イオン誘致計画の採決を強行 都市計画審議会
2011年 03月 11日
都計審は、都市計画法にもとづいて、市が計画立案する都市計画案を審議する機関です。有識者や議会各会派の代表で構成されています。
馬場市長が諮問
この日の都計審は、馬場市長が諮問したイオン誘致のための基本計画である「南沢五丁目地区計画案」を審議しました。「市民参加による計画の見直し」を公約して当選した馬場市長が「計画推進」に方向転換した結果です。
地区計画案は、第一勧業銀行グラウンド跡地とその周辺約11.1ヘクタールを住居用地域から商業用地域などに用途を変更して、巨大な商業施設や中高層住宅を建設する計画です。イオンは、5.27ヘクタールの土地にショッピングセンターを建設します。延べ床面積は、8万1700平方メートル。駐車場は1734台を見込んでいます。
つめかけた市民
都計審は、午後1時半からはじまり、9時近くまでの会議でした。傍聴者が入場を許可されたのは、2時過ぎ。50人を超え、席が足りず椅子を追加して、ぎゅうぎゅう詰めの状態。地元住民の方をはじめ、たくさんの人が心配していることが改めて明らかになりました。
出席委員は会長を含め14名。質疑の多くは、地区計画案や市の進め方に疑問を投げかけ、多くの市民が反対していることを重要視しているものでした。ところが…。
審議の継続を求める声が
長時間経過するなかで、こんな大事な問題を今日1日で強行しないでほしい、改めて会議を開いて継続すべき、との声が傍聴している市民の方たちからあがりました。私も、事務局に要請しました。
日本共産党の篠原重信議員が2つの動議を提出
委員のひとり、日本共産党の篠原重信議員は、質疑の中で、続会とすることを提案。会長が、「市長からは、きょう結論を出すよう諮問されているが、どうしますか」と委員に意見を求めました。結局、篠原委員ら4名が続会に賛成しましたが、あとは反対で、きょう中に結論を出す、ということになりました。
さらに、その後の質疑があり、そのうえで、篠原委員は、2つの動議を提出。それは、371通もの市民の意見書が提出され、4通のみが賛成し、圧倒的に反対や不安の声が大きい中で、慎重に審査し結論を出す必要があるため、公聴会を実施すること、委員が現地視察と調査をすること、を提案するものでした。「賛否は別としても、委員の責任としてぜひ実現しましょう」とよびかけました。しかし、賛成は篠原委員ら3名のみ。否決。
各党の態度は
そして最終的な採決では、イオン誘致のための地区計画案に反対は篠原委員ら4名で、自民クラブ(2人)、公明(2人)、社会市民会議(1人)の議員は、いずれも計画案に賛成しました。計画案は承認され、市長に答申がだされることになりました。
理解に苦しむ採決の強行
傍聴席からは、「なぜ…」「ひどい」との声が起きました。こんな大事な問題がたった1日の審議会で決まっていく。しかも、この日初めてイオンの企画提案書が公開され、また、371通の市民意見に対する市の見解も発表されたのです。住民の方の不安に応えるべき、との質疑がたくさん行なわれましたが、結論は出してしまう…。本当に理解に苦しみます。
決意新たに
イオン問題は、新しい局面になりました。厳しさはもちろんあります。しかし、住民の方々の不安や計画のもっている問題はいっさい解決されていません。問題が解決されていないのに、これで終わりにすることはできません。新たな段階でのとりくみを、市民のみなさんと一緒にすすめる決意を新たにしています。
ホバリングするヒヨドリ(落合川)
# by hara-noriko | 2011-03-11 18:04 | 市政報告 | Comments(0)