都議会厚生委員会質問から(3)コロナ対策の継続求める   

都議会厚生委員会で質問
コロナ対策 終わらせていいのか


 都議会第1回定例会の厚生委員会で質問に立ちました。3月15日の保健医療局に対する質問は、▽多摩地域の保健所増設・体制強化▽保健所で実施している障害者健診と、障害者の歯科保健医療対策▽コロナ対策▽島しょ地域の専門診療―の4つのテーマでおこないました。質疑の内容を順次紹介しています。3回はコロナ対策です。定期検査やモニタリング分析の公表、後遺症相談などを終わらせていいのか、と問いました。

【原のり子のコメント】

 国も都も、コロナ対策のほとんどをやめてしまいました。コロナに感染して命を奪われた方も多くいらっしゃることを忘れてしまったのでしょうか。今回、最低限のこととして、高齢者や障害者施設での定期的検査の継続、治療薬への支援、後遺症相談窓口の継続、毎週の感染状況の分析と公表の継続、を改めて求めました。しかし、国に準じて都もやめると…。4月になったら、きれいさっぱりウイルスはなくなるとでも考えているのでしょうか。
 実際、現時点でも、周りにコロナ感染する人もいますし、病院に行かないで感染している人もいると思われます。重症化リスクの高い方たちを守れるようにしていくことが必要です。また、後遺症の状況も深刻です。早く治療が開始できることが重要だと指摘されています。コロナは終わっていません。引き続き、対策を提案していきます。
 
コロナ 福祉施設での定期検査
3月で終了 続けるべきだと考えるが


 原のり子 コロナ対策についてです。
 福祉施設での定期的検査はこれまでも繰り返し質問をしてきましたが、重症化リスクの高い方たちの命を守るために重要な役割を果たしてきました。
 この3月で終了ということですが、まだ続けるべきと考えますがいかがですか。

 感染症対策調整担当部長 都は、新型コロナの5類移行後も、高齢者施設等の職員向けの感染症予防に関する研修や、即応支援チーム派遣などを実施いたしまして、施設の感染症への対応力の向上を図ってまいりました。
 集中的検査は、本年4月の通常の医療提供体制への完全移行という国の方針を踏まえ、本年度(2023年度)末で終了いたします。

特別養護老人ホームの施設長
「コロナは終わっていない」


 原のり子 世田谷区では、特別養護老人ホームの方たちが、検査キットの配布の継続を区に要請しています。
 私もうかがった声では、ある地域の特養の施設長は、週1回の定期的検査でクラスターを抑えている、早く見つけて職員を休ませることが大事、検査しかない、コロナは終わっていない、とみなさん口々に話をされています。
 障害者の通所施設も切実です。
 先日も特別養護老人ホームで職員が陽性と分かったのは定期的検査でした。
 それ以上広げないようにすぐ対策をとれる。それで利用者の方には広がらなかったというお話も聞いています。
 また、少なくとも抗原検査キットの配布は継続してくれないかなど、本当に要望が今たくさん出されています。

5類になってもコロナの性質は変わらない
定期検査の継続を改めて求めたい


 原のり子 5類になったからといってコロナウイルスの性質が変わったわけではなく、定期的検査の有効性も変わりません。継続を改めて求めたいと思います。

コロナ治療薬の公費支援が終了すると
自己負担の重さから使用を諦める患者が生じる心配が

 原のり子 コロナの治療薬の公費支援が終了すると、自己負担の重さから使用をためらったり諦める患者が生じる心配があります。この件については、どうお考えでしようか。
 
 感染症対策部長 新型コロナ治療薬の公費支援に係る4月以降の取り扱いにつきましては、国の責任におきまして、全国一律の方針を定めたものでございます。

全国知事会、感染症学会などから意見が
都として負担軽減を検討することはできないか

 原のり子 全国知事会からも、国に治療薬に係る費用については公費支援を継続することを求める要請が出されていました。
 また、日本感染症学会など3つの学会も、治療薬の自己負担が増えることにより診療拒否や治療拒否の患者が発生することが想定されるとして、公費支援の継続を国に要望しています。既に治療薬の処方を拒否する患者も発生しているということを聞いています。
都として、負担軽減について検討することはできませんか。

 感染症対策部長 繰り返しになりますが、新型コロナ治療薬の扱いにつきましては、国の責任において全国一律の方針を定めるものでございます。

検査もなくなり治療薬支援もなくなる
4月に一気になくしていいのか疑問


 原のり子 国がそういうふうに決めたということはそうなんですけれども、検査もなくなり、治療薬支援もなくなる。そんなに一気に4月になってやめていいのかなというのが非常に疑問なんです。

モニタリング分析や公表
これはどうするのか


 原のり子 それでは、今後のモニタリング分析や公表についてはどうしていくんでしようか。

 感染症対策調整担当部長医療改革推進担当部長健康安全研究センター健康情報解析担当部長兼務 都は、新型コロナの5類移行後、定点医療機関からの患者報告数等に基づいて、感染動向や医療提供体制への負荷を把握し、専門家によるモニタリング分析を行っております。
 4月以降も必要に応じて専門家のご意見をうかがいながら、感染状況を把握してまいります。

必要に応じて、とは
把握は公表とは違うのか


 原のり子 すみません、ちょっと確認したいんですけれども、4月以降も必要に応じてとおっしゃいましたよね。それで感染状況を把握っておっしゃったので、必要に応じてということですからこれまでと同じような分析ではないということも考えられるのかなと。
 また、把握ということは公表とはセットではないということですか。それは今、検討されているということなんでしようか。ちょっと確認させてください。

 感染症対策調整担当部長 4月以降でございますが、必要に応じて専門家のご意見をうかがいながら、感染状況を把握してまいります。

 原のり子 さっきと同じ答えで、その答えがちょっとよく分からなかったので聞いたんですけれども、今、どういうふうに分析してどういうふうに公表するかというのは、検討中だということでいいですか。

 感染症対策調整担当部長 必要に応じて専門家のご意見をうかがってまいります。

コロナの今後の動向が心配だ
モニタリング分析の公表は役立っていた


 原のり子 4月、目の前ですけれども、今、専門家の意見も聞きながら検討しているのかなと受け止めますが、私は本当にコロナの今後の動向がやっぱり心配だなと思うんです。
 4月になったら突然なくなるというものでもないですし、重症化しなくなるというものでもありません。週1回のモニタリング分析の公表は、状況を把握するためにとても役に立っていました。本当に必要だと思っています。
 もし、これさえもなくなってしまうとなったら、どうやって気をつけていけばいいのかというふうに私は思います。

都立病院での後遺症相談が終了
今後、どのようにしていくのか


 原のり子 さらに、都立病院での後遺症相談が終了すると発表がありました。継続すべきと思っていますけれども、都立病院は今後どのようにしていくんでしようか。

 都立病院支援部長 都立病院のコロナ後遺症相談窓口は、本年4月の通常の医療提供体制への完全移行という国の方針を踏まえまして、今年度(2023年度)で終了することとしております。
 なお、都立病院の後遺症診療につきましては、通常の医療提供体制の中で地域医療機関との適切な役割分担に基づきながら引き続き対応してまいります。

2024年度の後遺症対策
どのようにしていくのか

 原のり子 都立病院での後遺症相談は終了するということなのですが、では来年度(2024年度)の後遺症対策についてはどのようにしていくんでしようか。

 感染症対策調整担当部長 都は、後遺症に悩む方が身近な地域で受診できるよう、後遺症に対応する医療機関につきまして、地域や症状で検索できるマップやリストの公表を令和六年度も継続いたします。
 また、後遺症診療に係る最新の知見や国内外の研究内容等を共有する医療従事者等向けのオンライン研修会を引き続き開催いたします。

後遺症は本当に深刻
コロナは終わっていない 再検討を求める


 原のり子 継続していただけることなどもあるわけでそこは大事なことですが、都としての窓口は持たないということになるわけです。
 後遺症は本当に深刻で、若い人の中にも深刻な症状の方が増えているという話もうかがっています。まさにコロナは終わっていないわけです。
ワクチンの副反応については窓口があるけれども、後遺症についてはなくしてしまうのはいかがかと思います。再検討を求めておきたいというふうに思います。

東久留米市で都政報告
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by hara-noriko | 2024-04-21 17:30 | 都議会 | Comments(0)

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