都内の民間・公立病院への都の支援を求める―事務事業質疑   

保健医療局への事務事業質疑
民間・公立病院への都の支援を求める


 都議会厚生委員会でおこなった事務事業質疑のうち、まだ紹介できていなかった質問を4つ紹介します。事務事業質疑は、都が実施する施策にたいして何でも質問できるので、私も力を入れています。保健医療局に対しておこなった質問(2025年11月18日)は、以下の内容です。(1)物価高騰対策として医療機関や薬局への緊急支援を求める(2)地域医療を守るために都内の民間・公立病院への都の支援を求める(3)コロナ後遺症対策(4)市販薬の過剰摂取(オーバードーズ)についての取り組み―です。2回目は、都内の民間・公立病院への都の支援です。

【原のり子のコメント】

 民間病院への支援の継続と拡充、公立病院への支援の強化をこのときにとりあげましたが、現在、都が示した予算案では、両方とも対応する内容で示されています。
 民間病院には、入院患者1人当たり1日500円(今年度は580円)の支援、公立病院には、運営費補助の病床基礎額を1床あたり122万円を152万円に引き上げるという内容です。これは大事な前進です。また、診療報酬改定も、3.09%の引き上げになります。しかし、診療報酬の引き上げが本来10%ぐらい必要と東京都自身が国に提言を出していたことからすると、今回示された予算案はさらなる拡充が必要ではないでしょうか。
 このときの議論をベースに、予算審議に臨みたいと思います。
 以下が質疑の内容です。

地域医療に関する調査分析と緊急提言
それぞれの内容は? 都内の病院の7割が赤字


 原のり子 では、この物価高騰対策、光熱費や食材費などの対策の継続が行われれば、それで十分かといえば、そうとはいえません。
 現在実施されている地域医療に関する調査分析についてうかがいます。この調査分析は、コロナ禍以降の患者数の減少や物価高騰などによる経営状況の変化などを把握、分析し、国への提案要求や医療施策の検討に活用すると述べられてきました。
 11月12日に、地域医療に関する調査、経営状況に関する調査の中間報告が出され、国に対し、診療報酬改定等に関する緊急提言が提出をされましたけれども、それぞれの内容を改めてうかがいます。

 保健医療局医療政策担当部長 都が行っている調査の中間報告において、都内病院の約7割が赤孛となるなど、急激な物価高騰などが病院運営を圧迫していることが改めて浮き彫りとなりました。 これを踏まえ、診療報酬の大幅な引き上げなどを求める、国への緊急提言を実施したところでございます。

病院運営の厳しさを都の責任を明らかにしたもの
都はどのような支援をするのか、が問われている


 原のり子 この中間報告は、都内の病院の運営の厳しさを都の責任で明らかにしたもので、重要です。また、提言の内容も、今の状況を放置すれば、病院の縮小、撤退や一層の人材不足につながり、結果として、都民が安心して医療を受けられる体制が損なわれるおそれがありますと指摘し、診療報酬は少なくとも約10%本体部分の引き上げが必要だとして、大幅な引上げを求めるとともに、物価や賃金の上昇を速やかに診療報酬に反映させる仕組みを導入することや、また、診療報酬改定のタイミングを待たず、機動的な財政支援を行うことを求めるという大変重要なものだと思います。
 その上で、では、東京都はどのような支援をするのかということが問われています。調査分析は医療施策の検討に活用するとありますが、どのように活用していくのか、うかがいます。

 医療政策担当部長 先日、国への緊急提言を実施したところであり、引き続き、国の動向を注視するとともに、都の医療政策の検討を進めてまいります。

都内の病院の7割が医業赤字
民間病院への支援の継続が必要だ


 原のり子 今後の医療政策を検討していく際に活用していくということだと思います。先ほどご答弁にあったように、中間報告では、都内の病院の7割が医業赤字に陥っているということです。
 そして、民間病院、公的病院、公立病院のいずれも深刻であるということが明らかになっています。この調査結果を踏まえれば、現在実施している民間病院への支援の継続が必要だと考えますが、いかがですか。

 医療政策担当部長 本来、医療機関の経営に関する課題は国が対応すべきものでございますが、現下の状況を踏まえ、都は今年度、民間病院を対象に、緊急的かつ臨時的に支援金を交付しております。先日、診療報酬改定などに関する国への緊急提言を実施したところであり、引き続き、国の動向を注視してまいります。

支援の継続と同時に拡充も必要だ
入院患者1人1日当たり580円の支援をさらに拡充を


 原のり子 継続と同時に拡充も必要です。
 都の調査の中間報告では次のように書かれていますが、100床当たりの平均で、医業利益はマイナス1億3800万円、経常利益でもマイナス7500万円です。
 一方、都の入院患者1人1日当たり580の補助金だと、病床100床で、病床利用率が90%でも、年間1900円の支援なんですね。
 もちろん国の責任が大きいですし、東京都はほかの補助も行っていますけれども、医療現場では、入院患者1人1日当たり580円の支援をさらに拡充してほしい、と切実な声が寄せられています。対応すべきと考えますが、いかがですか。

 医療政策担当部長 先日、診療報酬改定などに関する国への緊急提言を実施したところであり、引き続き、国の動向を注視してまいります。

対策が急がれる、という認識を都はもっている
国の動きを注視するだけでなく都として対策を検討すべきだ


 原のり子 いずれも国の動向を注視という答弁ですけれども、診療報酬がどうなるかの見通しは立っていない上、政府は医療費4兆円の削減を進めようとしています。その下で支援をやめるということはあり得ませんし、拡充こそ必要だと思います。
 国への提言では、地域医療の確保のため、診療報酬改定のタイミングを待たず、機動的な財政支援を行うことと述べています。
 それだけ対策が急がれる事態だという認識を東京都は持っているというわけですから、補正予算での支援の充実も含めて、対策を検討することが必要だと思います。この点について見解をうかがいます。

 医療政策担当部長 医療機関の経営に関する課題は、本来国が対応すべきものでございます。都は先日、診療報酬の大幅な引上げなどに関する国への緊急提言を実施したところであり、引き続き、国の動向を注視してまいります。

 原のり子 今年度、民間病院に対して、緊急な支援が必要だと判断をされたわけです。そして、その後も状況は変わっていない。むしろ本当に赤字の状況も大変だと、病院の方でも指摘をされている。中間報告でもはっきりと出ているわけです。
 診療報酬改定を待たずに機動的な対応が必要だと国に求めている、そういう状況ですから、やはり東京都としても必要な対応をすべきだと私は改めて強調をしておきたいと思うんですね。

医療関係者からは
580円の支援を2倍にしてもらいたい、の声が


 原のり子 医療関係者の方々にお話をうかがいますと、580円の支援があって本当に助かった、これがなければ成り立たない。しかし、これがあっても、赤字であることには変わりがなく、なんとか倍の金額にしてもらえないか、などの声が次つぎと寄せられます。それだけ本当に深刻な状況だということです。拡充を強く求めておきたいと思います。

公立病院の運営もたいへん厳しい
緊急に補助の拡充が必要だ


 原のり子 あわせて、この調査結果を見ますと、先ほども触れましたけれども、公立病院の運営もたいへん厳しい状況になっています。緊急に補助の拡充が必要と考えますが、対応についてうかがいます。

 医療政策担当部長 都は、市町村公立病院の安定的な運営を支援するため、提供する医療の内容や病床数等に応じて運営費を補助しております。
 また、今年度開始した高齢者用の病床確保や、小児科、産科等を担う病院への支援について、公立病院も対象としております。

現状では都の支援は足りていない
市長会からも支援が求められている 都の見解は?


 原のり子 ご答弁にあった補助についても、もちろん私も認識をしています。大事だと思います。しかし、それでは足りないということが中間報告に示されているのではないですか。とりわけ都内の市町村が運営する公立病院について、市長会からも最重点要望として、持続可能な公立病院運営に対する支援が求められていますこのように書かれています。
 二次医療を担う中核医療の役割を果たしている公立病院は、物価高騰や人件費増加により、極めて厳しい経営状況に直面するとともに、地域を支える医療従事者の確保が困難な状況となっている。有事の際における対応も含め、持続可能な医療提供体制を維持していくため、各種補助制度の拡充などの財政支援や医療従事者の確保等に向けた方策を講じられたい。
 この要望が出ているわけですけれども、この市長会要望にはどう応える考えですか。見解をうかがいます。

 医療政策担当部長 今回都が行っている調査では、公立病院も含めた都内病院の経営状況を調査してございます。
 その中間報告では、都内病院の約七割が赤字となるなど、急激な物価高騰などが病院運営を圧迫していることが改めて浮き彫りとなっております。
 本来こうした課題は、医療機関の経営に関する課題は国が対応すべきものでございまして、都は国への緊急提言を実施したところでございます。

各種補助制度の拡充などの財政支援など
市長会は具体的に要望 都は真剣に受け止めてほしい


 原のり子 市長会要望では、各種補助制度の拡充などの財政支援や医療従事者の確保等に向けた方策をということも具体的に示されているわけですね。私は、ぜひこれを真剣に受け止めて、検討をしていただきたいということを求めておきます。

多摩地域では公立病院が住民を支えている
すべてが赤字の見込み 都として支援すべきだ


 原のり子 多摩地域では、23区に比べて医療機関が少なく、都立病院も少ない中で、市町村による公立病院が住民を支えています。昨年度は多摩地域のすべての公立病院が赤字の見込みです。公立病院への支援を都としても進めるべきだと思います。

重要な役割を果たしている公立昭和病院の場合
救急、小児、周産期の不採算部門も担う


 原のり子 小平市にある公立昭和病院は、救命救急センター、地域がん診療連携拠点病院、地域周産期母子医療センター、地域災害拠点中核病院など、北多摩の地域で重要な役割を担っています。
 しかし、昭和病院企業団議会の昨年の第2回定例会において、2023年度は2億4000万円余の赤字となったということが議論になっています。
 企業長は、光熱水道費等の物価高騰の影響等による医業費用の増加、さらに、新型コロナウイルス感染症を対象とする補助金等がすべてなくなったことに触れて、赤字となったと報告をされています。
 また、担当職員の答弁では、民間病院と公立病院のいちばん大きな違いは、やはり不採算医療、政策医療を担っていることだと思います。救急、小児、周産期に関しましては、需要があってもなくても、その受け入れる器を用意しておくということで、人件費、設備整備費をはじめ、大変な費用がかかりますと述べています。

公立昭和病院 各市の財政力からすると負担が重い
こういうところにこそ都の支援が必要だ


 原のり子 そして、当然、10年前に比べて、医療にかかるお金、材料費がこれだけ上がっているということは、政策医療にかかるお金も、費用も大変上がってきているということで、企業団を構成する各市から15億円をもらってはいるが、不採算医療を賄うのには十分だとはいいづらい状況です、と述べられています。
 これは、一昨年度の決算の議論のときの話で、昨年度は10億円を超える赤字となる見込みになっています。さらに厳しい状況になっています。
 現在、小金井市、小平市、東村山市、東久留米市、清瀬市、東大和市、西東京市で構成し、不採算医療にかかるお金を分担して出しているわけですけれども、市の財政力からすると非常に負担が重く、金額を増やすということは簡単なことではありません。
 こういうところにこそ、都の支援が必要ではないでしようか。中間報告を踏まえて、早急に対策を取ることを強く求めておきたいと思います。

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駅前で都政報告
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by hara-noriko | 2026-02-16 21:48 | 都議会 | Comments(0)

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