都議会予算特別委員会質問(3)学校プール
2024年 04月 15日
存続・改築できるように都の支援を求める
都議会第1回定例会の予算特別委員会で質問に立ちました(3月13日)。質問は▽子ども・若者支援▽補聴器補助▽学校プール▽多摩地域の保健所―の4テーマです。質疑の内容を順次紹介しています。3回目は、学校プールの充実です。防災の観点から、学校プールの存続・改築ができるように都が支援することを求めました。
【原のり子のコメント】
能登半島地震の状況は本当に胸が痛みます。大きな火災も起き、また断水も長く続き、水の問題の切実さを改めて突きつけられました。私は、学校プールの廃止の動きについて子どもの教育の観点から、存続できるように東京都の財政支援も必要であることを求めて一般質問を行いましたが(2023年9月)、今回は防災の観点からの重要性についてとりあげました。消防水利としても、避難所対応としても、学校プールが重要であることが答弁されました。
質問にあたり自治体のヒアリングをするなかで、「防災は二重三重に備えておくことが必要」と話してくれた自治体の防災担当課長がいました。その自治体では、避難所でどうしても学校プールの水を使う必要が出てきたときに対応できるよう、すべての学校分、浄水装置を備えています。こうしたことに都の独自の支援を検討すべきですし、学校プール改築への都の支援もすべきです。残念ながら時間切れでさらに問うことができませんでしたが、引き続き求めていきたいと思います。
ちなみに、プールの改築・新築に対する国の補助は、区市町村に対し2分の1。改築だけでなく、屋根(上屋)をつけるなどにも適用されます。これに、都も補助を出せば区市町村の負担も軽減されます。最後の教育長の答弁でも、国に補助率の引き上げを求めているといっているのですから、その分、東京都がまず支援することを考えるべきです。
学校プール 消防活動の重要な水利だと考えるが
「プールや河川等の水利は重要であると認識」
原のり子 学校プールについてうかがいます。
私は、昨年の第3回定例会で、学校プール廃止の動きが広がる中、子どもの教育の観点から、廃止ではなく充実できるように都が支援していくべきと取り上げました。
今日は、防災の観点から学校プールについてうかがいます。
学校プールは消防活動において重要な水利だと考えますが、見解をうかがいます。
消防総監 震災時の消防活動において、防火水槽のほか、消防水利として使用できるプールや河川等の水利は重要であると認識しております。
避難所のトイレに、浄水して生活用水・飲料水に活用
そのための機器の購入に補助はあるのですか
原のり子 重要だということです。能登半島地震でも、断水の中、火災の対応で学校プールの水が使われ、大事さを改めて実感しました。
また、学校は避難所にもなり、2022年7月に、各都道府県防災担当主管部長宛ての国の通知では、飲料水や断水時のトイレ対策などについて充実強化を推進することを求めています。これは避難所の中でのことです。
学校プールの水を避難所のトイレに活用したり、浄水して生活用水、飲料水として活用するための機器の購入などについて、補助はあるのかうかがいます。
教育長 災害時に公立小中学校のプールの水を飲料水等に活用するための施設整備につきましては、プールを新築または改築するに当たって、浄化装置を備える工事や、既存のプールに必要な設備を備える工事に関して、設置者の財政負担に対する国の補助制度がございます。
避難所になっている学校への浄水器の導入
こうした取り組みへの支援が必要です
原のり子 今ご答弁いただいた補助というのは施設整備でして、浄水器などを購入する場合には対象となっていないと思います。
国立教育政策研究所文教施設研究センターの避難所となる学校施設の防災機能に関する調査研究報告書に掲載されている都内の自治体の例では、避難所になっている学校で使えるようにと、各学校分の浄水器を導入しているということが紹介されています。こうした取り組みへの支援が必要だと思っています。
断水した場合の避難所のトイレ対応はどうなっていますか
「学校のプール、雨水貯留槽等を活用…」
原のり子 では、東京都地域防災計画の中で、被災後、断水した場合の避難所のトイレ対応についてはどのように示していますか。
総務局長 東京都地域防災計画では、区市町村の役割として、断水した場合には、学校のプール、雨水貯留槽等を活用し、災害用トイレ等で必要となる生活用水を確保することとしております。
また、発災後3日目までは、し尿収集車による収集を要しない携帯トイレや簡易トイレなどを避難所等に確保するよう努めることとしてございます。
地域防災計画の中にも学校プールは位置づけられている
学校プールを存続していくことは重要だ
原のり子 地域防災計画の中にも学校プールは位置づけられているわけですね。私は、改めて子どもの教育の観点からも、同時に、その防災の観点からも、学校プールを存続していくことは重要だというふうに思います。
老朽化したプール改築
東京都として支援をするべきです
原のり子 昨年の夏に共産党都議団で実施した都内全区市町村に対する学校プールの調査でも、そのとき廃止の計画で進めていますという自治体も含めて、学校プールを防災のときには活用すると位置づけているんですね。
ぜひとも、老朽化したプールなどを改築したいと考えたときには支援が必要だというふうに思います。ぜひとも補助の拡充と、そして東京都として、このプール改築への支援をするべきと考えますが、いかがですか。
教育長 公立小中学校の施設整備の経費は、原則として、設置者である区市町村が負担することとされております。
(1)子ども・若者支援 市販薬の過剰摂取など依存症・アディクション
(2)補聴器購入補助 多摩格差をなくし全自治体で実施できるように
(3)学校プール 防災の観点からも重要な役割 都の支援を求める
(4)多摩地域の保健所 強化と増設の検討を行うことを強く求める
by hara-noriko | 2024-04-15 00:42 | 都議会 | Comments(0)