2018年 03月 02日 ( 1 )   

2018年第1回定例会一般質問全文   

 3月2日、都議会本会議で一般質問に立ちました。都議会本会議で質問するのは初めてでした。まずは、質問全文を紹介します。答弁などについては、改めてお伝えします。


【多摩地域の周産期医療・小児医療について】

 2001年、東京都は、都立病院改革マスタープランを策定し、母子保健院を廃止、八王子・清瀬・梅ケ丘の三つの小児病院を廃止・統合するとしました。
 清瀬・東久留米地域でも、小児病院をなくさないで、との声と運動が、立場の違いをこえて大きく広がりました。5歳3歳1歳3人の子育て真っ最中だった私自身、救急などで子どもたちがお世話になり、いてもたってもいられない思いで、小児病院を守るとりくみに参加しました。難病や重篤な病気、重い障害を持った子どもたち、そして地域の子どもたちをささえようと、9年にわたる運動となりましたが、2010年に3小児病院は廃止されました。
 清瀬小児病院廃止後も地域の小児医療を後退させない、と東京都は約束し、多摩北部医療センターの小児科が主な受け皿とされました。
 しかし、小児総合医療センターや多摩北部医療センター、さらには地域の医師会、公立昭和病院などの努力があってもなお、大きな課題があります。

 質問1 この間、清瀬市、東村山市などでは、出産できる病院自体がなくなっています。清瀬小児病院があったときは、近くに小児病院があるので安心だと話す産院も少なからずありましたが、閉院しています。東京都の産科・産婦人科医師は、約1600人。そのうち、多摩地域はわずか約300人です。
 また、NICU(新生児集中治療室)は、出生1万人あたり30床が必要とされており、23区では基準は達成されていますが、多摩地域は22床あまりです。

 「東京都周産期医療体制整備計画」でも、「周産期医療資源が不足している」と書かれています。
 知事、これは明らかに23区と多摩の間の格差ではないでしょうか。東京のどこに住んでいても、安心して子どもを産み育てていくことができるように支えていくことが重要です。知事の認識をうかがいます。

 質問2 現在、NICUは、東京都全体で329床ありますが、増加するハイリスク分娩への対応のため、340床まで増やすとしたことは評価できます。その上で大事なことは、23区と多摩の格差にきちんと光をあてられるか、ということです。1分1秒を争う、命にかかわる問題です。多摩で出生1万人に対し30床以上という基準を達成できるようにすべきだと考えますが、いかがですか。

 質問3 そのために重要なのが、医療従事者の充実です。周産期医療などに従事する医師を東京都が雇用し、多摩・島しょの公立医療機関に派遣する「地域医療支援ドクター事業」について、積極的な採用・派遣に取り組むことを求めますがいかがですか。

 質問4 小児の整形外科も、清瀬小児病院廃止後、地域で課題となっています。
 清瀬小児病院には整形外科がありました。しかし、病院廃止後の受け皿となった多摩北部医療センターには小児の整形外科はなく、「地域の病院で診てもらえず、多摩北部医療センターに行ったが、結局、府中の小児総合医療センターに行かなければならなかった」「退院後の通院が遠くて大変」などの声を多く聞いています。
 5歳以下の子どもの骨折を診てくれる病院や医師が、圧倒的に不足しているのです。
 とりわけ多摩では深刻です。来年度からの東京都保健医療計画の案でも、小児整形外科の救急の対応について検討するとしています。地域に受け入れられる病院がないという問題についても検討し、対策をとるべきではありませんか。

 また、小児外科のある病院も求められています。

 質問5 多摩北部医療センターに、小児の整形外科を担う医師、あわせて小児外科医の配置を早急に求めますが、いかがですか。

【子どものリハビリテーションについて】

 質問1 次に、子どものリハビリテーションについてうかがいます。
 中学校の授業中、意識を失い倒れた中学生が、小児総合医療センターに搬送されました。脳梗塞でした。急性期のリハビリを2か月間受けたのち、都外の病院へ転院。それから半年以上、家族と離れてリハビリ治療を受けました。突然、昨日まではできた動きや会話ができなくなっていることに向き合いリハビリにとりくむこと、しかも家族と離れた状態で長期間過ごすことは、どんなにつらく寂しかったことでしょう。
 小児総合医療センターには、小児リハビリの専門医師も2名、専門のスタッフも配置されています。リハビリテーション科で各診療科からリハビリが必要な子どもを受け入れ、急性期のリハビリをおこなっています。そして、その後については一人ひとりに応じた対応がなされています。
 そのなかで、中高生世代の脳梗塞や脳の外傷などによる後天性脳損傷の子どもたちについては、神奈川県や千葉県など都外へ転院している実情があります。成人のリハビリは、「獲得されていた機能の回復」が目的ですが、子どもの場合は発達途上であることから、「機能の回復」だけではなく、「まだ獲得されていない機能の獲得」も目的となります。そして、成人とは違う回復スピードをみせるときもあるので、段階に応じたアプローチが必要になってきます。急性期からの経過をみながらの対応がきわめて重要です。
 さらに、片麻痺が多いので、リハビリは長期間になります。家族の助けが重要であり、精神的なケアが、本人にも家族にも非常に必要だと専門の医師は指摘しています。
 学校との連携も重要です。先日、視察した神奈川リハビリテーション病院の院内学級では、退院後に子どもへの支援を行う保護者や学校の先生のために、支援の仕方のポイントを分かりやすく書いたガイドブックを作成し、学校訪問も行い、連携を重視しています。病院と自宅、学校が近くにあることで本人と家族をよく支えることができるので、なるべく神奈川県内の子どもを受け入れているが、全国的に子どもの後天性の脳損傷に対応できる病院が少ないため、他県の子どもも受け入れている、とのことです。
 子どもの成長・回復の可能性を考えたとき、中高生世代の後天性脳損傷への対応を強化していくことが重要です。こうした中高生世代も含め、支援を必要とする患者に対し、それぞれの症状に応じたリハビリテーションが提供されるよう、取り組みを進めるべきと考えますが、見解をうかがいます。

 東京都においても、中高生世代の後天性脳損傷の特徴をふまえた対応は難しい現実があり、支援の検討のための実態調査を求めておきます。

 質問2 府中にある3つの都立病院などの今後についての考えを示した多摩メディカル・キャンパス基本構想でも、リハビリテーションや地域連携を重視しています。後天性脳損傷による中高生世代のリハビリに取り組むべきだと思います。
 多摩メディカル・キャンパスにおけるリハビリテーション医療は、どのようにすすめるのでしょうか。充実していくためには、リハビリテーション科の医師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士などの人員強化が必要です。対応を強く求めますが、いかがですか。


【農業振興について】

 質問1 次に、東京の農業・農地をまもり、農業振興をすすめるための施策についてうかがいます。
 私は、市議会議員のときに農業委員を務め、都市で農業を営むみなさんの「農地を切り売りするのはつらい」「先祖からの土地を守っていきたい」との思いに触れ、そのご苦労を知りました。相続税や固定資産税の負担、後継者難などにより、農業者の方々の努力があっても、この10年間で東京都では、農地全体でも、また生産緑地だけでも、1割以上減少しています。
 また、2022年に期限を迎える生産緑地は8割にもおよびます。高齢や後継者不足で営農を断念し、自治体も買取ができないとなれば、一気に宅地化する恐れがあります。都政モニターアンケートでは、86%の人が大都市に農業・農地が必要と回答し、みどり率の調査でも農用地を守ることが大事だと指摘されています。
東京都の農地の減少に歯止めをかけ、守ることは重要と考えますが、知事の認識をうかがいます。

 質問2 農業体験農園は、都市の農地を保全し、農業経営の安定にもつながり、市民が農業に触れることのできる大事な事業です。実際に、体験農園で学んだことを生かして、小学校の農業体験授業の講師、援農ボランティア、中には農業者になる事例が生まれています。現在、都内に107の体験農園があります。体験農園の先進自治体である練馬区では、17園あり、応募倍率は約2倍です。東久留米市農業委員会の市長宛の意見書では、そのトップに体験農園などのさらなる施策展開をあげています。
 都政モニターアンケートでは、農作業体験をしてみたいと6割近くが回答し、特に、20代は63%、30代は70%と若い人が高いのが特徴です。農業体験農園を東京都として、インターネットや広報などで、もっとPRすることが必要ではないでしょうか。いかがですか。

 質問3 都内どの地域でも、意欲ある農家が農業体験農園を実施できるように、管理運営費の助成や利用料補助などの実現を求めますがいかがでしょうか。

 質問4 最後に、東京農業振興プランは、「島しょ地域や中山間地域、都市周辺地域、都市地域など、さまざまな環境で農業が営まれており、それぞれの特色や地域資源を活かした農業振興を進める必要があります」と述べています。これは東京農業の大きな魅力です。このプランを着実に推進していくために、仮称、東京農業振興条例を策定する必要があると考えますが、いかがですか。答弁を求め、質問を終わります。

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(撮影:長島可純 SNS以外への無断転載はお控えください)


by hara-noriko | 2018-03-02 20:06 | 都議会 | Comments(0)