3つのテーマで文書質問 2022年第1回定例会   

 2022年第1回定例会において、3つのテーマで文書質問を提出しました。答弁が出されるのはまだ先になりますが、質問内容を紹介します。

保育行政について
子どもが育つ環境を整備する重要性

 1つめは、保育行政について。都議会予算特別委員会で公立保育園の意義と役割について質問しましたが、時間の関係で質問できなかった、子どもが育つ環境を整備する重要性について都がどう考え、また実態をどう把握しているのかを聞いています。

都立病院での保育士の役割について
高い専門性を発揮し続けていけるように


 2つめは、都立病院での保育士の役割について。闘病する子どもたちを医療スタッフと協力しながら支える保育士さんの存在を多くの人に知っていただきたい。その高い専門性を都がきちんと評価し、今後も役割を発揮し続けていけるようにしっかり支えてほしい。配置されていない病院でもニーズがあれば配置してほしい。…そういう思いで質問しました。

こども基本条例にもとづく新しい都の補助について
区市町村で効果的に活用してほしい

 3つめは、こども基本条例にもとづく新しい都の補助について。子ども議会など、子どもの意見表明権を保障する取り組みについて、都が区市町村に10分の10で補助を行うことになりました。市議のときから、子ども議会の実施をはじめ、子どもの権利条約にもとづく取り組みの推進、子どもの権利条例の制定などを求めてきましたが、ようやく、東京都として区市町村を応援する一歩が踏み出されることになりました。これを区市町村で効果的に活用してほしいと思い、基本的なことを確認する質問をしました。

【2022年第1回定例会 文書質問】

≪1.保育行政について≫

公立保育園の廃止
地域にとって大きな損失


 予算特別委員会において、公立保育園の役割と存在意義について質疑を行いました。その中で、公設公営園は保育士の離職率が低いこと、また、都内の公設公営保育園保育士の勤続年数については、共産党都議団で実施した調査の結果、平均約19年だということがわかりました。各地で公立保育園の廃止や民営化が進められていますが、経験のある職員がそろっていて、重要な役割を果たしている公立保育園をなくしてしまうのは、地域にとって大きな損失であることを指摘しました。

園庭のない保育園がふえている
都はハード面の整備を把握しているか


 実は、ハードの面でも、公立保育園の存在が大きいのです。園庭のない保育園がふえていて、近くの公園が満杯状態になるという現象が各地域でおきています。そうしたなか、園庭がある公立保育園に、園庭のない保育園の子どもたちが遊びに行く、運動会のときに借りる、という状況が広がっています。夏には、「もらいプール」といって、プールのある公立保育園に遠くから歩いて子どもたちが来るという状況もあります。東京都として、どの子どもも健康に発達できるように、保育園のハード面の整備がされているか把握しているでしょうか。

 (1)都内の認可保育園の園庭・園児が集まれる室内のホール・もぐったり泳いだりできるプールについて、保育園での設置状況をうかがいます。

 (2)保育所保育指針では、子どもたちの育つ環境整備について、どのように位置付けていますか。

 (3)保育の実施は区市町村の責任ですが、児童福祉法では、都道府県が市町村に対する必要な助言及び適切な援助を行うなど、都道府県の役割も位置付けています。都内のどこに住んでいても、子どもたちが適切な環境のなかで育つよう、東京都としても保育園の環境整備について把握すべきだと考えます。見解をうかがいます。

≪2.都立病院での保育士の役割について≫

高い専門性で子どもたちの成長を支えている
その役割は、ますます重要に


 都立小児総合医療センターには、保育士が配置され、医師や看護師などと連携しながら、闘病する子どもたちを支えるかけがえのない役割を果たしています。保育士の方にお話しをうかがいました。「身動きできない状態であっても、子どもには遊びが必要」「思春期の子が過ごせる場をつくることは大事」「その子の人生をその子らしく生きられるように、医療スタッフ、家族と相談しながら最後までサポートする」「ある子はどうしてもやりたいこととして、『運動会』と話した。体調を整えながら、病院内の特別支援学校分教室で、そこの先生たちにも協力してもらって実現した」など、その実践は高い専門性に裏付けられ、子どもたちの成長を支えるもので、胸を揺さぶられました。これからも、ますますその役割は重要です。そこでうかがいます。

 (1)現在、都立病院に配置されている保育士は何人ですか。病院別、正規・非正規別に教えてください。

 (2)東京都としては、病院の保育士の役割についてどのようにとらえていますか。

 (3)保育士の研修はどのような内容で、どのぐらいの頻度で実施していますか。

 (4)今後、保育士の配置をふやしていく考えはありますか。また、公社病院に配置していく考えはありますか。

≪3.東京都こども基本条例に関する理解促進事業について≫

子どもを権利の主体として
「理解促進事業」の目的と概要は

 2021年4月に施行した東京都こども基本条例は、子どもを権利の主体として尊重し、意見を表明でき、その意見が施策に適切に反映されるよう環境整備を図るものになっています。これにもとづき、来年度予算案では、「理解促進事業」を行うこととしています。

 (1)この事業の目的と概要はどういうことですか。

 (2)このなかの、区市町村支援(子ども家庭支援区市町村包括補助事業)では、子どもの意見表明・参加を促進する取り組みと、子どもの権利擁護を促進する取り組みに対し、10分の10で補助するとなっています。先駆的事業、となっている意味はどういうことですか。

 (3)意見表明・参加を促進する取り組みには、たとえば、子ども議会や子どもシンポジウムなども対象になりますか。そのほか、理解促進事業では、どういう取り組みを想定していますか。

 (4)今後、区市町村にはどのように知らせていきますか。その際、こども基本条例の趣旨も含め、取り組みが進むようきちんと説明することを求めますが、いかがですか。

 (注)東京都から答弁が返ってきたときに、改めて質問と答弁を掲載する予定です。

【都議2期目 これまでの文書質問と答弁】

≪2021年第3回定例会≫
障害児の「保育の必要性」認定について
コロナ禍 障害者の工賃が大幅に低下している問題について
黒目川の河川河床50ミリ対応工事について

≪2021年第4回定例会≫
パートナーシップ制度について
動物愛護について ボランティアの手も資金も足りない
既存の都営住宅へのエレベーター設置について

ニリンソウ(東京都東久留米市)
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# by hara-noriko | 2022-04-14 22:21 | 都議会 | Comments(0)

デジタル化 自治体のあり方が問われている   

 2022年都議会第1会定例会(予算議会)。総務委員会が3月14日から17日までの4日間、開かれました。私は人事委員会、政策企画局、デジタルサービス局、総務局の予算にかかわって質問しました。その内容を順次、お知らせしています。最終回の第6回は、デジタルサービス局に対する質問(3月15日)です。マイナンバーの利用にかかわる問題や、デジタル化による情報漏えい・プライバシー漏えいなどの問題を取り上げました。

【私のコメント】


 マイナンバーの適用事務を拡大していくことは、情報漏洩や個人情報保護について都民の不安も大きい中、慎重にすべきです。今回の案件では、マイナンバーによらない手続きもできることを確認しましたが、これ以上マイナンバーの利用拡大を推進すべきではないと考え、この質疑ののち、採決では反対しました。
 また、「デジタルサービス開発・運用指針」についても質疑を行いました。デジタルの力を都民の暮らしや福祉・教育に生かしていくことは大事です。しかし、それは、デジタル化先にありきではなく、都民にとってどういう方法が良いのか、ということが大前提になければいけないと思います。まさに、自治体としてのあり方が問われています。そのことを質疑しました。

都立産業技術高等専門学校の奨学金支給など
マイナンバー利用の事務を追加する理由は?


 原のり子 まず、第46号議案について質問いたします。
 この議案は、マイナンバーを利用することができる事務の追加をするものです。生活に困窮する外国人に対して行われる生活保護法による保護に準じた措置の実施に関して、また、都立産業技術高等専門学校における奨学金支給に関する事務においては、都の執行機関内において、特定個人情報を共有できるようにするものです。まず、その理由をうかがいます。

 デジタルサービス局戦略部長 法の趣旨にもとづき、都民の利便性向上、行政の効率的な運営を目的に利用事務及び情報連携業務の追加を行うためのものでございます。

従来の手続きは継続される
現場に周知徹底を


 原のり子 都立産業技術高等専門学校の奨学金支給に関しての手続きについては、従来の手続きとマイナンバーを利用しての手続きとの違いはどういうものでしようか。

 戦略部長 東京都立産業技術高等専門学校における奨学のための給付金などの支給申請者がマイナンバーを提出することで、生活保護受給証明書を取得する必要がなくなるというものでございます。これにより、申請者の利便性の向上と都の事務の効率化に資することとなります。

 原のり子 それでは、今回の条例改正によって、マイナンバーを利用することができるわけですが、従来の手続は継続されるのかどうか確認します。

 戦略部長 従来の手続でも申請は可能とする予定でございます。

 原のり子 マイナンバーによらない従来の手続も継続するということは確認しました。現場に周知徹底を丁寧にしていただいて、混乱や戸惑いが起きないように、十分な配慮を求めておきたいと思います。

後を絶たない情報漏えい事故
マイナンバー活用による情報連携は慎重に


 原のり子 共産党としては、一人ひとりのプライバシーを危険にさらすことになるマイナンバー制度自体には反対していますけれども、今回資料も出していただきましたが、都は独自に情報連携の項目をこの間拡大してきています。情報漏えいはヒューマンエラー、悪意からの流出など、完全に防ぐことはできません。そして、情報は集積され、長い期間取り扱うことで、流出の危険性というのはさらに高まります。
 2021年に、上場企業とその子会社による個人情報漏えい、紛失事故、これは過去最多の約575万人分になったというニュースが大きく報道されていましたし、また、総務省では、個人情報の保護に関する実態調査で、これ毎年行われていますけれども、国の行政機関や独立行政法人の漏えい事実、漏えい事案を毎年調査をしていますけれども、これもそれぞれ1000件を大きく超えているという状況になっています。
 清報漏えいの事案が後を絶たないことからも、このマイナンバーを活用して情報を連携させていくということについては、慎重であるべきではないかということを指摘しておきたいと思います。

デジタルサービス開発・運用の行動指針案
都民を顧客としていることに違和感


 原のり子 次に、報告事項について質問いたします。
 行動指針、東京都デジタルサービスの開発、運用に係る行動指針案は、デジタルサービスの開発、運用に携わるすべての職員等が遵守すべき基本的な価値観等を示すものとして策定、とされていますが、都民を顧客としていることにはとても違和感を持ちます。なぜ都民ではなく顧客なのか。これは今ほどの質疑でございましたので、重複は避けたいと思います。
 ご答弁の中で、行動指針では、都が提供するデジタルサービスで、利用者視点から申請画面等の操作生の向上等を進めて、利用者である都民がより使いやすいものにしていくため、顧客視点でデザインしようと、行動規範の一つとして規定をしたものだという趣旨のご答弁がありました。私はそれを聞いて、それでもやっぱり顧客としてわざわざ置き換える必要があるのかなというふうに、率直にいって思っています。

住民福祉の向上に取り組むことが自治体の本旨
個人情報の保護についてどう考えているのか


 原のり子 そもそも住民福祉の向上に取り組むことが自治体の本旨であって、公務員は全体の奉仕者です。わざわざ顧客と置き換えなければ、住民本位の仕事ができないということではないわけです。むしろ公務員として、デジタルに関わるということを明確にすることこそ大事ではないかと私は思います。
 それで、一つうかがいたいんですけれども、今回この行動規範のなかで、データを最大限活用するというふうに書かれていますが、個人情報の保護についてはどのように考えていますか。

 戦略部長 国においては情報セキュリティー・個人情報保護などのデータに関するガバナンスに関する包括的データ戦略を策定し、情報流通の信頼性の確保を進めております。これを受けまして、都の行動指針におけるテータ利活用に当たりましても、この国の戦略を参考にし、サイバーセキュリティーの確保や個人情報の保護に配慮しつつ、利活用を進めてまいります。

情報漏えいやプライバシー漏えいの不安
都の職員はどのように取り組むのか


 原のり子 セキュリティーの確保や個人情報の保護に配慮しつつということで、本当にここは重要なところだと思っています。都民のなかに、情報漏えいやプライバシー漏えいの不安があることがデジタル化を進めていく障害になっているのではないかというふうに思うんです。
 行動指針のなかでは、こうしたことについて職員はどのように取り組むと位置づけられていますか。

 戦略部長 デジタルサービスの開発、運用に携わるすべての職員が遵守すべき行動規範のなかで、データ利活用に当たりましては、サイバーセキュリティーの確保や個人清報の保護に配慮しつつ進めていくというふうに規定してございます。

個人情報の漏えいに高い不安が
都民の不安にどう応えていくのか


 原のり子 2020年版の『情報通信白書』、このなかでも、インターネットを利用していて、個人情報の漏えいについて74.2%が不安を感じると答えています。また、デジタル化が進まない理由のトップが情報セキュリティーやプライバシー漏えいへの不安がある。これが52.2%ということです。こうした都民の不安に応えていくということが必要になっていると思います。
 また、今回、誰一人取り残さないようにしようということも強調されていますけれども、デジタル機器を有しない人などへの配慮ということだけではなくて、デジタル以外の対応も必要であったり、また重要である、そういう場合も少なくないと私は考えています。
 これについてはどのような見解を持っていらっしゃいますか。また、こうした課題にどのように対応していくか、うかがいます。

 戦略部長 行動指針では、誰一人取り残されないようにするためには、サービスデザイン思考を徹底していくことが必要であるということを明記したところでございます。
 このため、デジタル以外のサポートなども含めたサービス全体の設計を利用者の視点に基づき実施することで、質の高いデジタルサービスの提供に努めてまいります。

デジタル以外の対応も大事
さまざまな手法をしっかり議論してほしい


 原のり子 先日、予算特別委員会でも質問しましたけれども、例えばパートナーシップ制度実施に伴っての手続は、基本的にオンライン一択ということに、素案で出されているんですね。私は本当にそれでいいのか。制度の本質に立てば、さまざまな選択ができるようにすることが大事ではないか、ということで質問をしたんですけれども、単にデジタル機器を有しない人への配慮をしようということにとどまらない、積極的な意味で、デジタル以外の対応も大事だというそういうものというのは、実はたくさんあるというふうに思っているんですね。そういうことを各局それぞれ、本当に横の連携を強めて議論をして、都民のみなさんに、本当に大事な情報をちゃんと提供していくということがやられるべきだというふうに思っています。そうしたことが十分配慮されるべきだというふうに思います。
 今、誰一人取り残されないようにしようという基本的な考え方は、デジタル機器を持っていない方とか、苦手な方への配慮とか、そういう観点が強いと思いますけれども、私はデジタル以外の、今いったようにさまざま手法、それも必要な場合もあるということをきちんと議論していくことが必要だということを提起しておきたいというふうに思います。

デジタル化 自治体としてのあり方が問われている
身分併有型特定任期付職員制度は立ち止まって考えるべきこと

 原のり子 それで、最後に意見だけ述べておきたいと思うんですけれども、デジタルの力が都民の暮らしや福祉、教育に生かされていくためには、自治体としてのあり方が問われているというふうに私は思っているんです。職員のみなさんが公務員としての姿勢をもって取り組んでいくということも本当に重要です。
 今回デジタル人材確保・育成基本方針のなかで、身分併有型特定任期付職員制度を創設するということが示されていました。これについては大変懸念をもっています。民間企業を退職しないで登用を可能とするという仕組みですよね。
 私は、これについてはというか、昨年の事務事業質疑で取り上げているんですけれども、デジタルシフト推進担当課長のあり方についてそのとき質疑をし、そこでいったんですが、国は今、デジタル庁の職員の600人中200人が民間人材、と。しかも、企業に在籍したままの兼業を認められているということで、これは非常に問題ではないかというふうに、私はそのとき意見で述べています。
 ただ、東京都は、デジタルシフト推進担当課長が兼業にはなっていない。なっていないけれども、あくまでも短期間の在籍だというなかで、本当に研修を強化もして、公務員としてお仕事をしていただく、そういう意識をもってやっていただくということについて意見を述べています。今ICT(情報通信技術)職の採用もスタートされたわけだから、このデジタルシフト推進担当課長のあり方も抜本的に見直しが必要ではないか、ということを提起したんですね。
 ところが、今回のデジタル人材の確保策の身分併有型特定任期付職員制度というのは、もっとさらに踏み込んだものを出してきているんだということだと思うんです。ここには、公務の公正性、公平生を担保するための基準を設け、適切に制度を運用と書かれていますけれども、これはこれからなんだというふうに思うんですね。
 私は、なので今日は質問はしないんですけれども、やっぱりこの問題は拙速に進めるべきではないし、立ち止まってよくよく検討される必要があるのではないかということを意見として述べておきたいと思います。
 以上で質問を終わります。

【2022年 都議会第1回定例会での質問】
《予算特別委員会》
(1)都は公立保育園をしっかり支えてほしい
(2)パートナーシップ制度、よりよいものに
(3)障害者の余暇支援・居場所支援の充実を
(4)子ども医療費無料化の多摩格差解消
《総務委員会》
(1)パートナーシップ制度について
(2)新型コロナウイルス対策について
(3)市町村総合交付金について
(4)障害者の都職員採用試験について
(5)「未来の東京戦略」 バージョンアップというのなら
(6)デジタル化 自治体のあり方が問われている

カントウタンポポ(東京都清瀬市)
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# by hara-noriko | 2022-04-12 21:45 | 都議会 | Comments(0)

総務委員会質問(5)「未来の東京戦略」 バージョンアップというのなら   

 2022年都議会第1会定例会(予算議会)。総務委員会が3月14日から17日までの4日間、開かれました。私は人事委員会、政策企画局、デジタルサービス局、総務局の予算にかかわって質問しました。その内容を順次、お知らせしています。第5回は、政策企画局に対する質問(3月14日)で、「未来の東京戦略」のバージョンアップについて都の姿勢を質しました。質疑に出てくる「東京2020大会」とは、東京オリンピック・パラリンピックのことです。

【私のコメント】

 都政運営の基本になる戦略(計画)をバージョンアップする、としてだされたバージョンアップ2022。私は、このコロナ禍に出すのに、コロナ対策を第一に位置付けず、第一に東京オリンピック・パラリンピックについて、コロナ禍でも実施できた、と強調し、反省や教訓もなく位置付けていること。知事の「段差のない社会」と表現していることの問題点。少子化対策に結婚支援を位置付けることが是正されていないこと。…などを質疑しました。都の組織改正により、オリンピック・パラリンピック準備局は解散され、政策企画局に引き継がれたので、もっと深く検討していきたいと思います。また、都の戦略(計画)については、人権尊重条例やこども基本条例を位置付けていくことを大事にしていきたいと思いました。


「『未来の東京』戦略」バージョンアップを問う
戦略に変更はあるのか


 原のり子 「『未来の東京』戦略 version up 2022」についてうかがいます。
今回、「version up 2022」を出した目的は何でしようか。そのことによって、これまでの戦略ゼロから20までについては変更があるのか、うかがいます。

 政策企画局理事 昨年、長期戦略として策定いたしました未来の東京戦略は、20プラス1の戦略を掲げ、強力に推進しているところでございまして、戦略に変更はございません。今回のバージョンアップは、その取り組みを加速させるため、東京2020大会と新型コロナの中で生じたさまざまな変化、変革を踏まえて、政策の強化を図ったものでございます。

オリンピックとコロナを並べて
「さまざまな変化、変革」という答弁に違和感


 原のり子 今、ご答弁の中で、東京2020大会と新型コロナの中で生じたさまざまな変化、変革という言葉がありましたけれども、2020大会とコロナを並べて、さまざまな変化、変革と答えていることに正直、私は違和感を覚えます。
 バージョンアップでは、東京2020大会の成果を前面に出して、パンデミックの中でも大会を開催できることを世界に示した、とコロナ禍の下でも実施したことを評価してい
ますけれども、反省や教訓はないのでしようか。それはどこに書いてあるのか、うかがいます。

 理事 今回のバージョンアップでは、大会を通じて生み出されましたハード、ソフトのさまざまなレガシーを発展させ、多様性と包摂性にあふれた未来の東京をつくり出していくという観点から、これまでの成果や今後の取り組みを整理し、お示ししております。

反省点はないのか
成果だけを強調するのはいかがか


 原のり子 何も反省点はないのでしようか。2020大会については、財政的な面も含めて、検証もまだこれからという段階でもあります。そういう状況の中で、成果があったとだけ強調するというのはいかがかと思います。どんなことでも、実施すれば、成果と、また教訓、反省点があるというふうに思います。

バージョンアップをいうのなら
コロナの長期化に対する取り組みを強めることではないのか


 原のり子 とくに、なぜこのことをいうかというと、コロナの下でも開催できたということで、12ページにもいちばん最初に書いてあるんですけれども、その間、感染して苦しんだ方々や、亡くなられた方々、また、今現在もなお、今もなお後遺症で苦しんでいる方々もいるという、本当にコロナというのは大変な問題なわけです。
 ですから、そういうこともきちんと踏まえた上で、バージョンアップの中身が練られていくべきだと私は思いますので、ちょっと理解ができないんです。
 アスリートの中にも、苦しんだ方もたくさんいらして、それは、スポーツの在り方と、そして社会というのは切り離せないからだというふうに思います。
 そういうことも踏まえて考えますと、今ここでバージョンアップすべきいちばん大きなことは、コロナの長期化によるさまざまな影響、課題に対する取り組みを強めるということだと思います。このことについてはどのように書かれていますか。

 理事 バージョンアップの大きな視点としまして、変化、変革、新型コロナウイルスの長期化の影響を位置づけまして、社会経済活動の再生、回復、困難を抱える方への対応など、幅広い取組を盛り込んでおります。

大事なのは、どういう視点をもって臨むかです
コロナ対策をメインにしたバージョンアップこそ


 原のり子 しかし、やっぱり大事なのは、どういう視点をもって臨むかということなんですね。この「version up 2022」の4ページ、5ページに、今回の視点、いちばん基本になるところが整理をされています。このバージョンアップの視点の「1」というのが、東京2020大会の成果を都市の発展へつなげる、と。まずこれが第一に、視点の第一に来ています。
 その上で、視点の「2」として、時代のニーズや状況変化に迅速に対応、と。これで、この中に3つ項目があって、1つが新型コロナウイルスの長期化の影響、2つ目に世界の都市間競争の激化、そして3つ目に子供の目線からの政策展開の必要性、というふうに3つ入っているんですね。
 視点の「2」で、しかもその3つの中に、状況変化に迅速に対応するという項目の1つとして、人の命が関わっているこのコロナの問題が並べてあるということに、私は大変違和感を感じるわけです。
 本来であれば、このコロナを前面にして、このコロナ対策をメインにしたバージョンアップこそ図られるべきであったのではないかというふうに思います。
 いちばん最初に聞いたところ、このバージョンアップのページでいえば、6ページのところに、「未来の東京戦略」、もともとの戦略が書いてあって、ここに戦略ゼロから戦略20まで書いてありますけれども、この戦略ゼロで、感染症に打ちかつ戦略とありますけれども、これについては、戦略について、変わらないと最初に答弁がありましたので、まん延防止重点措置も延長になった今、本当に全庁あげてのコロナ対策、本当に都民の命を守るという観点で進めていかなければならないということを改めて指摘をしたいと思います。

「段差のない社会」とはどういう意味か
格差とは違うのか


 原のり子 次に、知事が所信表明や施政方針で、「段差のない社会」という言葉を繰り返し使うようになって、今回、都の計画の中でも使われるようになりました。
 共産党都議団の代表質問でも取り上げましたし、ほかの会派の質問でもありましたけれども、この段差というのは何なのか、格差とは違うのか、段差のない社会というのはどういうことを指しているのか、改めてうかがいます。

 理事 社会に色濃く残る物理的、制度的、心理的な数々のバリアを取り除き、人と人が理解し合い、共に暮らす環境を段差のない社会とし、その創出を図っていくこととしております。

「段差」は高低差
「共生社会」は障壁をなくすこと


 原のり子 ちょっとやっぱり十分な説明になっていないというふうに私は思うんですね。
 今回、バージョンアップの中では49ページに、「共生社会 バリアフリー『段差のない社会』」というふうに大きく見出しで掲げられていて、51ページには段差のない社会を創出するんだということが書かれているんですけれども、私は段差のない社会という表現の仕方は、共生社会を表現するのにはあまりふさわしくないんじゃないかと思うんですね。
 というのは、段差というのは、その意味というのは高低差なんですよね。その高低差があるものをフラットにしていくという、そういう考え方なんですけれども、共生社会をつくっていくという場合に、よく心のバリアフリーといういい方もしますけれども、この場合のバリアというのは段差ではなくて障壁なんですよね。
 ですから、私は共生社会をつくっていく、多様性を認め合う社会をつくっていく意味では、段差ではなくて、障壁を取り除いていくという考え方になるんじゃないかというふうに思うんですね。その点について、どういうご見解をもっているか、うかがいます。

 理事 これまで「東京2020大会」に向けまして、例えば、鉄道駅にエレベーターを設置するなど、まちの段差を解消する取り組みを進めてまいりました。これを都市全体に広げていくことを今回示しております。
 また、多様生や包摂性あふれる社会の実現に向けまして、心のバリアをなくすさまざまな取り組みを進めてまいりました。「東京2020大会」でパラアスリートが競い合う姿に共生社会を実感したことをレガシーとしてさらに発展させていくこととしております。
 こうした物理的、制度的、心理的な数々のバリアを取り除いて、人と人が理解し合い、共に暮らす社会の実現をめざしておりまして、それらを包括的に「段差のない社会」と表現したものでございます。

「段差」 格差でもなく障壁とも違う
言葉を整理していく必要があるのではないか


 原のり子 包括的に「段差のない社会」と表現している、と。今、ご答弁の中でも、段差と使っている部分と、バリアというふうに表現されているところとやっぱりあるんですよね。私は段差という言葉が、経済的な、たとえば格差にもイコールではない、当てはまらないし、そして、さっきいったように、人と人の間や社会の中にある障壁ともまた違うと、イコールではないということだというふうに、今、こ答弁を聞きながらも思っています。
 バリアと段差が混在していますので、今回、知事の施政方針では、パートナーシップ制度を実現することについても、「段差のない社会」の中で話されていたんですね。これ、どういう段差なのかというふうに思う方がいても不思議じゃないと思うんです。
 決して、低い立場、高い立場の人がいるということを、それをフラットにしようということではないので、そういう、私は言葉というのは本当に大事だと思うので、そこはやっぱり整理していく必要があるのではないかと意見を述べておきたいと思います。

コロナ禍で精神的・経済的に追いつめられている人たち
誰一人取り残さない取り組みを強化してほしい


 原のり子 それでは、コロナ禍の下で、精神的に、また経済的に追い詰められている人を支えるということについて、今回、バージョンアップの中ではどう掲げていますか。

 理事 今回のバージョンアップでは、コロナ禍で、あらゆる世代の人々がさまざまな困難に直面している状況を踏まえまして、女性、高齢者、障害者など、状況に応じたきめ細かな相談支援や生活困窮者への支援の充実などによりまして、誰一人取り残さないセーフティーネットを強化していくこととしております。

 原のり子 経済的な面も含めて、生活困窮者への支援という言葉もありました。本当にそういう、いま、コロナ禍の下で追い詰められている状態の一人ひとりを支えていく、そのための来年度予算についても、そういうところを充実してほしいということも、私たちも提案しているんですけれども、ぜひ今回、バージョンアップで見直した点で、そうした精神面、経済的な面も含めて、誰一人取り残さないといっていることに基づいて、取り組みを強化をしていただきたいということを求めておきます。

結婚支援を少子化対策に位置づける
これは適切ではない


 原のり子 最後に、今回、バージョンアップされている1つが、都政の政策全般を子ども目線で捉え直して、子ども政策を総合的に推進していくというふうになっている点です。子供政策連携室についても、こども基本条例に基づく位置づけになっているというふうに読みました。
 そうした中、少子化対策の中に結婚支援プロジェクトを位置づけるというふうにこれまでしてきていますけれども、これはこの機会に見直すべきではないかと提案したいと思いますが、いかがですか。

 理事 結婚支援プロジェクトは、個人の価値観や人生観が違うことを十分に配慮しつつ、結婚を希望しながら一歩を踏み出せない人を後押しし、結婚に向けた機運醸成を推進するものでございます。
 一方で、未婚化、晩婚化が少子化の要因の1つになっていることは事実でございまして、本プロジェクトの推進が、子供の笑顔のための戦略がめざす少子化からの脱却に寄与するものと考えられることから、「戦略1」に位置づけております。

 原のり子 「戦略1」に位置づけているということなんですけれども、今回、パートナーシップ制度もつくっていこうという、そうやって多様な生き方が尊重されるようにしようということで、今都庁も進んでいますし、また、子どもは権利の主体なんだというふうに位置づける、そういう政策を進めていこうというふうになっているわけですよね。
 そういう中で、結婚支援を少子化対策に位置づけるというのは、さまざまな本当に一人ひとりの生き方を認めていくという点でも、また、子どもは権利の主体なんだというその考え方から見ても、私はやっぱり適切ではないと思うんです。
 子どもを産んでもらうための支援なのかというふうに取られてしまったら、これは違うというふうに思いますので、この点は、もう前も何回も議論させていただいていますけれども、改めて考え直すことを求めて、今日の質問は終わりたいと思います。

ジロボウエンゴサク(次郎坊延胡策)=東京都清瀬市
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# by hara-noriko | 2022-04-10 22:14 | 都議会 | Comments(0)

総務委員会質問(4)障害者の都職員採用試験について   

 2022年都議会第1会定例会(予算議会)。総務委員会が3月14日から17日までの4日間、開かれました。私は人事委員会、政策企画局、デジタルサービス局、総務局の予算にかかわって質問しました。その内容を順次、お知らせしています。第4回は、障害者の都職員採用試験について人事委員会に質問(3月14日)した内容です。

【私のコメント】

 都議になって以来、障害者の都職員採用試験の充実・改善について質問しています。合理的配慮については、コロナ禍のもとで、より求められています。今回は、コロナに感染したとき、あるいは濃厚接触者になったときに、試験日を変更するなどの配慮を求めました。総務省から通知も出されており、工夫して実施すべきです。引き続きとりくみます。

障害者を対象にした都職員採用試験
コロナ禍 合理的配慮が求められている

 原のり子 東京都職員採用試験選考における合理的配慮の資料を出していただきました。これまで事務事業質疑等でもうかがってきていますけれども、障害者Ⅲ類採用選考以外でも必要な合理的配慮は行っているということです。
 いちばん下の欄に、その他必要な配慮事項の申し出がある場合は、個別に調整の上、対応というふうにあって、耳栓の使用や説明事項のフリップの提示、またマスク未着用の場合の別室受験などの対応がされてきたということが書かれています。大変大事なことだと思います。

実施している合理的配慮はどんなものか
マスクを着用できない人は別室で受験できるなど

 原のり子 改めて配慮が必要な場合は、遠慮なく申し出て、相談することを周知していただきたいと要望しておきます。そこでうかがいたいのですが、長引くコロナの下、引き続きコロナ禍での合理的配慮が求められていると思います。実施している合理的配慮はどのようなものがあるか、改めてうかがいます。

 人事委員会試験部長 受験者には、受験時にマスクの着用をお願いしているところでございますが、筆記試験における合理的配慮として、今、原委員もご指摘のございましたように障害等によりマスクを着用できない受験者に対し、別室で受験できるようにいたしました。また、面接では、聴覚障害をもった受験者への合理的配慮としまして、面接員が透明な口元の見えるマスクを着用いたしました。

 原のり子 マスクを長時間着用できない方、あるいは着用自体が難しいという方も現に多くいらっしゃいます。その別室受験が認められたということはとても重要だと思いますが、どのぐらい例があるか、うかがいます。

 試験部長 別室での受験を行いましたのは、令和2年度(2020年度)障害者Ⅲ類採用選考における3名でございました。

試験日に感染するなどで試験を受けられないことも
別の日に試験を受けられるなどの対策は取れないのか


 原のり子 実際に3名対応されたということで、重要だと思います。しかし、試験日にコロナに感染してしまった、あるいは濃厚接触者になった場合は、試験を受けられないということは大変気の毒だと思っています。どんなに気をつけていても、コロナには感染する場合もあって、何度も濃厚接触者になる場合もあります。
 2020年3月に、総務省は全国の自治体に対し、「地方公共団体の職員採用における新型コロナウイルス感染症への対応について」と題する通知を出しています。この通知には、「受験者が感染した場合又は感染が疑われる場合等における受験者の就職機会の確保を図る観点から、各地方公共団体の実情に応じ、…配慮をいただくようお願いします」というふうに書かれていて、具体的に3つのことを記しています。
 その1つ目が試験日程の配慮、2つ目に受験会場の衛生管理体制の構築、3つ目に受験者等に対する情報提供等―というふうになっています。
 このいちばん最初に「試験日程の配慮」というのが書かれていて、その中には受験者が感染者や濃厚接触者となった場合等の受験困難者に対する再試験の検討等、柔軟な試験日程の配慮などを要請しています。感染等により受験できなかった方が別の日に試験を受けられるなどの対策は取れないのか、うかがいます。

 試験部長 今、お話のございました総務省の通知は承知しておりまして、ご紹介にもありましたように、その通知にございます試験会場の衛生管理体制の構築などには、万全な対策を講じてまいりました。
 感染等により受験できなかった人の再試験につきましては、都はさまざまな採用試験選考の筆記試験や面接を実施しておりまして、そうした試験日程等を考慮しますと、別日を設けて試験を行うことは極めて困難な状況にございます。

筆記試験や面接試験
コロナで受けられなかった人への配慮を工夫してほしい


 原のり子 通知は承知しているということですけれども、再試験は極めて困難だということでした。ただ、私は改めて工夫できないかと検討を求めたいと思います。
 たとえば、筆記試験は受けたけれども、面接のときに感染してしまっている、あるいは濃厚接触者で受けられない、そういう場合の配慮など考えられないでしようか。
 障害者Ⅲ類採用選考でいえば、9月11日が筆記試験で、10月12日から14日の間に面接試験というふうになっています。筆記試験は通ったけれども、面接のときに感染などで受けられないということが起こると、本当に残念だと思います。しかも試験は年齢の制限もありますから、その年が最後のチャンスという場合もあります。
 これは今日は要望にとどめますけれども、ぜひ検討を改めてしていただきたいということを求めておきたいと思います。

障害者が力を発揮しやすいように
合理的配慮をおこない、社会的理解を広げてほしい


 原のり子 最後に、障害者Ⅲ類採用選考の面接についてうかがいたいと思います。
今年度からグループ討論を面接に変更したということが前回の質疑で分かりました。2回面接を行うということになっていますが、なぜ2回なのか、内容はどういうことか、うかがいます。

 試験部長 面接を同じ日に2回行うことにした理由は、受験者一人ひとりの能力、適性等について、より適切な評価が可能となるようにするためでございます。面接は、志望動機や障害に関することなどについて、受験者が記入をしました面接シートを面接員が参考にしながら行っております。

 原のり子 志望動機や障害に関することなども丁寧に聞き取っていくということは大変重要だと思います。引き続き、障害者が力を発揮しやすいように合理的配慮を行っていくこと、また同時に、そのことの社会的な理解を広げていくことの大事さを指摘いたしまして、私の質疑を終わります。

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(3)市町村総合交付金について

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左は北村りゅうた・東久留米市議
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# by hara-noriko | 2022-04-09 22:12 | 都議会 | Comments(0)

総務委員会質問(3)市町村総合交付金について   

 2022年都議会第1回定例会(予算議会)。総務委員会が3月14日から17日までの4日間、開かれました。私は人事委員会、政策企画局、デジタルサービス局、総務局の予算にかかわって質問しました。その内容を順次、お知らせします。第3回は、市町村総合交付金について総務局に質問(3月17日)した内容です。

【私のコメント】

 多摩地域・島しょ地域にとって必要不可欠な市町村総合交付金。私が都議になったときは、500億円でした。共産党都議団でも、多摩チームをつくり意識的に増額に向け取り組んできました。市長会・町村会にも直接ご意見をうかがってきました。588億円に増えてきたことは重要です。
しかし、まだまだ足りないというのが実情です。なぜもっと増やせないのか。それは、その根本に、「多摩格差はおおむね解消した」という東京都の認識があるからです。市町村総合交付金総額をふやすとともに、各種事業・施策の補助の拡充を求めました。たとえば、子どもの医療費が18歳までに拡充することを都は打ち出し、3年間は都が全額補助するとしました。それならば、義務教育就学児の医療費の多摩格差も解消すべきです。引き続きとりくんでいきます。

市町村総合交付金 増額された3億円
働き方改革による地域振興が対象とは


 原のり子 市町村総合交付金についてうかがいます。
 市町村総合交付金は、市町村の行政水準の向上と住民福祉の増進のために創設されたものであり、多摩地域、島しょ地域にとって重要な財政補完制度です。来年度予算案では3億円増の588億円になったものの、3億円は政策連携枠となり、働き方改革による地域振興が対象とのことです。
 どういう内容なのか、具体的に説明をお願いします。

 総務局行政部長 働き方改革による地域振興では、テレワークや職住近接の環境を整備することによる移住、定住の促進など、多様な働き方による地域振興を推進する市町村の取り組みを支援する観点から、ワーケーション施設やサテライトオフィス、コワーキングスペースの整備などを支援していくことを想定しております。具体的な対象事業については、今後、市町村からご意見を伺いながら制度設計を進めてまいります。

働き方改革による地域振興
なぜ政策連携枠に位置づけることにしたのか


 原のり子 今後、市町村からご意見をうかがいながら制度設計していくということでした。よく意見を聞いていただきたいと思うのですが、なぜ働き方改革による地域振興を政策連携枠に位置づけることにしたのでしようか。

 行政部長 多摩・島しょ地域では、すでに人口減少が進んでいる市町村もございます。令和2年(2020年)3月の東京都の人口予測では、多摩・島しょ地域の人口は2040年には400万人を割り込むとの予測がなされております。こうしたなか、民間企業におけるテレワークは、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、急速に導入が進んでおります。
 今年度実施した知事と区市町村長との意見交換においても、市町村長からは、テレワークを活用したサテライトオフィスやワーケーションについての市町村独自の取り組みや、都への要望をうかがったところでございます。今後、多摩・島しょ地域の振興に当たっては、これらの取り組みをより重点的に支援していくことが重要でございまして、来年度から政策連携枠の対象に加えたものでございます。

5つ目の政策連携枠になる
既存の政策連携枠25億円の内訳は?


 原のり子 新たに5つ目の政策連携枠ということになるわけですが、昨年度の市町村別交付額が決定されましたけれども、これまでの既存の政策連携枠25億円の内訳は、どのようになっていますか。

 行政部長 令和三年度(2021年度)市町村総合交付金交付額のうち、政策連携枠の4項目の内訳については、待機児童対策が約12億2700万円、電気自動車の導入が約6100万円、消防団活動の充実が約5400万円、行政のデジタル化が約11億5900万円となっております。

既存の政策連携枠
拡充する内容はあるのか


 原のり子 4つの項目、それぞれ違いますから、単純に比較とかはできないんですけれども、ただ、交付額の内訳に結構ばらつきがあるんだなというふうに思いました。政策連携枠の既存の項目については、来年度(2022年度)に拡充する内容などはあるんでしようか。
変更があれば教えてください。

 行政部長 令和4年度(2022年度)には、既存の待機児童対策、電気自動車の導入、消防団活動の充実の項目について対象を拡充いたします。
 まず、待機児童対策については、保育所の待機児童対策に加えて、学童クラブの待機児童対策を支援することとしております。また、電気自動車の導入については、項目の名称をゼロエミッションの推進に改め、庁舎や公共施設への太陽光発電の導入等も支援することとしております。
 消防団活動の充実につきましては、これまで特別区の配備基準に基づいて、装備品や資機材を新たに購入する場合に支援を行ってまいりましたが、その更新についても支援することとしております。

政策連携枠をどうしていくか
改めて議論が必要になっているのではないか

 原のり子 いろいろ状況も変わってきますから、対象を拡大するということになったのだと思いますけれども、最初の設定とはかなり変更が出てきているなかで、改めて政策連携枠をどうしていくのかという議論が必要になっているんじゃないかと私は聞いていて思います。
 政策連携枠の項目というのは、これからも増やしていくという考えなんでしようか。

 行政部長 今後とも市町村のご意見を十分にうかがいつつ、多摩・島しょ地域の実情や課題を踏まえて総合交付金を有効に活用していただけるよう、政策連携枠も含めて、市町村総合交付金の制度の充実に努めてまいります。

市町村の裁量で使えるよう総額を増やしてほしい
これが市長会や町村会の要望なのではないか


 原のり子 項目を増やす、また、同じ項目でも今までの対象もそのままで、さらに拡大するというのであれば、市町村への影響というのはないのかもしれないんですけれども、例えば項目を減らす、対象を変えるというふうになると、まったく話が変わってきます。
 これまでは対象になっていたものが、希望が少ないから廃止します、変更しますというふうになった場合、市町村で使おうと思って計画していたのに、できなくなるということが起こりかねないというふうに思います。
 市長会からの来年度予算要望の最重点要望では、2番目に市町村総合交付金制度の充実強化があげられ、交付金の総額の増額と、個別事情がより的確に反映できるようにと求められています。町村会からも、拡充と財政補完機能の強化が求められています。
 つまり、市長会や町村会の基本的な要望は、本来の総合交付金の在り方に立った形での要望、使い道を限定しての交付金ではなく、市町村の裁量で使える総合交付金として総額を増やしてほしいというものだと思います。
 この要望をどう受け止め、検討したのかうかがいます。

 行政部長 市町村総合交付金については、これまでも市長会、町村会からの要望を踏まえて拡充に努めてきたところでございます。令和4年度(2022年度)については、過去最高額となる588億円の予算を計上するとともに政策連携枠の対象項目の拡充を求める市長会からの要望も踏まえて、政策連携枠の対象に新たに働き方改革による地域振興を加えたほか、既存の項目についても支援対象を拡充したものでございます。

市町村の要望に応じてさらに拡充してほしい
各種事業の補助割合も拡充して多摩格差解消を


 原のり子 政策連携枠が現に設けられているなかで、その拡充もいわなければならないということであって、本来は、さっきいったように最重点要望しているその内容が要望の基本です。先ほど述べたところですが、このことを改めてしつかり受け止めていただきたいというふうに思います。
 また、何でも市町村総合交付金というふうにならないようにすることも大事で、事業そのもの、さまざまな事業がありますけれども、それぞれの事業の補助割合を例えば拡充するとか、そういう対応も必要です。そうでなければ、総合交付金の額によって、市民サービスが変動してしまうということにもなります。
 市町村総合交付金を市町村の要望に応じて、さらに拡充するとともに、各種事業の補助割合なども必要な見直し、拡充を行い、多摩格差や地域間格差が起きないようにすることを強く求めておきたいと思います。

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(1)パートナーシップ制度について
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カタクリ(東京都清瀬市中里)
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# by hara-noriko | 2022-04-07 21:14 | 都議会 | Comments(0)