校において把握し、一人一人の状況に応じて支援を行っており、都教育委員会への報告は求めていません。

特別支援学級の子どもたちが不登校になった場合
どのようにサポートしていますか


(質問3)
 特別支援学級の子どもたちが不登校になったときに、安心して過ごせる場所がなく、悩んでいるケースもみられます。子どもたちをどのようにサポートしていますか。

(答弁3)
 特別支援学級を設置している各学校では、長期欠席の子供に対し、福祉や医療の関係者の助言も受けながら、例えば、教員と保護者が連携して他の子供が在校しない時間に指導を行う、自宅からオンラインで学習できるようにするなど、一人一人の状況に応じた支援を行っています。

全国の統計には特別支援学校がはいっていません
東京都は把握していますか


(質問4)
 全国の統計には、特別支援学校が入っていません。東京都は把握していますか。

(答弁4)
 都立特別支援学校における不登校を含む長期欠席の子供の実態等については、各学校において把握し、一人一人の状況に応じて支援を行っており、都教育委員会への報告は求めていません。

都立特別支援学校
安心して過ごせる場所やサポートは


(質問5)
 都立特別支援学校での不登校の子どもたちに安心して過ごせる場所やサポートはどのようにしていますか。

(答弁5)
 各学校では、長期欠席の子供に対し、福祉や医療の関係者の助言も受けながら、例えば、教員と保護者が連携して他の子供が在校しない時間に指導を行う、自宅からオンラインで学習できるようにするなど、一人一人の状況に応じた支援を行っています。

都立特別支援学校高等部
子どもたちに対するサポートは


(質問6)
 都立特別支援学校高等部で不登校になった子どもに対するサポートはどのようなことをしているのですか。

(答弁6)
 高等部を設置する特別支援学校では、長期欠席の生徒に対し、小・中学部と同様の対応に加えて、卒業後の生活に見通しを持つことができるよう、生徒の希望や適性等を考慮した実習先や進路の選択を支援するなどしています。

都立特別支援学校高等部
退学した生徒は何人ですか


(質問7)
 2022年度に、都立特別支援学校高等部を退学した生徒は何人ですか。

(答弁7)
 令和4年度(2022年度)の都立特別支援学校高等部在籍生徒数5365人に対し、退学者数は73人です。

【昨年12月の文書質問と都の答弁】

(1)新型コロナウイルス感染症対策について
(3)都立清瀬特別支援学校の仮設校舎について

駅前での都政報告は市民の方と対話できる場です
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by hara-noriko | 2024-03-27 18:26 | 東京都政 | Comments(0)

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