東京・東久留米 公立ちゅうおう保育園の民営化ストップを   

東京・東久留米市が新たな計画
公立ちゅうおう保育園を民営化


 東京・東久留米市(富田竜馬市長)は、公立のしんかわ保育園を廃止したあと、公立ちゅうおう保育園を民営化する計画を打ち出しました。民営化への移行は2026年4月とされています。「『東久留米市保育サービスの施設整備・運営及び提供体制に関する実施計画』令和5年8月(改訂)」がそれです。市のホームページにも掲載されました。

10園あった公立保育園は現在5園
市民参加の場もつくらず民営化を強行

 かつて10園あった東久留米の公立保育園は現在5園となっています。たきやま保育園民営化のあと、稲葉市政が誕生してその12年の間は民営化は行われませんでした。しかし、その後、ひばり保育園、うえのはら保育園、みなみ保育園、さいわい保育園と民営化が強行されていきました。なぜ、「強行」なのか。市民の声を聞かずにすすめているからです。一度も、保育園の在り方を検討する市民参加の場はつくられていません。

並木市政は公立保育園を全廃を計画
市民が「それはおかしい」と声を上げてきた


 さらに、富田市長の前、並木市長のときに、公立保育園を全廃するという、全国的にもほとんど例がない無謀な計画を出しました。これに対して市民のみなさんが、「それはおかしい」と声を上げ、「公立保育園が果たしている役割をしっかり認めていくべきだ」という運動がねばり強く続けられてきました。

公立しんかわ保育園は今年度末で閉園されようとしています
「公立保育園はなくすべきではない」と取り組んでいます

 しかし、東久留米駅東口のすぐそばにある公立しんかわ保育園は、この1年間は年長さんだけの保育園になっていて、異年齢保育も保障されないまま、今年度末で閉園されようとしています。私たちは「しんかわ保育園をはじめ、公立保育園をなくすべきではない」と取り組みを続けています。市民のみなさんの公立保育園存続を求める、新たな署名も大きく広がっています。

市民の声と運動に押されて「廃止する」とはいえず
民営化して公立保育園をなくしていく方向に


 しかし市は、しんかわ保育園を廃止したあとは、ちゅうおう保育園を民営化するといいます。市民の声と運動に押されて、とうとう「廃止をする」とはいえなくなったのが富田市政ですが、公立保育園はなくしていく、民営化していくという方向であることが新しい計画で明らかにされました。しかも、いっさいの市民参加はなし。公立保育園の果たしてきた役割の検証もありません。

老朽化を理由に民営化
事業者には市と協定を結んでもらう、というが


 ちょうおう保育園は老朽化している。だから土地や建物については東久留米市が用意して民間の法人に入ってもらって運営してもらう、事業者には市と協定を結んでもらう、といいますが、それなら公立保育園として存続すればいいのではないでしょうか。
 しかも、社会福祉法人だけではなく、株式会社も含めて対象にすることが明らかにされています。

40年・50年の歴史をもつ公立保育園
これをなくして必要な保育の水準が守られるのか


 東久留米市の公立保育園は、40年・50年を超える歴史をもっています。どの保育園も地域活動事業を行い、園庭のない保育園がふえているなか、そうした保育園に園庭も開放したり、障害児も積極的に受け入れてきたりしているのが大きな特徴になっています。歴史ある公立保育園を廃止したり民営化したりする。こういうなかで、必要な保育の水準が守られるでしょうか。もっとも保育を必要としている子どもたちの命や発達が守られるのか。そのことが問われています。

公立保育園は存続させていく
市民のみなさんと力を合わせたい


 公立保育園は存続させていく。その立場で日本共産党もみなさんと力を合わせていきたいと思います。
 小学校や中学校に公立の学校があり、そこは市が責任をもって運営する形になっています。これが1つの基準になって、選択肢として私立の小学校や中学校を選ぶ方々もいらっしゃいます。でも、公立の学校や施設をきちんと担っていくことによって、だれ一人取り残さない、どの子どもたちも成長や発達が保障される。それは「公」の大きな責任です。そこを後退させるのが、公立保育園の廃止や民営化計画です。

セーフティーネットの役割を果たす公立保育園
「公」のものをどんどん民営化していっていいのか


 現場にこうした施設を市がもっていることによって、抱えている問題、解決しなければいけない問題をリアルにとらえることができます。また、いま東久留米の公立保育園も、子ども家庭支援センターとも連携しながら、保育を必要としている子どもたちや、せっぱつまって相談にきた家庭を支えています。セーフティーネットの役割を果たしています。 私も、何人もの方々からの相談を受けてきましたけれども、地域に公立保育園があるから安心して保護者の方が子どもを預けることができる。保育士さんと一緒に子どもをも守っていくことができる。そういう歴史を40年・50年と積み上げてきています。
 その歴史にまったく学ばず、とにかく「公」のものをどんどん民営化していく形をとってしまったら、子どもたちの成長や発達が保障されないということになりかねません。

障害児保育を担ってきた公立保育園
ちゅうおう保育園民営化計画の撤回を


 東久留米市の公立保育園では、障害児保育についても、まだ障害があるかどうかわからない、そういうケースであっても、審査会でよく議論をして、子どもをどこで受け入れるのか、そこに保育士さんをどうつけるのか、そういうことを続けてきた歴史があります。 この東久留米市で安心して子どもを産み育てられる、その保障をしていくためにも、いまある公立保育園をしっかり存続させていく。そして、新たに富田市政が打ち出した、ちゅうおう保育園の民営化計画を撤回するようご一緒に求めていきたいと思います。みなさんのご意見も、ぜひ聞かせていただけたらと思います。

都議会で公立保育園の役割について質問
公立保育園は地域の保育の基準になっている


 公立保育園が果たしている役割と意義について私は、都議会の予算特別委員会などで質問してきました。
 公立保育園は、地域の保育の基準となっています。を保育指針は同じとはいっても、私立園はその上にそれぞれの特徴があります。そこを選んで入園する人ももちろんいます。同時に、市役所が現場の保育園をもっていなければ、子どもの実態が見えにくくなってしまいます。

困難を抱えている家庭がとても増えている
「公」の役割を後退させるわけにはいきません


 いま、困難を抱えているご家庭がとても増えています。子ども食堂、フードバンク・フードパントリーなどを見ても、子育て中の方々を含めて、困っているという声がたくさん寄せられています。
 そういうときに、「公」の役割を後退させるわけにはいきません。公立保育園をしっかり存続させて、東久留米で育つ子どもたちが安心して、保育が必要な子は保育を受けられる。小学校や中学校も公立の学校にだれもが安心して通える。そういう環境をつくっていかなければならないと思います。
 みなさんの声をお寄せいただいて、パブリック(公共)を守っていく、「公」を後退させない取り組みをご一緒にすすめていきましょう。格差が広がっているこの社会で、「公」を守ることは本当に重要なことになっています。「だれ一人取り残さない」と言葉ではいっても、実際には「公」の役割を大きく後退させているのが今の政治の大問題です。公立保育園をしっかり存続させて、だれもが安心して保育が受けられる、成長を支えられる、そのために力を合わせていきたいと思います。

共産党東久留米市議団と宮本徹衆院議員、私
こども家庭庁と懇談し申し入れ


 共産党東久留米市議団は8月2日、こども家庭庁に対し、宮本徹衆院議員を介し申し入れと懇談をおこなっています。私も同席しました。一般財源化して公立保育園以外にも使えるようにした国庫補助金を元に戻し、公立保育園の運営等に使うことを明確にすることを求めました。また、市民の声を聞かずに廃止や民営化をすることについても意見交換しました。引き続き、連携してとりくみます。

民営化の方針が打ち出された東久留米市立ちゅうおう保育園
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共産党東久留米市議団(左)らが、こども家庭庁(右)懇談
(左から)原のり子、宮本徹衆院議員、村山順次郎市議、
永田まさ子市議、北村りゅうた市議、かもしだ芳美市議
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私も発言
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こども家庭庁に申し入れ
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# by hara-noriko | 2023-08-26 22:41 | 活動日誌 | Comments(0)

「平和祈念フェスタin清瀬」に参加して   

平和祈念フェスタin清瀬
市民参加の実行委員会で


 8月19日、「平和祈念フェスタin清瀬」(主催 清瀬市平和祈念展等実行委員会)に参加しました。まず感動するのが、実行委員会の市民の方々が裏方を担って運営している様子です。清瀬市では2006年から、市民参加の実行委員会で平和事業がおこなわれています。平和のとりくみを市と市民が力をあわせてすすめていくことは、本当に大事だと実感します。会場のアミューホールは満席。子どもや若い人たちから高齢の方々まで、あらゆる年代の方々が参加しています。共産党清瀬市議団はじめ、さまざまな会派から市議会議員の方々も参加しています。

ピースエンジェルズ広島派遣事業報告会
見て、聞いて、感じたこと、学んだこと


 副市長あいさつ、実行委員長あいさつで、この会の大事な趣旨が話されたのち、「ピースエンジェルズ広島派遣事業報告会」が行われました。司会も、ピースエンジェルズ卒業生の2人。小中学生を広島に派遣するピースエンジェルズのとりくみは、コロナ禍のため4年ぶりの実施になったとのこと。10人の子どもたちが、広島で見て、聞いて、感じたこと、学んだことを報告してくれました。どの報告もとてもよかった。実際に現地にいくことは本当に大事なんだと実感します。

中学生 「核抑止」について調べ、考えた
子どもの力はすごい


 ある中学生は、広島の平和式典に参列して、とくに広島市長の平和宣言が心に残ったと話してくれました。「核抑止論は破綻している」「為政者に核抑止論から脱却を促すことがますます重要になっている」という話を聞き、「核抑止」について調べ、考えたと。「核抑止」論では、核兵器を認めることになり、核廃絶の足かせになってしまうと思った。また、G7について平和宣言が述べたことにも触れながら、G7が、核のない世界を究極の目標としていて効果があるのか疑問、と感じた、と。…本当にすごい。平和宣言を聞いて、自分で調べ、考えてそのことを発表している。そして、とても大事な本質をとらえていることに、子どもの力はすごいと驚きました。

小学生 原爆死没者について
日本人以外の人も亡くなっていたことを初めて知った、と


 また、ある小学生は、原爆死没者が新たに5320人増え、33万9237人になっていることに触れ、今も増えていることを報告してくれました。
 また、ある小学生は、韓国人犠牲者の慰霊碑についても触れ、日本人以外の人も亡くなっていたことを初めて知ったと話してくれました。
 そのほか、被爆者の話や平和祈念館のことなど、くわしく報告がありました。

10人の子どもたちが対談
その年齢ごとに大事なことを言葉にして


 報告のあと、ピースエンジェルズサポーター(卒業生)4人と、今年のピースエンジェルズ10人が対談。この企画もとてもよかったです。サポーターも自分が行ったときに感じたことにも触れながら、10人の声を引き出していき、素晴らしいなと思いました。
 *実際に行って、原爆は本当にあったことなんだと思った。自転車とヘルメットが焦げて曲がっていたり、怖いなと思った。
 *川にびっしり人が浮いていたと国語の教科書で読んで、そこまではない、大げさなんじゃないかと思っていた。行ってみて、写真を見たり、被爆者の話を聞いて、本当に起きていたんだと信じられた。
 *原爆が落とされるようなことがあったのかと思っていたが、今とまったく同じような生活をしているところに落ちた。絶対にどこにも落としてはいけないと思った。
 *現地の人、被爆者の話に、戦争してはいけないという熱量に圧倒された。
 *周りのひとに伝えたい。
 *平和は当たり前ではないと思った。どのように平和にしていくのか考えていきたい。 などなど、書ききれませんでしたが、一人ひとり、その年齢ごとに大事なことを言葉にしてくれて感動しました。

多くの子どもたちが被爆者の話に触れて
命がけで語ってくださる話を必ず引き継ぎたい


 そして、被爆者の方々の話がいかに力があるか、ということを痛感しました。多くの子どもたちが被爆者の話に触れました。被爆者は平均年齢85歳を超えています。命がけで語ってくださる話を必ず引き継いでいきたい。そして、被爆者の力により成立した核兵器禁止条約に、一日も早く日本が参加するように求めていきたいと強く思いました。

会場入り口で
「平和祈念フェスタin清瀬」に参加して_b0190576_21155281.jpg




# by hara-noriko | 2023-08-24 21:16 | 活動日誌 | Comments(0)

戦争の事実から学んで平和を守る   

共産党清瀬市議団が終戦の日宣伝
宮本徹衆院議員、私も参加して


 8月15日、日本共産党清瀬市議団の終戦の日宣伝に参加しました。清瀬市議団は、この日の宣伝を大事にしていて、毎年実施しています。今年は、猛暑と台風の影響もあり、夕方、清瀬駅北口ロータリー1カ所での街頭演説となりました。

原水爆禁止世界大会で学んだこと
原田ひろみ市議が報告


 原田ひろみ市議が原水爆禁止世界大会に参加し、長崎の人びとの「最後の被爆地に」という強い思いに胸を打たれた、と。そして、NATO(北大西洋条約機構)に参加したばかりのフィンランドからも発言があり、「反NATOで団結する平和を求める世界女性の会」が約40カ国に広がっているなど、世界の平和運動について学んだことを話してくれて、感動しました。

広島を訪れた宮本徹衆院議員
「今こそ、被爆国日本が核兵器禁止条約批准を」


 宮本徹衆院議員も、広島を訪れたことから話を始めました。今年、「核抑止力」論を乗り越えていく声が広島、長崎から発信されていることに触れながら、「今こそ、被爆国日本が核兵器禁止条約批准を」と訴え。非軍事の外交をすすめていくことの大事さを説得力をもって語り、弾圧を受けながらも反戦平和を貫いてきた日本共産党の歴史にも触れながら、「二度と戦争を起こさない政治に変えよう」とよびかけました。

「戦争の準備ではなく、平和の準備を」
看板を持って駆けつけてくださった方も


 街頭演説には、「戦争の準備ではなく、平和の準備を」との看板を持って駆けつけてくださった方もいらっしゃいました。暑い中、来てくださった方、立ち止まって聞いてくださった方、みなさん本当にありがとうございました。

【私のスピーチ要旨】

 以下は、私のスピーチ要旨です。

戦争を風化させてはなりません
いま政治に問われているものは


 今日は、78回目の終戦の日です。決して忘れてはならない、風化させてはならない日です。今日の「しんぶん赤旗」に、終戦の日にあたっての小池晃書記局長による談話が載っています。その冒頭に、「日本軍国主義による侵略戦争と植民地支配の犠牲になられた内外の人々に深い哀悼の意を表します」と述べられています。「日本軍国主義による侵略戦争と植民地支配」について、真の反省をできるのかどうか、このことが今の日本にするどく問われています。

軍国主義政策の中で朝鮮にわたった私の祖父母
本当の思いをいわないまま亡くなって…


 このことについて、ふたつのことを話したいと思います。
 ひとつは、亡くなった私の祖父母のことです。秋田県で暮らしていた祖父母ですが、軍国主義政策のなかで、朝鮮にわたり、教員だった祖父はそこで皇民化教育を行いました。日本が戦争に敗けて小さかった私の母を連れて日本に戻り、その後、小学校の校長先生になりました。朝鮮での話は一度も聞いたことがありません。どう思っていたのか何も話さず、亡くなりました。
 祖母は100歳まで生きましたが、亡くなる数年前に、私の娘(祖母からみるとひ孫)が戦争のときどうだったか聞きたいと言って、そのときはじめて体験を聞きました。祖母は、「朝鮮の人は優しかった」といいました。朝鮮漬けの野菜などをくれて、あまりにも辛くて食べられず、キムチを水で流していたら、「内地の奥さんはいちばんおいしいところを流している」といわれたこと。敗戦で帰るときには、ここにいたらいいのに、と心配してもらったこと。…祖母の記憶のなかでは、優しくされたことが残っていて、それ以外は語りませんでした。
 やさしい朝鮮の人に、日本化させる皇民化教育を押し付け、傷つけた事実。そして、そのことを、本当の思いをいわないまま亡くなっていった祖父母。このことの重みに胸が苦しくなります。「日本軍国主義による侵略戦争と植民地支配」についての真の反省を政府は明確にすべきです。

関東大震災から100年
歴史の事実を認めないところから戦争がくり返される

 もうひとつは、性奴隷にさせられた日本軍「慰安婦」の問題も教科書から削られて久しいですが、そうした歴史の事実を歪める動きの危険性です。今年は関東大震災から100年です。この震災のなか、嘘やデマを流されて朝鮮人が虐殺される大事件が起きました。このことは東京の100年史にも掲載されている歴史の事実です。毎年9月1日には、朝鮮人犠牲者の追悼式典が行われていて、歴代の知事は追悼文を送っています。ところが、小池知事は、就任して1回だけ追悼文を送っていますが、それ以降はいっさい送らなくなりました。そのことにより、ヘイトスピーチが助長される状況も生まれています。共産党都議団は、毎年追悼文を送るよう知事に申し入れ、また、代表質問でもとりあげてきました。今年も、申し入れを行います。
 歴史の事実を認めない、学ばない。そういうところから戦争がくりかえされることにつながるのではないでしょうか。

清瀬・東久留米
東京大空襲につながる戦争末期の空襲被害を受けた地域


 清瀬・東久留米の地域は、東京大空襲につながる戦争末期の空襲被害を受けた地域です。こうした事実をみんなで共有し、二度と戦争にさせないために、力を合わせたいと思います。憲法9条を守り生かす政治へ転換させるためとりくむ決意を述べ、スピーチといたします。

訴える宮本徹衆院議員(中央)
(左から)佐々木あつ子市議、原田ひろみ市議、
宮本徹衆院議員、原のり子、穴見れいな市議
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私も訴えました
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# by hara-noriko | 2023-08-17 16:03 | 活動日誌 | Comments(0)

都職員の障害者採用 初任給の引き上げを求める陳情を審査   

陳情審査 総務委員会で質問
障害者採用で初任給の加算限度号給を引き上げてほしい


 都議会第2回定例会の総務委員会でおこなった私の質問を紹介します。総務局への質問です。最終回の3回目は、都職員の障害者採用で、初任給の加算限度号給の引き上げを求める陳情審査です。私が質問した以外に質問者はなく、私の質問後に採決が行われました。趣旨採択に賛成したのは福手ゆう子委員と私とだけでした。その結果、この陳情は不採択になりました。

【私のコメント】
 
 東京都は、障害者3類採用選考で、すべての障害の方を対象にしています。しかし、知的障害の方は、試験を受けられるようにはなったものの、合理的配慮がないため合格者はなかなか生まれませんでした。今年ようやく1人採用されましたが、もっと障害特性にあった試験を別途行う必要があることをずっと指摘してきました。また、新たに、障害者3類を60歳までの方が受けられるようになりました。そうするとかなり経験を積んだ方がいらっしゃることも考えられ、それにふさわしい給与であるべきだと思います。キャリア活用選考も60歳までに拡大していることを考えても、同じように、経験にふさわしい給与体系であるべきです。
 ところが、障害者3類の場合は、初任給に加算される経験加算を低く抑えています。加算によって、上位職を超えることになってはいけないとのことで。では、同じ60歳まで対象のキャリア活用選考を受けようと思っても、合理的配慮が障害者3類ほど準備されていないので受けられない。…こうしたもとで、給与に差が生まれていることについて、改善していくべきというのはもっともだと思います。障害者権利条約にもとづいて、改善に向けた議論をすべきと考え、趣旨採択を主張しました。残念ながら通りませんでしたが、引き続き、障害ある方々がやりがいをもって仕事ができる環境改善へ、取り組んでいきたいと思っています。

陳情の内容を都が説明
障害者採用における初任給の加算限度号給の引き上げ


 総務局任用公平部長 DX推進担当部長兼務 陳情5第2号、都職員の障害者採用における初任給の加算限度号給の引上げに関する陳情についてご説明申し上げます。
 陳情の要旨につきましては、都において、都職員の障害者採用における初任給の加算限度号給の引き上げを早急に実現していただきたいというものでございます。
 現在の状況でございますが、職員の給与については、地方公務員法における給与に関する基本原則である職務給の原則等に基づき、条例等で定められております。
 新たに職員となった者の初任給は、規則において、採用された試験選考区分ごとに適用される初任給の号給が規定されており、採用前に職務経験などの有用な経験等を有する場合は、その経験等に応じて初任給の号給に加算することができると規定されています。
 初任給における経験加算は、上位職の給与水準を超えないよう均衡を図る必要があることから、加算限度号給を設定しております。
 障害者3類採用選考は、都におけるキャリア形成を前提としている一級職を採用する3類採用試験と同等の能力実証を行う選考であることから、3類採用試験と同じ加算限度号給としております。
 一方、キャリア活用採用選考は、障害者3類採用選考とは異なり、民間企業等でのキャリアや実績といった個々の経験に着目し、上位職である主任級や課長代理級として採用する選考であることから、採用される級の最高号給を加算限度号給に設定しております。
 なお、障害のある方についても、受験資格を満たしていれば、障害者3類採用選考以外の採用試験、選考の受験は可能であり、点字による受験、パソコンを使用した解答など、必要な合理的配慮を行い、試験等において障害の種別にかかわらず能力が発揮できるよう取り組んでおります。
 以上で説明を終わらせていただきます。よろしくご審査のほどお願い申し上げます。

 総務委員会委員長 説明は終わりました。本件について発言を願います。

陳情は、採用後の待遇が追いついていないと指摘
その改善を求めている


 原のり子 それでは、うかがいたいと思います。
 本陳情は、東京都が障害者採用の対象を拡大してきた一方で、採用後の待遇が追いついていないのが現状であり、それを改善することは、障害を有する職員が都全体の人材として活躍するために重要だと指摘をして、都職員の障害者採用における初任給の加算限度号給の引上げを早急に実現してほしいと求めているものです。

初任給の加算限度号給の引き上げ
どのような法手続きが必要になるのか


 原のり子 まず、確認でうかがいたいのですが、陳情者の願意である障害者採用における初任給の加算限度号給の引き上げ、これを実際に実施する場合には、どのような法手続が必要になりますか。

 任用公平部長 初任給の加算限度は、初任給、昇格及び昇給等に関する規則に基づく通知により規定しており、この通知を人事委員会が改正することが必要でございます。
 しかし、職員の給与制度は、職務給の原則等に基づいて設計、運用すべきものであり、改正には慎重な検討が必要となるものでございます。

条例改正は必要ない
規則の改正で対応することになる


 原のり子 つまり、(規則で規定しているので)条例改正は必要はないということで、都として必要だというふうに判断をする、考えれば、規則の改正で対応するということになるわけです。

障害者3類採用選考を60歳まで拡大した
その理由は何か


 原のり子 そうなると、大事になってくるのは、どういう考えに基づいて障害者採用をすすめるのかということだと思います。この陳情では、キャリア活用選考と障害者3類選考が60歳まで対象を広げたことについて触れています。
 まず、障害者3類が年齢を60歳まで拡大した理由をうかがいます。

 任用公平部長 障害者の雇用の促進等に関する法律の改正など、障害者雇用を取り巻く状況を踏まえつつ、都が率先して障害者雇用の取り組みを推進し、採用のさらなる門戸拡大を図るためでございます。

キャリア活用選考も60歳までに
どういう理由からか


 原のり子 では、キャリア活用選考の60歳までというのはどういう理由でしようか。

 任用公平部長 民間企業等でのキャリアや実績といった個々の経験に着目し、上位職である主任級や課長代理級として、幅広い年齢層から有為な人材を確保するためでございます。

障害者の雇用の促進等に関する法律
改正を踏まえてとはどういうことを指しているのか


 原のり子 それで、ちょっとうかがいたいんですけれども、先ほど障害者3類が60歳まで拡大した理由についてお答えいただいて、そのなかで、障害者の雇用の促進等に関する法律の改正などを踏まえとおっしゃられました。これはどういうことを指しているのか、うかがいたいと思います。

 任用公平部長 先ほど答弁させていただきました障害者の雇用の促進等に関する法律の改正という部分でございますが、これは令和元年(2019年)に法律の改正を行ったものでございまして、内容につきましては、国及び地方公共団体の責務として、自ら率先して障害者を雇用するよう努めなければならないといった法改正がございました。
 これを受けまして、東京都としても、都庁における障害者活動推進計画を策定いたしまして、それに基づき、60歳まで拡大したものでございます。

職業能力の開発及び向上に関する措置が加わっている
能力を最大限に発揮できるようにしていくことが重要


 原のり子 いまご説明あった部分については理解をするところです。
 それで、ただ、障害者雇用促進法の改正、今年の4月1日から施行されたなかには、例えば第5条では、すべての障害者の雇用に関し、社会連帯の理念に基づき、障害者である労働者が有為な職業人として自立しようとする努力に対して協力する責務を有する者であって、その有する能力を正当に評価し、適当な雇用の場を与えるとともに適正な雇用管理を行うことによりその雇用の安定を図るよう努めなければならない、という規定があって、その適正な雇用管理を行うだけではなくて、職業能力の開発及び向上に関する措置を行うということが加わっています。キャリア形成の支援を含めて積極的に行っていくという、そういうことが示されたというふうに思っています。これは、東京都の職員採用においても、私は重要な視点になってくるんではないかというふうに思うんです。
 障害者のみなさんが試験を受けられるように、門戸をできるだけ開いていくという点で、東京都も努力をしてきているわけですけれども、障害者の雇用率を数字上達成すればいいというわけではもちろんなくて、一人ひとりの障害のある方たちがその能力を最大限に発揮できるようにしていくことが重要だというふうに思っています。

試験時間の延長についての規定
点字で解答する人、拡大文字で受ける人に限られるのか


 原のり子 それでうかがいたいんですけれども、先ほどこの陳情審査の冒頭にご説明があって、都としての陳情に対する見解が述べられていました。そのいちばん最後の部分で、障害のある方もどの試験も基本的に受けられると、合理的配慮についても個別に対応されているという説明がありました。この間、私も、また福手ゆう子委員も、この問題については質問を重ねてきていますので、合理的配慮の努力についても進んできている、これ重要だと思っています。
 それで、確認したいんですけれども、障害者3類選考の場合は、最初から、試験時間はすべての受験者に対して延長されています。その他の採用選考案内の受験の場合には、受験上の配慮というのが書いてあって、試験時間の延長について規定されています。ここでは、点字の試験問題に点字で解答する人と、拡大文字の試験問題を受ける人に限られるように読み取れます。それ以外の人には認められないのかどうか、うかがいます。

 総務局試験部長 試験や選考の実施に当たりましては、公正性を確保することが重要でございます。そのため、試験時間の延長は、点字や拡大文字による受験者のうち、問題文の読解や解答の作成に時間を要し、一定の要件に該当する場合に認めているものでございます。
 試験、選考において、受験者が能力を発揮できるよう、引き続き個別の相談への対応も含めて必要な配慮を行ってまいります。

試験途中で薬を飲んだりする必要がある方など
キャリア活用の選考希望者が障害者3類選考に行くことになる場合も


 原のり子
 時間延長については、障害者3類以外は、基本的に、いまご答弁にあった視覚障害の方で一定の要件に合った方に限られるということなんですよね。それ以外で合理的配慮は個別に対応していきますよ、というお話だったと思うんです。ただ、その合理的配慮も、個別に相談して対応できる、あるいはできない、これが決まっていくということだと当然思うんですね。
 それで、時間延長については、視覚障害の方に限らず、例えば途中で薬を飲んだり休んだりする必要がある方とか、あるいは手に障害があって記入に時間がかかるなど、いろいろなケースが考えられるのではないかというふうに思うんですね。
 そうなると、キャリア活用の選考で受験をしようかなと思っていたけれども、ちょっとなかなか時間が厳しいと判断をされた、そういう障害をお持ちの方は、たとえキャリア活用選考の要件に合致していても、障害者3類を選考するということになるのではないかと思うんですね。ですから、やっぱりほかの試験も、障害者3類以外も受けられますというふうに、もちろんなっているんですけれども、なかなかハードルは高いというのが現実だというふうに思います。

高卒で11年間の民間経験者
キャリア活用選考と障害者3類、給与はいくらか


 原のり子 それで、そういう状況を踏まえると、今、障害者3類の受験者数は、年齢拡大とともに大きく伸びていますよね。これはとてもいいことなんですが、その年齢が高くなってから障害者3類を受けている方々のなかには、さまざまな経験をほかのところで積んでいる方、キャリアを持っている、スキルのある、そういう方もいらっしゃるんだというふうに私は思うんです。
 そこでうかがいたいんですけれども、キャリア活用選考の場合、高卒で11年の民間での経験がある方から受験の対象になりますけれども、その場合の給与はいくらになるのか。また、障害者3類で、同じ条件ですね、高卒で11年、こういう条件の場合の給与はいくらになるか教えてください。

 任用公平部長 高校卒業後、公務と同様の職に11年の経験があると仮定した場合、令和5年(2023年)5月1日現在の初任給は、キャリア活用採用選考で採用された場には、2級職の主任として給料月額24万5300円となります。また、障害者3類採用選考で採用された場合は、1級職の主事として、給料月額21万6600円となります。

障害者3類選考は18歳から60歳が対象
さまざまな経験を積んで採用されることを考慮すべき


 原のり子 やはりそこには差が当然出てくるわけです。この陳情でも詳しくその前歴級の差などにも触れています。
 障害のある方にそれぞれの力を発揮してもらえるように、給与の問題あるいは働き方の問題を検討していくというのは、とても大切だと思っています。
 障害者3類選考は、3類選考と同様に、高卒での受験、高校卒業程度の方の試験というふうになっていますが、ただ、3類は18歳から21歳までが対象になっていて、障害者3類はぐっと広がって、18歳から60歳までになっているわけです。やはりこの違いを踏まえて、今後検討していく必要があるというふうに思うんです。
 先ほどもいいましたけれども、さまざまな経験を積んで採用される障害のある職員の方々がいらっしゃると思うんですね。このことを考慮していくことが今後求められていくというふうに思います。

障害者権利条約を踏まえて
よりよくしていく立場で陳情を検討すべきです


 原のり子 最後に、ちょっと意見だけ述べておきたいと思いますが、障害者権利条約の第27条は、労働と雇用について規定していますけれども、そのなかには、公的部門において障害者を雇用するということが位置づけられています。それから、募集、採用、雇用の条件、継続、昇進などに関し、障害に基づく差別を禁止し、労働によって生計を立てられるということも位置づけています。
 障害者の採用について、よりよくしていくという立場で、今回の陳情の内容を検討することは、私は必要だというふうに思っています。

知的障害の方の特性を生かした試験の実施
視覚障害の方が持っている資格を生かせるような仕事をつくる


 原のり子 また、これまでも私たち求めてきていますけれども、知的障害の方の特性を生かした試験を別途実施をする、あるいは障害者団体からも毎年都に要望されていますが、視覚障害の方が持っている資格を生かせるような仕事をつくる、こういうことなども東京都が踏み出すべき課題だと思っています。これは総務局マターになる分野だというふうに思いますが、全庁的に検討していくべきだと思います。
障害のある方が活躍できる職場、また、東京都へと前進できるように検討していくことが必要だと指摘をいたしまして、質問は終わります。

起立による採決
陳情は不採択に


 委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。本件は、起立により採決いたします。本件は、趣旨採択とすることに賛成の方はご起立願います。

〔賛成者起立〕
 委員長 起立少数と認めます。よって、陳情5第2号は不採択と決定いたしました。陳情の審査を終わります。

【2023年 都議会第2回定例会での質問】
(1)政策連携団体に対する指導・監督のあり方
2)離島振興

日本共産党の幟を立てて駅前で都政報告
都職員の障害者採用 初任給の引き上げを求める陳情を審査_b0190576_22303375.jpg






# by hara-noriko | 2023-08-07 22:32 | 都議会 | Comments(0)

共産党の支部が「つどい」開く   

ざっくばらんに語り合うつどい
東久留米 共産党の支部が主催して


 東久留米市の日本共産党地域支部の主催で「ざっくばらんに語り合うつどい」が8月5日に開かれ、参加しました。志位さんの18問18答を半分観たところで、みんなで意見交流。どの意見もとても考えさせられ、勉強になり…その意見を通じて、共産党の全体像が浮かび上がる感じでした。

参加者から多彩な発言
志位さんの18問18答 みんなに見てほしい


 プライバシーにかかわるものは除いて、出された声を紹介すると…
 *アメリカいいなり、従属という意味について。
 *維新や国民民主と自民党の関係。
 *マイナンバーにかけている多額の税金。企業との関係。なぜ、それほどまでにすすめたいのか。個人情報保護はどうなっていくのか。
 *今の健康保険証を廃止しないで、マイナンバーの強制はすべきでない、と署名をよびかけている。これまでは署名はしないといっていた人も、この署名はしてくれて、断られることがほとんどない。
 *健康保険証の問題、認知症の人はどうするのか。
 *「しんぶん赤旗」の「消費税の真実」という記事とてもよかった。
 *18問18答、とてもよい! きょう見られなかったものも見たい。みんなに見てほしい。
 *選挙で勝たないとだめだと改めて思った。
 *共産党がもっと増えないといけないと思った。憲法の本質を伝える党として。
 *気候変動心配。子ども、孫たちのことを思うと生き続けられる国にしないと
いけないと思う。時間がない、危機感をもっている。
 *借金ばかりの国で大丈夫か。
 *核抑止力の問題点、よくわかった。脅威を与えるというのはだめだ。
 *大企業と政治の癒着、さらに追及してほしい。
 *憲法について、もっと学校でちゃんと教えてほしい。
 *戦後、子どもだった自分は、アメリカの軍人をみるとギブミーチョコレートと物乞いのようなことをしていた。発展途上国で飢餓に苦しんでいる子どもたちの映像をみると、そのときの子どもだった自分のことを思い出す。
 *日中外交の提起、とても大事だと思った。
 *共産党への支持を広げて、共闘の流れを強めていくためにがんばりたい。
 *女性たちが平等を訴えながら党をつくってきたことに学んでいる。

マイナンバー、健康保険証
個人情報保護の問題は重大


 マイナンバー、健康保険証の問題は、たくさんの意見が出されました。昨年度、今年度それぞれ関連経費だけで予算は1000億円ずつかけている。これまでの準備予算その他を含めたら膨大なお金をすでにかけている。結局これでもうかる企業がいる。また、個人情報保護の問題は重大。企業などが、いかに情報を活用しやすくするか、という方向に切り替えられてしまっている。こうしたなかでも、自治体が個人情報を守るできる限りの対策をどうとっていくかが問われている。…こうしたことも話になりました。私は、都議会で共産党として個人情報保護にかかわる条例改正案を出したこと、残念ながら生活者ネットとグリーンな東京のみの賛成で通らなかったことを紹介しつつ、取り組みを強めていきたいと話しました。

過去の戦争の歴史に学ぶことの大切さ
人権や民主主義をないがしろにする政治を変える

 みなさんの意見を聞きながら、過去の戦争の歴史に学ぶことの大切さを改めて実感しました。共産党はなくなればいいと維新の代表が発言しましたが、これは共産党に対して言っているということにとどまらない。人を排除する、自分の考えと異なる意見は認めない…まさに戦争への道です。マイナンバーの押し付けや個人情報の保護を後退させていることも、人権や民主主義をないがしろにしていく危険な流れです。そういうなかで、地域の党支部の方々がコツコツと署名を集めとりくんでいる。そして、政治を変えるための共同への努力を手放さずに積み重ねている。ここに、共産党の姿が示されていると実感しました。

常に成長していく党でありたい
あなたもぜひ、日本共産党に参加してください


 日本共産党は、「完璧な政党」というのでなく、常に成長していく党でありたい。みんなと考えあい社会を変え、党自身も成長していく政党でありたい。こうした思いを話しながら、私もぜひ、多くの方に共産党に参加してほしいと呼びかけました。
 最後に入党のよびかけもみんなで読み、閉会。今後につながる、とても大事な会となりました。
 入党のよびかけ
 未来をつくる若い世代のみなさんに入党をよびかけます

多彩な発言があった
「ざっくばらんに語り合うつどい」
共産党の支部が「つどい」開く_b0190576_11542826.jpg




# by hara-noriko | 2023-08-07 11:55 | 活動日誌 | Comments(0)