都議会厚生委員会質問から(2)保健所での障害者健診と障害者の歯科保健医療対策   

都議会厚生委員会で質問
保健所での障害者健診と障害者の歯科保健医療対策


 都議会第1回定例会の厚生委員会で質問に立ちました。3月15日の保健医療局に対する質問は、▽多摩地域の保健所増設・体制強化▽保健所で実施している障害者健診と、障害者の歯科保健医療対策▽コロナ対策▽島しょ地域の専門診療―の4つのテーマでおこないました。質疑の内容を順次紹介しています。2回は、保健所で実施している障害者健診と、障害者の歯科保健医療対策についてです。

【原のり子のコメント】


 すべての都・保健所で、障害者健診が今年度も実施されることは確認できよかったのですが、また人数制限が設けられているという声が寄せられ、質問しました。この件は以前も厚生委員会で質疑し、希望する人をもれなく受け入れるように強く求めています。なぜ、健診を必要とする人がもれなく受けられるようにしよう、という発想に立たないのか、本当に納得いきません。障害者の権利、人権にかかわる問題なので、引き続き調査を進めたいと思っています。
 また、障害者の歯科保健医療対策を私も質問してきたので、今回大事な前進があることはよかったと思いますが、さらに地域での対策を充実するための支援や、集団歯科健診の実施が進むように働きかけをしていきたいと思います。

保健所で実施している障害者健診
すべての保健所で実施する予定ですか


 原のり子 保健所で実施している障害者健診についてなんですが、来年度、すべての都の保健所で障害者健診は行う予定なのかどうか、うかがいます。

 地域保健担当部長特命担当部長保健所デジタル化推進担当部長兼務 すべての都保健所で、障害者施設等の利用者を対象とした健康診断を実施する予定でございます。

25人が上限という話がある
希望する人が漏れなく受けられるようにしてほしい


 原のり子 この件については以前も質問したんですけれども、障害者健診について、人数の上限をなくして、希望する人が漏れなく受けられるようにしていただきたいというふうに私は思っています。
 何で今回また同じ質問をしているかというと、今年もある保健所では25人が上限だというふうにいわれたという話があったからです。ある施設には29人在籍しているのにどうしようと話している施設もあるんです。
 希望する人が受けられるようにすべきですけれども、いかがでしようか。

 地域保健担当部長 健診につきましては、障害の有無に関わらず、疾病の発症や重症化の予防等のため、高齢者の医療の確保に関する法律や労働安全衛生法等に基づきまして実施されているところでございます。
 都保健所では、障害者施設等の利用者が各保険者等が実施する地域の医療機関や健診機関等での健診の機会を確保できない場合、管内の施設からの依頼を受け健診を実施しております。
 なお、安全・安心に健診を受診していただけるよう、集団での健診実施に伴う感染対策を講じるため、受け入れ規模等を設定してございます。

健診先の確保ができないから保健所で受診している
施設を利用している人が差別なく受けられるように


 原のり子 施設としては、同じ利用者なのに受診できる人と受診できない人に分けるなどということはできません。
 健診先の確保ができないから保健所で受診しているわけですから、受診する際は施設の利用者が差別なく受けられるようにしていただきたいというふうに思います。

障害者の健診で
歯科健診も一緒に実施できないか


 原のり子 それで、障害者の健診で歯科健診も一緒に実施できるようにできないかと思いますが、うかがいます。

 地域保健担当部長 都保健所におけます障害者の歯科健康診査につきましては、平成18年(2006年度)で終了してございます。

なかなか歯科検診に行けない方もいらっしゃる
ぜひ検討していただきたい


 原のり子 健診をそれぞれ個別に受けようと思ってもなかなか受けることができないから、健診を都の保健所で継続してくださっているわけですけれど、歯も同じで、なかなか歯科健診に行けない方たちもいらっしゃるんですよね。
 ですので、1年に1度の健診に歯科健診も同時にできれば、本当にお一人おひとりの健康管理にもプラスになると思うので、また施設としても、利用者の方たちの健康状態を把握できるので希望されているという声も聞いています。ぜひ検討していただきたいと、この場では要望しておきます。

障害者歯科医療設備整備補助事業
どういう事業なのですか

 原のり子 次に、歯科保健医療対策についてうかがいます。
 障害者歯科医療設備整備補助事業が予算案として出されましたけれども、どういう事業なのかうかがいます。

 医療政策担当部長 都は来年度、障害者に対する専門的な歯科医療を提共する医療機関に対しまして、障害者歯科用ュニット、麻酔器、心電図モニター等、必要な医療機器の購入に係る費用を補助し、障害者歯科医療提供体制の整備を進めていくこととしております。

地域で障害者歯科を実施するクリニックを増やすために
歯科医の努力を支援できるように検討してほしい


 原のり子 大事な内容だと思っています。
 ただ、地域の歯科クリニックが工夫しながら障害者の方を受け止めているということを私、2020年の予特(予算特別委員会)のときにも紹介したんですけれども、たとえばパーティションを置いたり、個室をつくったり、それぞれ努力してやっていらっしゃるクリニックもあります。
 地域で障害者歯科を実施するクリニックを増やしていくためには、こうしたところにも支援をできるように検討してほしいと要望しておきたいと思います。

2018年度調査 障害者の歯科検診 通所施設で7割が未実施
2022年度の調査では、都の調査ではどうなっていますか


 原のり子 2018年度の東京都の調査では、障害者の歯科健診は、福祉通所施設では7割が実施していないというふうになっていたんです。
 都は昨年度(2022年度)、再び調査を実施していますけれども、障害者施設の状況についてうかがいます。

 医療政策担当部長 都が令和4年度(2022年度)に実施した調査では、入所施設47カ所のうち、施設で歯科健診を実施している割合は59.6%であり、歯科診療所等で歯科健診を受けている割合は21.3%でございました。
 また、通所施設につきましては、利用者3438名のうち、かかりつけ歯科医を決めているものの割合は79.5%であり、そのうち81.4%がかかりつけ歯科医で定期健診を受けていました。

 原のり子 今回の調査では、通所施設での定期健診をやっているかどうかの設問はなかったので、その部分の変化は分からなかったわけです。ぜひ継続的にその分は把握をしていただきたいなというふうに思います。
 また、かかりつけ歯科医を決めている方は約8割で、そのうちかかりつけでの定期健診は約8割ということが分かりました。

知的障害者の定期的健診
推進するためにどう取り組んでいますか


 原のり子 知的障害の方は、症状を説明するということが困難なため、歯や口の中にトラブルがある、そのことに気づいたときにはかなり深刻になっているということが少なくありません。
 定期的健診を推進するために、どのように取り組んでいくのか、うかがいます。

 医療政策担当部長 都は、身近な地域で障害者に対して定期的な口腔健康管理を行うかかりつけ歯科医等を育成するため、都立心身障害者口腔保健センターにおきまして、障害者、歯科診療に関する研修や実習等を実施しております。
 また、家族や施設職員等に対し、歯科健診や予防処置を受けることの大切さなどについて普及啓発等を行う区市町村を包括補助により支援しております。

知的障害の方 かかりつけ医をもつことが大事
通所施設で集団歯科検診を実施することが大切


 原のり子 かかりつけ歯科医をもつことを進めると同時に、通所施設においても集団歯科健診を実施することが大切ではないかというふうに思います。
先ほど、保健所での健診に歯科健診を復活することはできないのかと提案しましたけれども、改めて検討を求めておきたいと思います。

ハナミズキ
都議会厚生委員会質問から(2)保健所での障害者健診と障害者の歯科保健医療対策_b0190576_13080339.jpg
都議会厚生委員会質問から(2)保健所での障害者健診と障害者の歯科保健医療対策_b0190576_13080686.jpg






by hara-noriko | 2024-04-19 13:15 | 都議会 | Comments(0)

<< 都議会厚生委員会質問から(3)... 都政報告懇談会のお知らせです >>