市販薬の過剰摂取についてのきめこまやかな取り組みを-事務事業質疑   

保健医療局への事務事業質疑
市販薬のオーバードーズの取り組みについて


 都議会厚生委員会でおこなった事務事業質疑のうち、まだ紹介できていなかった質問を4つ紹介します。事務事業質疑は、都が実施する施策にたいして何でも質問できるので、私も力を入れています。保健医療局に対しておこなった質問(2025年11月18日)は、以下の内容です。(1)物価高騰対策として医療機関や薬局への緊急支援を求める(2)地域医療を守るために都内の民間・公立病院への都の支援を求める(3)コロナ後遺症対策の強化(4)市販薬の過剰摂取(オーバードーズ)についての取り組み―です。最終回の4回目は、市販薬のオーバードーズについての取り組みについてです。

【原のり子のコメント】

 市販薬オーバードーズについて、この間の議論のなかで、都の取り組みも前進してきています。授業事例集もそうですが、それだけでなく、子どもたちが手にするものを新たにつくったこと、そこに連絡先(相談先)を明記したことが今回の質問でわかり、大事な前進ととらえ質問しました。その後、さらに改善され、オーバードーズとは、という説明もあり、つらいなあと思ったときの相談先や薬についての問い合わせ先、ということも明確化されています! オーバードーズに関しては、薬という視点では保健医療局ですが、依存症の相談という視点では福祉局になります。ですので、両局の連携が大事になりますが、保健医療局でも一歩ふみこんで子どもたちに伝わるよう、新たな努力を重ねていることはとても重要だと思います。
 同時に、子どもたち、若者たちの深刻な状況からすると、さらなる取り組み強化が急がれることも実感します。引き続き、取り組んでいきたいと思っています。
 以下が質疑の内容です。

市販薬オーバードーズへの対応
心が弱いなど自己責任的な見方をするのではなく


 原のり子 最後に、市販薬オーバードーズへの対応について、うかがいます。
 市販薬の過剰摂取、いわゆるオーバードーズ、ODについて、これまでも質問してきました。私が最も大事だと思っているのは、オーバードーズをしている子ども、若者たちに対し、心が弱いなど自己責任的な見方をするのではなく、ODをせざるを得なくなっている背景を踏まえること、そして、誰でもなりうるし、回復もできるというメッセージを届け、相談しやすい環境を整えていくことだと考えています。
 薬の取り扱いについては保健医療局、依存症などについての相談は福祉局がそれぞれ所管のため、ODについては両局の連携がとても重要だと思います。今回は、保健医療局としての子ども、若者のオーバードーズへの対応について、これまでの議論を踏まえて、うかがいます。

医薬品の正しい使い方を教えるための授業事例集
どのようなところで活用しているのか


 原のり子 今年の2月に、薬務課では、医薬品の正しい使い方を教えるための授業事例集を作成されました。オーバードーズが低年齢化している状況も踏まえて、小学校高学年を対象にしたものとうかがっています。
まず、この薬物乱用防止教室で使える教材の活用状況についてうかがいます。冊子をどのくらい、どのようなところで活用しているのか、また、ホームページに掲載していることの周知はどのように行っているのか、うかがいます。

 保健医療局食品医療品安全担当部長 この事例集は、小学生に医薬品の正しい使い方を理解してもらい、市販薬の過剰摂取を予防することを目的に、昨年度(2024年度)作成したものであり、小学校の薬物乱用防止教室等で講義をする方が使用するための授業資料でございます。
 この事例集を活用した授業は、小物交高学年を対象としており、医薬品を使用する上での基本的なルールなど、重要なポイントを分かりやすく伝えることができる内容となっております。
 事例集は、学校等で実際に薬物乱用防止教室の講師となる薬物乱用防止指導員約500名に配布するほか、関係団体等にも配布し、周知しております。また、ホームページに掲載して、広く活用を図っております。

冊子の中にはオーバードーズという言葉はない
それはなぜなのか


 原のり子 薬物乱用防止教室は、さまざまなジャンルの方が講師になるので、どなたが授業を行っても、共通して参考にできるものがあるということは重要だと思います。
 今ご答弁にあったように、医薬品の正しい使い方を理解してもらい、オーバードーズを予防するということが目的とのことですけれども、この冊子の中にはオーバードーズという言葉はありません。オーバードーズという言葉を使っていないのはなぜですか。

 食品医療品安全担当部長 本冊子は、医薬品の正しい使い方を児童に教えるための冊子であり、作成に当たっては、市販薬の過剰摂取により心身に悪い影響があることなどを強調し、子供たちに不安を抱かせる内容とならないよう工夫しております。そのため、オーバードーズという言葉は使っておりません。

不安を抱かせる内容とならないよう工夫したという点は大事
オーバードーズという言葉にも触れた方が伝わるのではないか

 原のり子 不安を抱かせる内容とならないよう工夫したという点は大事だと思います。ただ、オーバードーズ、ODという言葉は、ほとんどの子どもは知っているのではないでしょうか。まして、低年齢化しているとの指摘もありますから、小学校高学年でもODをしたことがあるという子どももいるかもしれません。
 精神科医療施設で薬物依存症の治療を受けた10代の患者さんのうち、市販薬の割合が、2016年は25%でしたけれども、24年には71.5%と3倍近くになっています。
 こういう状況を踏まえれば、むしろオーバードーズという言葉にも触れながら、医薬品の正しい使い方を伝えることで、子どもにも問題が伝わりやすくなるのではないでしようか。

オーバードーズという言葉を使わずに伝えると
悪いことなんだと自分を責めることにもならないか


 原のり子 授業事例の中で、薬物乱用って何だろうという事例があるんですけれども、薬物乱用を誘われたときの断り方を学ぶという項目があるんですが、ODに誘われたらどうするかといった方が分かりやすいのではないでしようか。オーバードーズという言葉を使わずに伝えると、やはり悪いことなんだと自分を責めることにもならないでしようか。

自分を責めて1人で抱え込まないようにするために
この教材ではどのような工夫をしているか

 原のり子 すでに授業をしている中では、オーバードーズをしている子どもたちもいるかもしれないわけです。その子どもたちが不安に感じたり、自分を責めて1人で抱え込まないようにすることが必要だと思います。この教材ではどのような工夫をしましたか。

 食品医療品安全担当部長 作成に当たっては、子どもたちに不安を抱かせる表現を用いないように工夫するとともに、何か変だな、いつもと違うと思ったら、大人に相談するという内容を随所に盛り込んでおります。
 1人で不安を抱え込まず、周囲の大人へ相談することの重要性を講師から話してもらうよう工夫しております。

 原のり子 表現に気をつけたということは本当にとても大事だと思います。
 しかし、子どもたちが知っている言葉をあえて使わないようにすることで、逆に不安に思うこともあり得るのではないでしようか。ぜひ今後検討していただくように要望しておきたいと思います。

新たに子ども自身が手に取れる資料をつくった
そのねらいは?


 原のり子 今回、この冊子とは別に、新たに子ども自身が手に取れる資料をつくったことは大事だと思っています。つくったねらいをうかがいます。

 食品医療品安全担当部長 子どもたちの理解促進を図るため、講師が使う事例集とともに、事例集のポイントについて、イラストや配色を工夫しながら、分かりやすくまとめた資料を作成いたしました。
 この資料は、授業後に児童が持ち帰り、学んだ内容を家庭等で話し合い、さらに理解を深めてもらうことも狙いとしております。

非常に分かりやすく書かれている
相談先を分かりやすく示すことが必要だと思うが


 原のり子 この資料は、医薬品の正しい使い方というテーマで書かれていて、非常に分かりやすく書かれていると思います。
 この資料はまだ作成されたばかりですので、本格的な活用はこれからなんだと思いますけれども、私は、この中に子どもが相談できる相談先を分かりやすく示すことが必要だと思いますけれども、いかがでしようか。

 食品医療品安全担当部長 都が作成しているさまざまな薬物乱用防止の啓発資材は、手に取った方が自ら連絡できるよう、啓発の内容や対象者などに応じて、相談機関の連絡先を記載しております。
 一方で、小学生などの子どもが不安を感じた場合は、まず家族や先生等の身近な大人に相談することが望ましいと考えております。
 また、相談機関を記載する場合であっても、専門の相談機関に直接連絡するのは難しいことも想定されるため、今回作成した子ども向けの資料には都の薬務課の連絡先を記載いたしました。都に相談があった場合には丁寧に受け止め、適切に対応することとしております。

薬務課の電話番号が書かれていることは大事
ここに相談してねと記述するなど、工夫を

 原のり子 身近な大人に相談することを勧めるということは大事だと思います。ただ、周りの大人にどうしても相談できないという場合もあります。そういう点で、このチラシに薬務課の電話番号が書かれていることは大事だと私も思いました。
 ただ、連絡先というふうにはなっていないので、相談してもよいのかどうか、子どもに分かるのかどうかが気になります。薬のことで困ったり、誰にも相談できないと思ったとき、ここに相談してねと記述するなど、工夫はできないでしょうか。

精神保健福祉センターやLINE相談も書く
連絡していいんですよということを表示する


 原のり子 また、ODで悩んでいる場合は、基本的には精神保健福祉センターや、あるいはLINE相談ということになるのだと思います。これは福祉局の方ですけれども。その連絡先も書く、そして、もしかすると、薬の相談だといえば相談ができるかもと、その相談のハードルが下がるかもしれないので、薬務課も連絡先を今回書いてくださったように連絡していいんですよということを表示すれば、解決の入り口にこの窓口が立てるかもしれないと思います。ぜひその点の工夫を求めておきたいと思います。
  また、あわせて、この授業事例集、また、子どもへの新しくつくられた資料、これについて活用しての感想などを把握していくことを求めておきたいと思います。

コンビニでの医薬品販売が容易になるなど規制緩和がすすむ
薬剤師の役割はどういうものか

 原のり子 次に、子ども、若者たちが薬局等で薬を購入することに関わり、うかがいます。薬機法の改正により、コンビニでの医薬品販売が容易になるなど、規制緩和が進みます。どのような内容か、薬剤師の役割はどういうものか、うかがいます。

 食品医療品安全担当部長 令和7年(2025年)5月に公布された改正薬機法により、新たに薬剤師等が遠隔管理下で一般用医薬品を販売する制度が創設されました。この制度は、薬局の薬剤師等による遠隔での管理の下、薬剤師等がいないコンビニ等において、医薬品を購入者へ受け渡すことを可能とする制度であり、オンライン服薬指導を行った上で販売するものでございます。

薬を置いている場所で薬剤師が相談にのるなど
少し立ち止まって考えられるような工夫をすべきではないか

 原のり子 規制緩和により、ODで使われることが多いとされている薬がコンビニにも置かれるようになっていくとすると、今でもドラッグストアなどを回れば、たくさん購入できてしまう、そういうことが起きているわけですけれども、コンビニにも置かれれば、さらにその状況が進むのではないかと思います。
 薬を置いている場所で薬剤師が相談にのったり、少し立ち止まって考えられるような工夫をすべきと考えますが、いかがですか。

 食品医療品安全担当部 長改正法は公布後2年以内に施行される予定であり、現在、国において詳細な制度設計が行われております。

規制緩和でオーバードーズが加速する危険
さまざま工夫をしていくことが必要だ


 原のり子 まだ詳細は決まっていない、これからということですね。
 すでに、ODがさらに加速してしまうのではないかと専門家の指摘もあり、対策が求められています。その対策の基本は、薬剤師の適切なアドバイス、相談を受ける、また、薬を売る場所での薬の服用の仕方や、ODで悩んでいるときの相談先などの紹介をプリントして置いておくなど、さまざま工夫をしていくことが必要だと思っています。ぜひ、こうした検討をしていくことを求めて、質問を終わります。

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駅前で都政報告
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by hara-noriko | 2026-02-23 10:52 | 都議会 | Comments(0)

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