コロナ後遺症 相談窓口の設置、対策強化を―事務事業質疑
2026年 02月 21日
コロナ後遺症対策を強化すべきです
都議会厚生委員会でおこなった事務事業質疑のうち、まだ紹介できていなかった質問を4つ紹介します。事務事業質疑は、都が実施する施策にたいして何でも質問できるので、私も力を入れています。保健医療局に対しておこなった質問(2025年11月18日)は、以下の内容です。(1)物価高騰対策として医療機関や薬局への緊急支援を求める(2)地域医療を守るために都内の民間・公立病院への都の支援を求める(3)コロナ後遺症対策の強化(4)市販薬の過剰摂取(オーバードーズ)についての取り組み―です。3回目は、コロナ後遺症対策の強化です。
【原のり子のコメント】
ここ最近も、身近なところでもコロナ感染が広がりました。また、高齢者の方が具合が悪くて入院したところ、コロナに感染していて、亡くなられたということも起きています。コロナは終わっていないし、とくに、重症化リスクの高い方々にとって脅威であることは変わっていません。感染を広げないための対策、感染した場合の早期治療への支援、後遺症対策について改めて質問しました。同時に、都として実施している症例分析について、今後の後遺症対策に活かせるものになるよう求めました。今後も、引き続き取り組んでいきたいと思います。
【参考資料】
都立・公社病院の外来を受診した後遺症患者の症例分析
都立病院の外来を受診した新型コロナ後遺症患者の症例分析
以下が質疑の内容です。
コロナ対策
福祉施設での検査キットの配布、治療の負担軽減を
原のり子 補正予算に盛り込むべきこととして、コロナ感染症についてもうかがいたいと思います。昨年度の傾向を見ても、コロナが冬場にまた増える可能性が予測できます。補正予算には、その対策として、福祉施設での検査キットの配布、希望する福祉施設職員のワクチン接種への支援、治療薬の負担軽減などを盛り込むべきと考えますが、いかがですか。
保健医療局感染症対策部長 検査や治療薬などの新型コロナへの対応は、国の方針等を踏まえ、令和6年(2024年)4月から通常の体制に移行しております。
都は、新型コロナの感染状況に応じ、専門家のご意見をいただきながら、場面に応じたマスク着用、手洗い、換気等の基本的な感染防止対策について、適時適切に注意喚起を行ってまいります。
重症化リスクの高い方たちの命を守る対策は不可欠
都の姿勢を再考するよう求める
原のり子 コロナは5類で、インフルエンザなどと同じ取り扱いになっています。しかし、インフルエンザのように、使いやすい治療薬はまだなく、治療薬は高額です。さらに、コロナ罹患をきっかけとして亡くなった方も多くいらっしゃいます。後遺症についても未解明であり、できるだけ感染しないことが望ましく、とりわけ重症化リスクの高い方たちの命を守る対策は不可欠だと思います。
そう考えたときに、先ほど述べた補正予算に盛り込むことを求めた内容は、必要最低限のものであると思います。冒頭の質問で、補正予算については検討中ということだったのに、コロナについては実質的にやらないということで答弁が決まっているということについても、私は疑問を感じます。
これについては再考することを強く求めて、次の質問に移ります。
コロナ後遺症対策
症例分析の目的、進捗状況は
原のり子 コロナ後遺症対策についてうかがいます。
今年度、新型コロナ後遺症の症例分析を行うということになっていますが、改めて、コロナ後遺症症例分析の目的、進捗状況をうかがいます。また、委託にした理由をうかがいます。
保健医療局感染症対策調整担当部長 コロナの後遺症の症例分析は、治療内容や症状の改善状況等を把握し、医療従事者や都民等への情報提供等に活用することを目的としております。
データの件数が900件程度あることから、委託実施としており、令和7年(2025年)9月末に契約締結しております。
2回目の症例分析
どういう範囲を対象としているのか
原のり子 症例分析はこれまで2度行われていますが、そのときは委託しないで実施していました。今回は、今ご答弁にあったように、データ件数が多いことから、委託としたとのことです。
前回の調査での対象は、コロナ後遺症相談窓口から外来受診につながった症例など、都立病院の外来を受診した症例のうち、陽生判明日が2022年1月1日以降―オミクロン株ですね―としていました。今回はどういう範囲を対象としているのか、うかがいます。
感染症対策調整担当部長 今回の調査対象は、令和3年度(2021年度)から令和6年度(2024年度)に都立病院の外来をコロナ後遺症が疑われる患者として受診した症例でございます。
都立病院に後遺症相談窓口が設置されていた期間は
相淡窓口経由とそうでない場合の違いも分析してほしい
原のり子 症例分析の1回目は、2021年5月10日から2022年1月28日までで230例でした。そして、2回目は、2021年1月1日以降に陽生が判明して、2022年7月20日までに受診した症例119例ということですから、今回の症例分析は、2021年度から2024年度ということで、期間が今までではいちばん長くなります。そういう意味では、かなり重要な分析になるのではないかと思っています。
確認したいのですけれども、都立病院に後遺症相談窓口が設置されていた期間はいつになりますか。教えてください。
保健医療局都立病院支援部長 都立病院のコロナ後遺症相談窓口は、令和3年(2021年)3月から4月までの間に順次開設され、令和6年(2024年)3月29日まで、約3年間対応していたところでございます。
原のり子 つまり相談窓口のある時期とない時期を含んでいるんですね、今回は。ですので、相淡窓口経由で外来受診となった場合と、そうではない場合とあるわけです。その違いなども、どういう違いがあるのかなども分析してもらえたらいいのではないかと私は考えます。ぜひ検討していただきたいと思います。
東京iCDC後遺症タスクフォースで分析
先生方の意見を反映させるためにどう取り組むか
原のり子 また、これまでの症例分析は東京iCDC後遺症タスクフォース(感染症のさまざまな領域の専門家で構成され、政策提言などを行う集団)において分析が行われてきましたが、今回は委託になっているわけですね。
それで、これも1点確認したいんですけれども、このタスクフォースの先生方の意見を反映させるためにどのように取り組むのか、その点について教えてください。
感染症対策調整担当部長 本調査につきましても、東京iCDCの先生方からのご助言をいただきながら、分析を進めていく予定となってございます。
原のり子 仕様書の方にも、事業者がタスクフォース会議等へ出席することなどについても書かれていたので、ぜひ先生方の意見を十分に聞いて、取り組んでいただきたいということを強く求めておきたいと思います。
子どもの後遺症も切実な問題
900件の症例のうち、子どもの割合はどのぐらいか
原のり子 子どもの後遺症についてもうかがいたいんですけれども、(2025年)9月30日に、患者家族会の度重なる要請を受けて、文部科学省は、「新型コロナウイルス感染症の罹患後症状に悩む児童生徒への配慮について」と題する通知を都道府県や学校関係者に発出しました。
長期間学校を休むことへの欠席の扱いの配慮など、学校ごとにまちまちの対応にならないように、こういうものも出されたのだと思いますし、それだけ子どもの後遺症も切実な問題になっているということが明らかになりました。
私は、今回の症例分析において、子どもの分析も重要になっているのではないかと思うんです。のべ900件の症例のうち、子どもの割合はどのぐらいでしようか。また、どういう経緯で都立病院の外来につながっているのか、うかがいます。
感染症対策調整担当部長 調査対象としているのべ約900件のデータのうち、18歳までの方の割合は約1割でございます。また、都立病院の外来を受診した経緯は、他の病院や診療所からの紹介等によるものでございます。
成長期の子どもたちが後遺症を悪化させる事態も
胸が痛む 今後につながる詳しい分析を
原のり子 900件のうち1割は子どもだということでした。
成長期の子どもたちが、コロナ後遺症で学校に行けなくなったり、無理して行って症状を悪化させているという、そういう状況をうかがって、本当に胸が痛みます。
今回の分析の考え方には、仕様書を見ますと、理解促進とコロナ後遺症の診療の推進に寄与するということが書かれています。ぜひ詳しい分析を行って、今後につながるようにしていただきたいとお願いをしておきたいと思います。
受診した後、どのような診断になったのか
把握することが必要ではないか
原のり子 それで、これまでの2回の調査で、コロナ後遺症の大きな特徴は倦怠感が強いということなどはすでに明らかになっています。大きな特徴などは明らかになっています。
そこで、今回の調査では、受診した後、どのような診断になったのかということも把握することが必要ではないかと考えますが、いかがでしようか。
感染症対策調整担当部長 今回の症例分析は、治療内容や症状の改善状況等を把握することを目的としております。なお、WHO(世界保健機関)によりますと、コロナ後遺症とは、新型コロナに罹患した人に見られ、他の疾患による症状として説明がつかないものでございます。
分析対象900件のうち
後遺症とそれ以外、数字として把握できるはず
原のり子 つまり今回の分析の対象は、他の疾患による症状として説明がつかないものというご答弁だと思うんですけれども、900件のうち、最初は後遺症疑いで受診したけれど、他の疾患だと診断されているケースもあると思いますので、それらは外して分析をするということなのだと受け止めました。
でも、900件のうち、後遺症とそれ以外というもので区別をすることができるわけですから、まず、数字としては把握できるということだと思います。これは明らかにしてほしいと思います。
後遺症で受診した後、どのような診断になったのか
ここを把握することはとても重要ではないか
原のり子 私は、後遺症疑いで受診した方たちが、どのぐらいの割合で他の疾患だと診断されているのか、これを把握すると同時に、それがどういう疾患だったのかということを明らかにすることが大事なのではないかと思います。
例えば、コロナ後遺症の疑いで受診して、筋痛性脳脊髄炎、慢性疲労症候群ともいわれていますが、この筋痛性脳脊髄炎と診断を受けるケースもあります。診断がつくと分析対象から外れるというのが基本的な考えだということですけれども、一方で、コロナ罹患を機に筋痛性脳脊髄炎を発症する可能性についての研究がいま進められています。
ですので、分析対象から外してしまうと、コロナに感染したことが原因で重い症状に苦しんでいる人を外してしまうことになる可能生があるのではないかと思います。
ですから、受診した後、どのような診断になったかということを把握することは、コロナの後遺症治療を前進させていく上で、とても重要ではないかと私は考えます。
タスクフォースの先生方のご意見も聞いて
分析の仕方についても検討していただきたい
原のり子 そこで、1点確認させてください。ぜひタスクフォースの先生方のご意見も聞いて、この分析の仕方についても検討していただきたいと思いますけれども、いかがですか。
感染症対策調整担当部長 今回の症例分析におきましては、コロナ後遺症が疑われる患者を対象に治療内容や症状の改善等を把握することを目的として進めてまいりたいと思います。
タスクフォースの先生方の意見を聞くんですよね
ちょっと確認させてください
原のり子 でも、先ほどの答弁では、タスクフォースの先生方の意見を反映させていくということで取り組まれることは取り組まれるわけですよね。
そうしましたら、症例分析をして、さまざまな意見を聞きながら進めていくわけですから、どのようにしていくことが分析としていいかということについては、この先生方、タスクフォースの先生方の意見を聞くということはやられるということではないんですか。ちょっと確認させてください。
感染症対策調整担当部長 今回の症例分析につきましては、治療内容や症状の改善等を把握するという目的を踏まえまして、東京iCDCの先生方の助言をいただきながら進めてまいりたいと思います。
原のり子 この場では、ぜひ先生方の専門的な立場からの意見を十分に聞いていただいて、よりよい分析がされるようにお願いをしておきたいと思います。よろしくお願いいたします。
コロナ後遺症は治療法が確立していない
不安に関して相談できる体制は後退させてはいけない
原のり子 そして、先ほど筋痛性脳脊髄炎の診断を受けるケースについて話をしましたけれども、このことについて、ちょっと一言、発言をしておきたいんですけれども、筋痛性脳脊髄炎と診断を受けて、寝たきりのような状態になってしまった方が、指定医の診断では、障害1、2級相当だったにもかかわらず、手帳の判定ではより軽くなってしまう、そういうケースが出ているという、そういう声が寄せられました。そのため、適切な医療を継続的に受けられない状況に追い込まれている方もいらっしゃいます。
なぜこういうことが起きているのかは福祉局の範疇になりますので、また今後、別途聞いていきたいと思いますけれども、重要なのは、コロナ後遺症は治療法が確立しておらず、さまざまな不安に関して相談できる体制は後退させてはいけないということだと私は思います。
都立病院での相談窓口は廃止されてしまいましたけれども、改めて都として、コロナ後遺症相談窓口を設置すべきではないですか。見解をうかがいます。
感染症対策調整担当部長 都では、後遺症に悩む方が身近な地域で受診できるよう、後遺症に対応する500以上の医療機関の公表を行っております。
また、新型コロナ後遺症ポータルサイトでは、後遺症に関するQ&Aを掲載するとともに、後遺症に対応する医療機関について、所在地や症状で検索できる機能を追加し、利便性の向上を図っております。
相談窓口があって、そこから医療機関につないでもらう
都としてSOSを出せる窓口を設置することを強く求める
原のり子 利便生の向上を図っているということで、それはとても大事なことで、必要なことだと思います。
ただ、コロナ後遺症の症状がある中で、つらいなか自分で医療機関を探すというのは本当に大変なことです。相談窓口があって、そこからつないでもらうということが可能になれば、どれだけ精神的、身体的負担が軽減するかと思います。少なくとも、都として、SOSを出せる窓口を設置することを強く求めたいと思います。
アフターケア外来
都立病院にも設置する必要があるのではないか
原のり子 あわせて、継続して後遺症の調査、治療を行っている岡山大学ではアフターケア外来を設けています。都立病院にも設置する必要があるのではないかと思いますが、いかがですか。
都立病院支援部長 後遺症の診療につきましては、地域医療機関との役割分担に基づき、すべての都立病院が通常の医療提供体制の中で適切に対応しているところでございます。
コロナは終わっていない
アフターケア外来は患者さんの希望にもなる
原のり子 岡山大学では、患者さんとともに研究と治療を進めています。
東京都としても、症例分析を都立病院を対象に行っているということですから、こうした調査を今後も継続し、治療を前進させる、そういう外来をつくることは、先が見えなくて苦しんでいる患者さんの希望にもなるのではないでしようか。
コロナは残念ながら終わっていません。ぜひ検討することを求めて、次の質問に移ります。
(1)サービス推進費補助 さらに改善を
(2)放課後等デイサービスの質とは何か
(3)「こども誰でも通園制度」について考える
【関連記事 2025年11月事務事業質疑 保健医療局】
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(2)都内の民間・公立病院への都の支援を求める
共産党東久留米市議団の市政報告懇談会で

by hara-noriko | 2026-02-21 12:23 | 都議会 | Comments(0)

