公立図書館を守りましょう 原田ひろみ市議が報告   

都政報告懇談会での市政報告 清瀬市
公立図書館の廃止問題 原田ひろみ市議


 東久留米市と清瀬市で開いた都政報告懇談会には、たくさんの方に参加していただき、ありがとうございました。みなさんのご意見に学ばされました。都政報告懇談会では、東久留米市議団(永田まさ子、村山順次郎、北村りゅうた、かもしだ芳美の4市議)、清瀬市議団(原田ひろみ、佐々木あつ子、香川やすのり、穴見れいなの4市議)から市政の報告をしていただきました。そのなかから、東久留米市からは公立保育園民営化をめぐる問題を、清瀬市からは公立図書館廃止をめぐる問題を紹介します。今回は、清瀬市の原田ひろみ市議による公立図書館廃止をめぐる報告です。

【清瀬市 原田ひろみ市議の報告】
公立図書館廃止反対と市民の力

市立図書館6館のうち4館も廃止する計画
与党の賛成多数で条例改定案を可決


 図書館廃止の問題についてお話したいと思います。
 清瀬市立図書館は、中央図書館、元町こども図書館、下宿図書館、野塩図書館、竹丘図書館、駅前図書館の6館があります。このうち、4館を廃止しようというのが市の提案です。廃止が提案されたのは、元町こども図書館、下宿図書館、野塩図書館、竹丘図書館です。代わりに宅配サービスを導入する、運営は民間に、という内容です。市議会第1回定例会に条例改定案が提出され、与党の賛成多数で可決されました。実施は2025年度からです。

進め方も手続きも本当にひどい
「廃止」を示さずパブリックコメントを募集


 この内容がまれに見るひどさなんです。進め方も、手続きも本当にひどい。私たち共産党議員団は、条例改定案を見て、驚きました。
 行政の仕事というのは、どの計画でもそうですけれども、まず計画に示して、市の考えを示して、市民にそれを明らかにし、パブリックコメントをやったり、説明会をしたり、意見を聞たりして、それを条例案の中身に反映して、議会で決めていくものなんです。ところが今回は、そういう手続きが一切なかったといってもいいすぎではないと思っています。
 昨年、「これからの図書館を創造する会」というものが3回開催されていました。「創造する会」が議論の結果をまとめて、図書館のサービス基本方針の素案というものをつくって、今年に入ってパブコメを行っています。しかし、そのなかには、「市立図書館の廃止」という文言はいっさいありませんでした。
 基本方針には「図書館体制を再構成」「現在の6館体制を見直し、市民の期待に応えた図書館をめざします」「民間の力を生かした運営を」という表現だけだったんですね。地域図書館が4つもなくなることがわかるはずもない中身でのパブコメでした。結局、意見はゼロだったんですね。パブリックコメントの実施要綱というルールがあるんですけれども、それにも反していると思います。

市民に知らせず、説明せず、情報を隠して
突然、議会に出して多数決で決めてしまう


 図書館のあり方を変えてしまう条例改定をまったく市民に知らせず、説明せず、情報を隠したまま、突然議会に出して多数決で決めてしまう。「清瀬に民主主義はあるのでしょうか」「清瀬で子育てしていくうえで、より良い町になってほしい」といっていたお母さんたちの声が頭を離れません。
 市民無視の、市民の声を一切反映することができないやり方で条例を出してしまう、決めてしまうというやり方は、立科山荘を廃止するときも実はそうだったので、2回続けて経験しました。こんなことが繰り返されてはなりません。

共産党市議団 急きょビラをつくって配布
市民による「有志の会」もできて署名運動開始


 ことし2月21日になって、市議会議員への議案配布がありまして、ここで私たちは初めて、6館体制が2館になり、4つの地域図書館が廃止されることを知りました。もう議会の1週間ちょっと前ですね。本当にこれは驚いて、急きょ全戸配布のビラをつくろうということになりまして、みなさんにお届けする準備に入りました。議会の直前は、準備でとても忙しい時期なんですが、これは知らせなきゃいけない、と。市民が知らないまま、こんな条例が可決されてはとんでもない、ということで一生懸命、多くの方にも協力いただいてビラを配りました。それが大きな力になって、市民による「有志の会」というものが立ち上がり、条例改定案の撤回を求める署名運動が始まりました。

「私たちの知らないところで勝手に決めないで」
有志の会 3920筆の署名を市長あてに提出

 「有志の会」の人たちは「私たちの知らないところで勝手に決めないで」と駅前などで署名を訴えました。小さな子どもを育てるお母さんたちが子どもたちと一緒に「図書館をなくさないで」「歩いていける図書館を残してください」と声を上げました。この署名の広がりには本当に驚きました。たった5日あまりで1000筆を超える署名が集まりました。市議会最終日の3月28日の前には3920筆もの署名を清瀬市長あてに提出して、「採決を見送って市民の声を聞いてほしい」と訴えました。図書館長や教育長などにも要望書を出してくれています。そのほか、子どもの教育ネットや市民の会のみなさんも出してくれました。そうした大きな世論へと広がって、議会を動かしました。

自民党、公明党以外のすべての議員
「今決めるべきではない」と動議を提出

 市議会最終日の本会議で、共産、立憲、ネット、無所属の議員9人が継続審査の動議を提出しました。この動議は否決されたとはいえ、自民党、公明党以外のすべての議員が、「今決めるべきではない」と表明したのは本当に大事だと思います。
 条例改定案は、自民党と公明党の賛成多数で可決されましたが、条例改定案そのものにも8人が反対しました。共産党(4人)と「共に生きる」のふせ由女議員が反対するだけではなくて、「風・立憲・ネット」という会派(3人)も一緒になって足並みを揃えたというのは大事なことだったと思っています。反対した議員の中には常任委員会で賛成した方も含まれています。

市民は諦めていない
みんなの力で図書館を守りましょう

 市民のみなさんは、諦めていません。署名運動を再度やっていきたい、ということも聞いています。私たち共産党市議団も全力で一緒にがんばっていきたいと思っています。公立図書館はすべての世代が利用する市の知的インフラです。年代別人口と図書館利用者数の比率を見ると、0歳から14歳までの子どもたちが20.9%でもっとも高くなっています。市民みんなの力で公立図書館を守っていきましょう。

地方自治は民主主義の学校
住民をないがしろにする政治を変えたい


 「この議会で決めないで」という市民の世論が、あと一歩で継続審査の動議を可決するところまで議会の力関係を変えました。地方自治は民主主義の学校、といわれます。地域の住民が地方自治体の政策づくりや実施に参加して、自分たちの意見や判断と責任において地域の公共的な問題を解決していく。こうした努力が国レベルの発展につながっていくのだと思います。だから、諦めるわけにはいきません。住民をないがしろにする政治を住民のみなさんと一緒に変えていきたいと思っています。

【都政報告懇談会から】

原のり子の都政報告
 (1)予算案をめぐる新しい変化
 (2)多摩格差ゼロをいわなくなった小池知事
 (3)多摩格差解消は緊急課題
 (4)都知事選と共産党の役割
 (5)予算議会での私の質問
■市政報告
 
東久留米市 公立保育園をなくさないで かもしだ芳美市議
 
清瀬市   公立図書館をなくさないで 原田ひろみ市議


清瀬市の公立図書館廃止問題を報告する原田ひろみ市議(2人目)
(左から)穴見れいな市議、原田ひろみ市議、
原のり子、香川やすのり市議
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「公立図書館をなくさないで」と訴える市民
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by hara-noriko | 2024-05-12 21:35 | 市政報告 | Comments(0)

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