都議会厚生委員会質問(6)市販薬の過剰摂取などの依存症対策   

福祉局に質問
依存症対策 悩んでいる人に届く施策を


 昨年11月、都議会厚生委員会で質問しました。7日は保健医療局の、16日は福祉局の仕事の内容(事務事業)について。その内容を順に紹介しています。すでに保健医療局への質問5回分を掲載しました。福祉局に対しては(1)障害者医療費助成制度(2)依存症対策(3)摂食障害の治療支援―の3つの課題で質問しました。
 福祉局質問の1回目(厚生委員会質問の6回目)は、市販薬の過剰摂取などの依存症対策です。悩んでいる10代・20代の人に届く施策の必要性を訴えました。

【原のり子のコメント】

 誰にも相談できない、どこに相談したらよいかわからないまま、市販薬OD(オーバードーズ=過剰摂取)で悩んでいる子ども・若者に届く支援はどうあるべきか、質問しました。その前提になるのは、子ども・若者に対する見方です。心が弱い人たち、特別な人たち、という見方が世間にありますが、そういう自己責任的な見方を変える必要があると強く思います。今回の質問でまだまだ深め切れていないことは、引き続き取り組みたいと思います。また、多摩地域には依存症の相談をできる場所が少ないこと、精神保健福祉センターや保健所をふやす必要性についても触れました。今後さらに調査していく予定にしています。

『市販薬・処方薬の乱用・依存』
精神保健福祉センター発行のリーフはどう活用されていますか


 原のり子 依存症対策について、うかがいます。まず、先日、保健医療局の事務事業質疑で質問した市販薬OD(オーバードーズ=過剰摂取)について、うかがいます。
 昨年、精神保健福祉センターでは、『市販薬・処方薬の乱用・依存』というリーフレットを発行していますけれども、どのぐらい、どこで配布、活用されているのか、うかがいます。

 福祉局障害者医療担当部長 令和4年(2022年)3月、リーフレットを1万部発行いたしました。区市町村や学校関係者に送付するとともに、来所者等に配布して普及啓発をすすめております。

 原のり子 このリーフレットは、理解しやすいように工夫されていると同時に、大事だと思ったのは、回復できるということを打ち出しているという点だと思っています。ぜひ普及をしていっていただきたいというふうに思います。

リーフレットをさらに充実させて
広く普及することを求めたい


 原のり子 国立精神・神経医療研究センターの松本俊彦薬物依存研究部長らが行った全国の精神科医療施設における薬物関連精神医療実態調査によると、薬物依存の10代の65%が市販薬だということが明らかになっています。そうした状況から考え、10代、20代の若者の苦しさに着目してリーフレットをさらに充実をさせ、広く普及することを求めますが、いかがですか。

 障害者医療担当部長 10代や20代の若者に対して、今後も、保健医療局と連携しながら、普及啓発、相談等を実施してまいります。

いまを生きる若者に寄り添う工夫を
カギは、どうしたら信頼できる人と出会えるか


 原のり子 10代、20代の人たちにアプローチするには、いま出されているリーフレットをさらに充実させるのがいいのか、それとも別につくるのがいいのか、どのようにすれば届きやすいか、ぜひ検討していただきたいと思います。また、いまを生きる若者の苦しさに寄り添った発信をする場合、SNSを活用するなどの工夫も一層必要だというふうに思います。カギは、どうしたら安心して相談できるところへつながるか、信頼できる人と出会えるかだと思います。

市販薬過剰摂取 回復できることを伝え
相談できる連絡先を薬剤師さんから渡すことができないか


 原のり子 保健医療局の質疑のときに、薬剤師さんとの出会いで市販薬ODについて相談でき、手放すことができた20代の方のケースを話しました。そして、乱用のおそれのある薬の規制がすすめられているなか、悩んでいる10代、20代の人たちが薬局やドラッグストアに行ったときに、相談にのれるような対策が大事であること、そのために、人目を気にせず話ができるような環境づくりも必要ではないか、と指摘をしました。
 ぜひ、市販薬ODについて正しい理解を広げ、回復はできるということを伝え、そして、安心して相談できる連絡先をチラシなどにして薬剤師さんから渡すなどの取り組みを局連携で取り組んでいただきたいと思いますが、いかがですか。

 障害者医療担当部長 市販薬・処方薬の乱用・依存について、引き続き保健医療局と連携し、保健所や保健センター等、相談先の周知等、取り組みをすすめてまいります。

 原のり子 ぜひすすめていっていただきたいというふうに思います。

依存症の種類・定義は
アルコール、薬物、ギャンブルなどやめたくてもやめられない状態


 原のり子 次に、依存症対策全般と精神保健福祉センターに関わる問題について、うかがいます。まず、依存症の種類および定義について、うかがいます。

 障害者医療担当部長 厚生労働省の資料によりますと、特定の物質や行為、過程に対して、やめたくてもやめられない、ほどほどにできない状態を依存症とされております。代表的なものに、アルコール、薬物、ギャンブル等がございます。

いくつもの依存症をかかえている人もいる
依存症が悪化していくケースも指摘されている


 原のり子 特定の物質や行為、過程といわれたように、依存症の幅は非常に広く、1つだけではなくいくつも抱えている人も多いです。依存するものが変わりながら、何とか生きているという方も多いです。
 先ほど触れた松本俊彦医師は、依存症の人は上手に依存できない人だと指摘をされています。人は誰でも誰かに頼ったりしながら生きているものです。でも、それが上手にできないということです。学校でいじめにあっていても、親を悲しませてはいけないと考えて、休まず、薬を飲んででも登校する。親からは期待が強く、そのことを裏切れないから、家でも本当の自分を出せず、甘えられないなどの状況のなかで、依存症が悪化していくケースなども指摘されています。

強く生きることを求めるメッセージではなく
本人や家族が安心して相談できる環境を整えていく


 原のり子 競争社会、格差社会のなかで、いまを生きる子どもたちの困難さは厳しさを増しているともいえると思います。依存せずに強く生きていくことを求めるようなメッセージではなくて、本人、また、家族が安心して相談できる環境を整えていくということがとても重要だと思います。

重要な役割を果たす精神保健福祉センター
相談件数の推移、特徴、誰からの相談ですか

 原のり子 そのためにも、重要な役割を果たす精神保健福祉センターの充実について質問をしていきたいと思います。
 まず、センターがどのような役割を果たしているかについて確認をしたいと思います。都の精神保健福祉センター3カ所それぞれでの依存症についての相談件数、その推移、特徴をうかがいます。また、誰からの相談なのか、内訳をうかがいます。

 障害者医療担当部長 都は、都内3カ所の精神保健福祉センターで、電話や面接等により依存症の相談を受けており、令和4年度(2022年度)の相談実績は、中部総合精神保健福祉センターで2160件、多摩総合精神保健福祉センターで992件、精神保健福祉センターで1235件でございます。
 相談件数の合計は4000件から5000件で推移しておりまして、依存症の種類別では、アルコールは横ばい、薬物関連は減少傾向にある一方で、ギャンブル等は増加傾向にございます。
 相談は本人や家族からのものが多く、このほか、保健所や福祉関係者からの相談も多いです。

 原のり子 ありがとうございます。状況が分かりました。

依存症回復支援、再発予防のプログラム、依存症家族教室
利用人数の推移はどうなっていますか

 原のり子 精神保健福祉センターでは、相談だけではなく本人や家族を直接支援していますけれども、その主な事業についてもうかがいたいと思います。まず、依存症回復支援、再発予防のプログラム、依存症家族教室の利用人数の推移はどうなっていますか。

 障害者医療担当部長 都内3カ所の精神保健福祉センターにおける依存症再発予防プログラムの延べ参加者数は、令和4年度(2022年度)、1008人でございます。依存症家族教室の延べ参加者数は、令和四年度、1099でございます。いずれも令和2年度(2020年度)以降、増加傾向にございます。

 原のり子 増加傾向だということです。

思春期、青年期本人グループ、家族教室
ひきこもり支援の利用人数の推移と特徴は


 原のり子 また、センターでは、依存症に関すること以外にも大事な活動をしています。その1つとして、ひきこもり支援として実施をされている思春期、青年期本人グループ、家族教室の利用人数、その推移、特徴をうかがいます。

 障害者医療担当部長 都内の精神保健福祉センターにおける、思春期、青年期本人グループの参加人数は、令和4年度(2022年度)、のべ239人でございます。家族教室の参加人数は、令和4年度、238人でございます。参加人数は、いずれも200人から300人台で推移しております。

デイケア利用者数
多い市町村の上位3カ所、利用者数は


 原のり子 センターでは、ほかにもデイケアや、また、公開講座など、大事な活動を行っています。市町村や保健所への支援なども行っています。そのなかで、本人や家族が通う必要があるものについては、アクセスのしやすさが重要になってくると思います。そのことに関してうかがいますが、デイケアの利用者数が多い市町村の上位3カ所、それぞれの利用者数をうかがいます。

 障害者医療担当部長 デイケアの利用者数が多い市町村は、令和4年度(2022年度)の実績で、多い順に、八王子市、多摩市が各13人、町田市、11人でございます。

多摩総合精神保健福祉センターの支所
西多摩地域につくってほしい

 原のり子 いま、ご答弁にありましたこの3市で、多摩のセンター(多摩総合精神保健福祉センター=東京都多摩市)のデイケア利用者数の6割近くになります。やはり実施しているセンターのそばの人たちが多く利用しているということだと思います。多摩地域の場合は地域が広く、しかも保健所も少ないです。センターに気軽に通える距離ではない地域も多くあります。多摩総合精神保健福祉センターの支所を西多摩地域につくることを、共産党都議団としてはこれまでも提案してきました。検討を求めますが、いかがですか。

 障害者医療担当部長 精神保健福祉センターは、精神保健福祉法等の規定に基づき、都道府県及び政令指定都市が設置をしております。都を除く道府県及び政令指定都市では、すべて1カ所設置しているなか、都では、区部の2カ所と、多摩地域には多摩総合精神保健福祉センターを設置しております。
 今後とも、保健所及び市町村とも連携をしながら、精神保健福祉に係る業務を行ってまいります。

体制強化は真剣に検討すべきです
オンラインで参加できるなどの工夫はできませんか

 原のり子 区部に2カ所、多摩に1カ所ということですけれども、やっぱり、この多摩の広さを考えれば、本当にセンターに行って相談したくても、また、デイケアなどを利用したくても、距離がその行動しようと思う場合の障害になっているんじゃないかと思うんですね。センターの支所の設置、また、保健所の増設や体制強化は、やはり真剣に検討すべきではないかというふうに考えます。
 その検討をすすめつつ、いま、現時点でもできる改善をすすめていただきたいと思っています。
 センターがやってくださっている事業の内容によっては、可能なものはオンラインで参加できるようにするなどの工夫はできないでしようか。

 障害者医療担当部長 相談等を対面で行うことにより、本人または家族の状況等をより正確に把握し、実態を踏まえた相談等を行うことができることから、対面実施を基本としております。なお、依存症支援者研修や依存症対策普及啓発フォーラムについては、オンラインで実施しております。

講師の講演をオンラインで見られるようにする
検討していただけないか


 原のり子 オンラインで実施をしている部分もあるわけですよね。公開講座なども行われていて、参加したくても現地までは行けないという声もあります。申込制になっているんですよね。それで、やっぱり現地まで行かなくても、例えば講師の講演をオンラインで見られるようにするなどの工夫はできないのかなというふうに思うんですが、検討していただけないでしようか。いかがでしようか。

 障害者医療担当部長 相談等を対面で行うことにより、本人または家族の状況等をより正確に把握し、実態を踏まえた相談等を行うことができることから、そのため対面実施を基本としております。なお、依存症支援者研修や依存症対策普及啓発フォーラムについては、オンラインで実施しております。

 原のり子 ちょっと同じ繰り返しだったんですけれども、ぜひ検討してくださいとお願いをしておきたいと思います。本当にいい内容の講座もあって、これが本当にそこまでは行けないけれども、オンラインで見ることができたらという声が寄せられていますので、ぜひお願いします。

LINE相談の実施も必要ではないか
啓発資料の充実も検討すべきです


 原のり子 そして、同時に、10代、20代の人たちが相談しやすくするためにはLINE(ライン)相談なども実施するというような検討も必要になってきているのではないかというふうに思います。
 依存症の正しい理解を広げることが、早く治療につながる助けになります。そうした啓発資料の充実についても検討すべきと思いますが、いかがですか。

 障害者医療担当部長 これまでも、依存症に関するリーフレットを作成、適宜更新するとともに、「こころの健康だより」においても依存症の特集記事を掲載してまいりました。また、都ホームページにおいても最新の情報を掲載するなど、普及啓発に努めております。

10代、20代の悩んでいる人たちに届くもの
これがやっぱり必要です


 原のり子 依存症のリーフレットも、とても分かりやすいものだというふうに思っています。ただ、依存症の背景にある、生きていく上での苦しさを抱える方に働きかけるという点では、改善の余地もあるのかなというふうに思います。
 とくに、10代、20代の悩んでいる人たちに届くもの、これがやっぱり必要だなと、この点でも思っています。それを別につくる必要があるのか、また、検討が必要なのではないかと思います。また、先ほどもLINE相談のことをいいましたけれども、やっぱり10代、20代の人たちが相談の一歩を踏み出せるような、いろんな形でのアプローチを考えていくことが必要だということを指摘しておきたいと思います。

【昨年11月の厚生員会質問】

(1)保健所の体制強化
(2)保健所での障害者健診 充実・継続を
(3)多摩北部医療センターの充実急いで
(4)感染症対策の強化を
(5)市販薬の過剰摂取 悩んでいる人に寄り添った支援を

フキノトウ
都議会厚生委員会質問(6)市販薬の過剰摂取などの依存症対策_b0190576_23090490.jpg
都議会厚生委員会質問(6)市販薬の過剰摂取などの依存症対策_b0190576_23090851.jpg



# by hara-noriko | 2024-02-26 23:11 | 都議会 | Comments(0)

都議会厚生委員会質問(5)市販薬の過剰摂取 悩んでいる人に寄り添った支援を   

保健医療局に質問
市販薬の過剰摂取 安心して相談できる環境整備求める

 都議会常任委員会の所属が変わり、総務委員会から厚生委員会になりました。厚生委員会は、福祉局と保健医療局を所管します。昨年11月、2つの局の仕事の内容をめぐって事務事業質疑がおこなわれました。7日に保健医療局、16日に福祉局に対して質問しました。その内容を順に紹介しています。
 保健医療局に対しては(1)保健所の体制強化と保健所での障害者健診(2)多摩北部医療センターと都立病院機構の問題(3)感染症対策(4)薬務行政=市販薬の過剰摂取(オーバードーズ)について―の4つの課題で質問しました。
連載の5回目は、市販薬の過剰摂取を取り上げ、悩んでいる人に寄り添った支援、安心して相談できる環境の整備を求めた内容です。

【原のり子のコメント】


 依存症の問題は福祉局なのですが、薬物依存にかかわることは保健医療局が所管になります。そのため、市販薬の過剰摂取(オーバードーズ)については、保健医療局で質問しました。脅しではなく、一人ひとりの辛さに寄り添った支援、回復できるというメッセージの大事さを議論しました。
 調査をするなかで、薬剤師さんの大事さを学びました。これまで、安心して相談できる場所の重要性や医師の大事さは実感してきましたが、薬の専門家である薬剤師さんがODに悩む人の優れた相談相手になっている事例を知り、ハッとしました。正しい知識も教えてくれ、安心して相談できることの大事さを学びました。
 引き続き取り組んでい                                                                                                               きたいと思っています。

市販薬の過剰摂取
内容と背景、人数や推移をどう認識しているか

 原のり子 薬務行政について、うかがいます。
 まず、市販薬オーバードーズ、過剰摂取の問題です。
 市販薬OD(オーバードーズ=過剰摂取)について、都では、その内容と背景、人数や推移をどのように認識していますか。

 保健医療局食品医薬品安全担当部長 国の全国の精神科医療施設における薬物関連精神疾患の実態調査によりますと、10代、20代の若い世代を中心に市販薬のオーバードーズが広がっております。市販薬の購入や所持等は違法ではないため、市販薬をオーバードーズしている人数の把握は困難でございます。
 オーバードーズで主に使用される市販薬は誰でも購入できることが、市販薬オーバードーズ増加の一因として考えられますが、国の告示で、乱用等のおそれのある医薬品として指定され、薬局やドラッグストアでの販売ルールが定められているところでございます。

都としての対策、注意喚起
悩んでいる人たちへの働きかけは?


 原のり子 都としての対策、注意喚起、また、悩んでいる人たちに対する働きかけはどのように行っていますか。

 食品医薬品安全担当部長 国は本年四月、乱用等のおそれのある医薬品の範囲を拡大いたしました。
 薬局等が乱用等のおそれのある医薬品を販売するに当たっては、原則、1人1包装とするなど販売方法が厳格化されており、都は、特別区や保健所設置市と連携し、販売方法について重点的に監視指導を実施しております。
 悩んでいる人たちに対する働きかけにつきましては、市販薬のオーバードーズによる危険性をホームページやSNS(ソーシャルネットワーキングサービス=インターネットを使ったコミュニティサイト)等で広く都民に周知し、併せて公的な相談機関を案内しております。

市販薬の過剰摂取
悩んでいる人に寄り添ったパンフレットが必要だ


 原のり子 いまご答弁にあったように、薬局での販売方法について、乱用等のおそれのある医薬品について制限をするなど、今年度から始まっているわけです。この効果がどうかというのは今後になると思いますけれども、根本的に大事になってくるのは、市販薬OD(オーバードーズ=過剰摂取)をするに至っている一人ひとりの背景、苦しさをどう見るかだと思います。
 市販薬ODについて悩んでいる人に寄り添ったパンフレットをつくり、啓発していくということが必要ではないかと思いますが、見解をうかがいます。

 食品医薬品安全担当部長 啓発につきましては、リーフレットを作成し、不安や悩みを匿名で相談できる専門機関を案内するとともに、早期の相談をすすめております。

都のリーフ 市販薬と違法薬物を並べて書いている
市販薬はリーフを別にして、正しい理解を広げるべきだ


 原のり子 薬務課でつくっている『今こそストップ!薬物乱用』というリーフレットもあるんですけれども、このリーフレットは、違法薬物を所持するだけでも犯罪になるものについてが中心です。ここに市販薬の問題も出てくるんですけれども、10代の薬物依存症になる多くは、違法薬物ではなく市販薬を使っているということが分かっています。ですから、ここに市販薬について並べて書くのは違和感があると私は感じています。市販薬については、リーフレットを別にして、正しい理解を広げ、啓発していくということも考えられるのではないかというふうに思います。

局の連携で大事なメッセージ発信を
回復も可能だということが伝わることが大事


 原のり子 市販薬ODについては、薬務課のホームページでも丁寧なホームページが書かれています。これをベースにしたり、あるいは都立の精神保健福祉センターで出されている『市販薬・処方薬の乱用・依存』というリーフレットを薬務課でも共有したらどうかなというふうにも思います。
 このリーフレットでは、正しい知識を伝えながら、依存からの回復は可能だということを述べているんです。実際に、市販薬ODから回復した方々ももちろんたくさんいらっしゃるんです。誰でも市販薬ODになる場合もあるし、同時に、回復も可能だということがメッセージとして伝わっていくというのがとても大事だというふうに思いますので、ぜひ、こういう問題こそ、局の連携で対応していただきたいというふうに思います。

回復のビジョンが見えるようなリーフこそ
安心して相談しようと思えるような内容に


 原のり子 また、ちょっと要望したいのは、リーフレットは、繰り返し改善もされながら発行されていると認識していますけれども、また次、いろいろ改訂をするときには、この違法薬物の問題についても、これを違法薬物の問題というだけではないんですが、このリーフレット見た方々からご意見を聞くと、1回手を出したら人生が終わるというように感じてしまい、回復のビジョンが見えないという、そういう声もあります。そういう声も聞きながら、相談先は確かに書いてあるんですけれども、リーフレットを見れば安心して相談しようと思えるような、ぜひ改訂も進めていただきたいというふうに思います。こういうリーフレットは大事だというふうに思いますので、お願いします。

薬局でのプライバシー保護
どのような指導が行われているか


 原のり子 次に、薬局でのプライバシー保護について、最後にうかがいたいと思います。
 処方箋による薬を受け取る際に、症状や薬の内容を確認されるんですけれども、周りの人に聞こえてしまうということを気に病んでいる方が実は非常に多いと感じています。プライバシーへの配慮については、薬局にどのような指導が行われていますか。

 食品医薬品安全担当部長 国は、薬局業務運営ガイドライン等に基づき、患者のプライバシーに配慮した薬局業務を行うことを求めています。
 都は、特別区、保健所設置市とともに、都内の薬局への立入調査の際には、必要に応じて、患者のプライバシーに配慮して薬局業務を行うよう指導を行っております。

パーテーションや別室の確保
薬局に対して都の支援はあるのか


 原のり子 このプライバシーを保護するために、パーテーションや別室の確保などの工夫をする場合、東京都からの何か支援のようなものはありますか。

 食品医薬品安全担当部長 現在、都からの支援はございません。

信頼できる薬剤師さんに会えたことが
市販薬の過剰摂取を手放すきっかけになった


 原のり子 先ほどの市販薬ODの話もそうですし、また、処方薬のODもあるんです。こういう問題で薬剤師さんの役割というのは非常に重要だと思っています。薬の飲み合わせなどをよく聞き取りをしながら助言をする専門家ですので、非常に役割は大きい、と。
 お話をうかがったなかで、市販薬ODをしていた若い女性が話してくれたんですけれども、信頼できる薬剤師さんと出会って相談できるようになったことで、ODを手放すきっかけになった、といっているんです。通院していた病院の処方箋の薬を出してもらいながら、実は市販薬ODなんだと、悩んでいるという、そういうSOSを出せたといっていました。もしこの薬剤師さんが、市販薬ODをしていることを頭から非難したり、「だめ」「絶対やめて」ってすぐにいってしまっていたら、手放すことにはならなかったかもしれないということですけれども、非常に薬剤師さんの役割は重要だというふうに思いました。

安心して話せる環境を整備することが欠かせない
そうでなければ、背景にあるつらさのケアはすすまない


 原のり子 同時に、「話をするときに周りに聞こえないかということがとても不安だった」ということもいっているんです。薬剤師さんの力量はもちろんいちばん大事なんですけれども、安心して話せる環境を整備していくことは欠かせないと思いました。とくに、市販薬の販売の制限などをしていくということになっているなかで、困ったことがあったら相談できるということを大事にしていかないと、周囲の目は厳しくなる一方で、背景にあるつらさのケアはすすまないという、そういう対応になってしまうかもしれません。その環境整備をすることに対する支援を検討することも私は必要ではないかと考えます。そのことを指摘して、質問を終わります。

【昨年11月の厚生員会質問】

(1)保健所の体制強化
(2)保健所での障害者健診 充実・継続を
(3)多摩北部医療センターの充実急いで
(4)感染症対策の強化を

梅の蜜を吸うメジロ
都議会厚生委員会質問(5)市販薬の過剰摂取 悩んでいる人に寄り添った支援を_b0190576_23162252.jpg
都議会厚生委員会質問(5)市販薬の過剰摂取 悩んでいる人に寄り添った支援を_b0190576_23162617.jpg






# by hara-noriko | 2024-02-25 23:16 | 都議会 | Comments(0)

都政報告のビラができました   

 都政報告「こんにちは原のり子です」2024年春号ができました。いま、清瀬・東久留米地域で配布しています。内容を紹介します。

<1面>障害者の雇用 生き方を保障する働き方こそ

 地域連携のなかで、障害者の超短時間雇用をすすめている東久留米市でのとりくみについてです。自治体や企業には、障害者雇用の法定雇用率が定められています。過去には、雇用率を達成するために、「水増し」していた自治体の事例もありました。また、現在も、障害者の働きがいを大事にしない雇用をしている企業の事例も聞くことがあります。私が質問でとりあげたAさんは、法定雇用率には1時間足りません。でも、無理に時間をのばすのではなく、Aさんの働きがいや生き方を尊重して、「超短時間の雇用」としているのです。その大事さを質問では伝えたいと思いました。
 さっそく、「Aさんのこと、生活訓練事業所のことをとりあげてくれてありがとう!」とメールをいただき、とてもうれしかったです。

<2面>子ども・若者の依存症対策

 昨年10月から厚生委員になり、初めておこなった質問のひとつが、子ども・若者の依存症対策です。生きづらい社会のなかで傷つき、苦しんでいることに寄り添い、相談できる環境をどうつくっていくか質問しました。自己責任論に立った見方や、脅しのようなメッセージを変えていきたいと強く思います。引き続きとりくんでいこうと思っています。

<3面>学校プールをなくさないで

 一般質問でとりくんだ学校プールの廃止と水泳指導の在り方についてです。清瀬市ではすでに水泳指導は、民間のスポーツクラブで実施という方向で進められています。しかし、学校での水泳指導の目的は何か、ということにたって考えていくことが必要です。学校プールを改築するときの都補助がないことも明らかになりました。財政力の弱い自治体では、なかなか改築にふみきれないという課題があることもわかりました。引き続き、質問を予定しています。

<3面>ケア労働者の処遇改善

 ケア労働者の処遇改善で、ようやく都が一歩前進の提案をしていることにも触れました。しかし、児童養護の職員などは対象になっていません。改善と充実を求めていきます。

<4面>都市農業振興へ

 東京ビーフを生産する畜産農家、東久留米市の榎本牧場を視察し、そのときの写真もこころよく使わせていただきました。ありがとうございます。知事は、「みんな大好き、多摩・島しょ」といいます。それなら、多摩地域の宝である都市農業にもっと力をいれて支援してほしい。知事はいっさい答弁しませんでした。姿勢が問われます。

 ぜひ、感想をお聞かせください。

都政報告懇談会で
正面左は、かもしだ芳美・東久留米市議
正面右は、北村りゅうた・東久留米市議

都政報告のビラができました_b0190576_16050286.jpg
都政報告のビラができました_b0190576_16052825.jpg

都政報告のビラができました_b0190576_16144680.jpg
都政報告のビラができました_b0190576_16144559.jpg
都政報告のビラができました_b0190576_16144626.jpg
都政報告のビラができました_b0190576_16144547.jpg

「こんにちは原のり子です」2024年春号
PDFファイルをこちらからご覧いただけます








# by hara-noriko | 2024-02-19 16:09 | 東京都政 | Comments(0)

都議会厚生委員会で請願・陳情審査   

定例会の議案説明を聞き資料要求を行う
請願・陳情は不採択に 共産党、採択求め質疑

 2月14日、都議会厚生委員会が開かれました。2月20日からはじまる、第1回定例会の議案説明があり、資料要求を行いました。そして、都民のみなさんから提出された請願・陳情の審査をおこないました。大事な内容ばかりでしたが、残念ながらすべて不採択でした。また、質疑は共産党のみ…。直接、傍聴にきてくださったみなさん、ありがとうございました。来年度予算案にかかわる内容も多く含まれていました。この請願・陳情審査を生かし、第1回定例会の議論をすすめていきます。質疑は録画でご覧いただけます。

【請願5第49号 乳幼児の権利を保障する保育の実現に関する請願】
 
 4万6958人もの署名を添えて提出されていました。都独自の職員配置基準を設け、職員の賃金引上げのための補助金増額などを求める内容。また、保育の質をまもるためのガイドラインや保育施設に対する実地検査の拡充を求めています。
 結果:不採択 共産党のみの賛成
 意見:上田議員

【請願5第52号 国民健康保険料(税)の引き下げとだれもが安心できる国民健康保険制度の実現に関する請願】
 
 1万9696人もの署名が添えられています。高すぎる国保料(税)引き下げのため、国に公費投入の増額を求めるとともに、都としても軽減策を講じてほしい、均等割軽減のために都としても対策を、など、国保制度の改善を求めるもの。
 結果:不採択 共産党のみの賛成
 質疑:里吉ゆみ議員(1:45:30~2:04:35)

【請願5第54号 安全・安心の医療・介護・福祉の実現のため人員増と処遇改善を求めることに関する請願】

 ケア労働者の処遇改善、夜勤交代制労働の労働環境の改善、一人夜勤体制をなくし複数夜勤に、新たな感染症や災害に備え公的病院の充実や保健所の増設、患者・利用者の負担軽減などを求める意見書を国に提出することを求めるもの。
 結果:不採択 共産党のみ賛成
 質疑:原のり子(2:15:00~2:28:21)

【陳情5第58号 予防接種健康被害救済制度等の周知に関する陳情】

 予防接種健康被害救済制度のわかりやすい周知、受診証明書の記入方法の周知、ワクチン副反応で後遺症を抱えた人への医療機関の案内、コロナワクチンに関する救済制度への申請や副反応の状況についての情報公開など、総じて、よりわかりやすい周知と情報公開を求めているもの。
 結果:不採択 共産党と立憲が趣旨採択を主張
 質疑:原のり子(2:33:15~2:47:57
 意見:上田議員

請願・陳情について質疑する原のり子
都議会厚生委員会で請願・陳情審査_b0190576_19274654.jpg
質疑する里吉ゆみ議員
都議会厚生委員会で請願・陳情審査_b0190576_19275190.jpg






# by hara-noriko | 2024-02-16 19:34 | 都議会 | Comments(0)

都議会第1回定例会が始まります   

 東京都議会第1回定例会が2月20日(火)から始まります。3月28日(木)までの予定です。主な日程(予定)などを紹介します。

【日程(予定)】

<2月>
 14日(水) 厚生委員会…事前説明
              請願・陳情審査
              (保育、介護、医療など)
 20日(火) 開会・本会議…議案上程、知事施政方針演説
 27日(火) 本会議…代表質問
 28日(水) 本会議…一般質問
 29日(木) 本会議…一般質問
<3月>
  1日(金) 厚生委員会…補正予算
  6日(水) 本会議…中途議決
 12日(火) 予算特別委員会…代表総括質疑
 13日(水) 予算特別委員会…一般総括質疑
 14日(木) 予算特別委員会…一般総括質疑
 15日(金) 厚生委員会…質疑
 18日(月) 厚生委員会…質疑
 21日(木) 厚生委員会…決定
 25日(月) 予算特別委員会…締め括り総括質疑
 26日(火) 予算特別委員会…討論・採決
 28日(木) 最終本会議…討論・採決

【傍聴のご案内】

 ★議会は、午後1時から。傍聴券は12時より都議会議事堂2階で配布されます。
 ★保育、ヒアリングループなど傍聴にかかわることは、議会局にお問い合わせください。
 電話   03(5320)7111
 ファクス 03(5388)1776
 ★議事堂2階の大型ビジョンでの中継は、手話通訳があります。
 ★すべてネット中継があります。後日録画も放映します。ぜひご視聴ください。

【来年度予算案の特徴】

 給食費の負担軽減、授業料無償化、介護・障害福祉職員への支援。運動と論戦で切り開く。しかし課題も…。
 ▼給食費負担軽減…都立学校は全額都が支援。区市町村立小中学校については、保護者負担軽減を実施する区市町村に、都が2分の1の財政支援。⇒多摩格差はどうする!?
 ▼都立大、高校授業料無償化。⇒内生に限られる。外国人学校への補助から朝鮮学校は除外したまま、是正せず。
 ▼介護・障害福祉職員への支援…勤続5年目までの人は月2万円、6年目以上の人は月1万円。⇒児童養護、保育士などは対象にならず。
 ▼保健所の増設をしない方針を発表。
 ▼障害者福祉手当・医療費助成の拡充はうちださず。
 ▼ほとんどのコロナ・感染症対策予算は3月末で終了
 ▼大型道路建設などには1200億円
 ▼「稼ぐ東京」を打ち出し、「稼げる」都民は応援するが、一人ひとりを大事にする姿勢に欠ける小池都政。その姿が色濃くあらわれています。都民のための予算になるよう、対案を示してとりくみます。

【私の活動日誌 2024年1月】

 
 3日 清瀬市議団新春宣伝
  5日 東久留米市議団新春宣伝
  6日 東久留米市・手をつなぐ親の会新年を祝う会
  7日 東久留米市・消防出初式
     清瀬市・二十歳のつどい
  8日 東久留米市・二十歳のつどい
  9日 清瀬市・商工会新年会
 10日 都議団会議
 11日 都民要望ヒアリング
 12日 私学10支部新年会
     東久留米市・青年会議所賀詞交歓会
 13日 清瀬市・出初式
     清瀬市・共産党後援会
 14日 東久留米市・シニア4団体互礼会 
     清瀬市・地域新年会
 16日 三宅島視察
 17日 東久留米市・商工会新年会
 18日 障害者医療費助成懇談
 19日 多摩精神保健福祉センター視察
     東久留米市・消防協働団体新年会
 20日 清瀬市・補聴器補助実現学習会
 21日 わかば会成人式
 22日 都議団会議
 23日 都議団会議
 24日 情報コミュ条例勉強会
     都議団会議
 25日 三宅島特養についての申し入れ
     予算大綱ヒアリング
     清瀬市・青年会議所賀詞交歓会
 26日 予算案ヒアリング
     障害福祉のつどい
 27日 長生会新年会
     共産党新春街頭演説
     東久留米市・歯科医師会新年会
 28日 清瀬市・共産党新春のつどい
     東久留米市・地域新年会
     民商新春のつどい
 30日 調布学園視察
     清瀬市・清富士会新年会
 31日 都議団会議

駅前で能登半島地震災害救援募金を呼びかけ
マイクで訴えているのは北村りゅうた・東久留米市議
都議会第1回定例会が始まります_b0190576_14292380.jpg




# by hara-noriko | 2024-02-07 14:30 | 都議会 | Comments(0)