東京・清瀬市 「元町こども図書館」廃止は大問題
2024年 07月 24日
「元町こども図書館」廃止の問題点
7月15日に東京・清瀬市の超党派市議が主催して開かれた「図書館について議会の報告&懇談会」。先日ブログで報告しましたが、図書館の大事さを語り合い、廃止ではなく、充実をという意見が次つぎに出されました。さまざまなことを考えさせられましたが、私が強く思っているのは、「元町こども図書館」を廃止することの問題です。
(注)清瀬市立図書館は現在6館。このうち4館を廃止しようというのが市の計画です。▼印が廃止対象館。中央図書館、駅前図書館、▼元町こども図書館、▼下宿図書館、▼野塩図書館、▼竹丘図書館
「子どもの権利条約」「東京都こども基本条例」に照らして
図書館の廃止を子どもたちに説明できるのか
今年は「子どもの権利条約」を日本が批准して30周年です。子どもの最善の利益を保障し、子どもの意見表明権を位置付けた条約。また、「東京都こども基本条例」に照らしてもとても問題を感じます。子どもたちの大事な場所を、大人が勝手になくしていいのでしょうか。子どもたちに説明はできるのでしょうか。
「元町こども図書館」をたずねました
子どもの目の高さでつくられ安心して利用できる
私は、7月12日、共産党の佐々木あつ子市議、原田ひろみ市議とともに、「元町こども図書館」をたずねました。
「元町こども図書館」は、すべて、子どもの目の高さでつくられ、子どもが気兼ねなく利用でき、現在は公共施設内(清瀬けやきホール)にもあるので安心して利用できます。乳幼児のつどいの広場もすぐ隣にあり、相互利用できます。子どものトイレも安全な場所にあります。
縮小してショッピングセンター内の駅前図書館の一部に
3万3000冊の本が1万冊に減少 安全面は大丈夫か
これを縮小しショッピングセンター内の駅前図書館の一部に入れるとしていますが、現在の3万3000冊が1万冊に減ってしまいます。現在30人以上のボランティアの方がおこなっている読み聞かせの取り組みは継続できるのか? 子どもたちが気兼ねなく利用できるような場所になるのか? 安全面でも、奥まった商業施設のトイレは心配。有料駐輪場は道路をはさんだ場所にあり危険。つどいの広場との相互利用もできなくなります。…さまざまな問題点が浮き彫りになっています。
こんな貴重な場所をなぜ廃止するのか
理解に苦しみます
私は1999年に東久留米市議になったのですが、2000年の5月5日に「国立国際こども図書館」ができ、すぐに見に行きました。当時、子どもたち3人はまだ小さく、よく図書館に行っていましたが、子どもたちが安心して過ごせるこども図書館があったらいいな、といつも思っていました。図書館の片隅に子どもコーナーがあるのでなく、子どもたちが主人公になれる図書館があれば、もっと本を好きになる子どもたちも増えるのではないか…。
「国際こども図書館」ができたことは大事だけれど、やはり身近な場所にも必要だと思い、議会質問もしていました。残念ながらなかなか実現していませんが、清瀬には「こども図書館」ができたということで、本当にうらやましいと思っていました。実際に見てみると、本当によく考えられています。こんな貴重な場所をなぜ廃止するのか? 理解に苦しみます。
私の体験から
子どもたちの意見を聞くことが重要
最初に書いたように、「子どもの権利条約」と「東京都こども基本条例」に照らしても、ありえない。私は都議会総務委員会の委員だったときに、「こども基本条例」について「大事なのは、新たなものをつくるときだけではなくて、子どもにかかわる今あるものをなくすとか、あるいは変更するとか、そういうときにも(子どもの)意見を聞くべきだと思いますが見解をうかがいます」と質問しました。担当部長は、「子ども政策の推進にあたりましては、現状把握、企画立案、実行などの段階で、さまざまな手法により子どもの意見を聞くことが重要」と答えています。
「元町こども図書館」は現状のまま存続し
さらに必要な拡充がはかられるべきです
「元町こども図書館」は廃止するが、規模を小さくし、別の場所でやるのだから問題ないと考えていたら大間違いです。いまあるもの、子どもが大事にしているものをどうしても変えるというなら、納得いく説明がなされることが必要ですができるのでしょうか。
改めて、貴重な「元町こども図書館」は現状のまま存続し、さらに必要な拡充がはかられるべきです。
そして、地域図書館4館の廃止は中止して、市民のかけがえのない知的財産を守るべきだと強く思います。
by hara-noriko | 2024-07-24 23:09 | 活動日誌 | Comments(0)